温泉だね

サラマンドラは飛んだ。死ぬ気で、颯の如く。主の下へと。

フレイヤが殺られるのは想定内だった。ゴブリントロールを倒せる奴が、体力や防御力の少ないフレイヤを倒せない訳がない。だが、オークマスターまでもが殺られた。高速で滑る鉄の塊に潰されて。確かに私は見た。空からしっかりと確認していた。オークマスターが寝転がって一服ついたその時、謎の鉄の塊が彼を潰して行った。鉄の塊からは人間が出てきた。顔まではよくわからなかった。でも、恐らくフレイヤが見た男に違いない。そして、その男からは、自分と同属の魔法の力が感じられた。彼は私と同じ、、、いや、私以上に強い人間だ。勝てない。考えてみればもう、炎国四天王は、もう私しか残っていない。一刻も早く、この事をグリフォン様に伝えなければ、、、


あーあ 豚を轢いちゃったよ。挽肉にもならなかったよ。ひくだけに。笑い事じゃないか。殺人だな、、、いや、殺豚?あれ?でも家畜の豚はいつも殺豚されてるわけで、、、いや、そういう話じゃないだろ!挽肉、、、挽肉といえばハンバーグ。今日の夕飯ハンバーグがイイな。タクに頼んどこう。て違うわ!だんだん売れない芸人みたいになってきてる。この世界でオーク殺したら犯罪?んー。でもこれまで何十匹のモンスターを狩ったことか、、、まあOKだよね、、、

どちらにせよ、優香にはもう少し頑張って貰えると嬉しい。また挽肉モドキを作って貰うのは後免だが、、、どうやら都市まであと20km位なんだとか。あと車で一時間位で到着かな?人間に会えるといいな。魔界コッチの話もよく聞きたいしね。生存者も居るかな?頑張れば歩いてでも行ける距離だし、一人くらい居ないかな?風呂入りたいな。シャワーじゃなくて湯船!都市ってどんな所かな?色々考えているうちに、都市の門に(関所だね)に着いた。

「怪しい奴等め。即刻立ち去れ。」

オークの門番がいきなり馬鹿げたことを言ってきた。お前も今日の晩飯のハンバーグにされたいのか?あ、でもまずそうだな。交渉ならタクの仕事だ。タクに説得して貰おう。

「我々は都市まで行きたいのです。入れさせてください」

「駄目だ駄目だ。都市に入れるのはお偉いさんとカワイイ子ちゃんだけだ。お前達みたいな臭そうなのは帰って滝壷で汚れを落とすんだな」

なんだこの門番。ふざけてんのか?どこの意地悪親父だよ。だいたい豚に臭いなんて言われたくないね。お前ら糞と藁最高級のくっさいベッドで寝てるくせに。

「入れてくれ。頼む。」

「なんだ、そんなに入りたいなら金だ金。もしくは奴隷として俺の下で働け。

おっと、、、タク様を怒らせちまったようだぜ。

タクはボウガンを作り出し、門番の額に当てる。

「ドシュ」

門番はハンバーグにはなれず、そのまま光となって消えた。タクが直接手を下したのは初めてだな。それだけ怒ってたんだろう。

強引ながらも、関所を突破。遂に見えたぞ。炎国の都市の一つ、ヴォルケノンタウン。火山の多い都市だ。過去に魔王ヴォルガノンが治めていたが、フレイヤという妖精がたった一人で国を滅ぼしたんだとか。なんでもそのフレイヤっていう妖精は、炎国四天王の1柱なんだとか。いつか戦うことになるのかなぁ。四天王、、、一体どんなに奴らなんだろう。きっと強いんだろうな。一人倒すのに超時間掛かって、倒した後で「奴は四天王の中でも最弱だ」とか言われたりしてなw 都市に着いたら最初にすること。温泉に入る!この国って日本みたいに、地震と噴火が多い代わりに、温泉が多いみたい。中でもここは、最高の温泉地らしい。

温泉に到着。久々の湯船だ。簡易的なシャワーならタクと俺が共同で頑張ったけど、流石に湯船は難しかった。大きい風呂にゆったりと浸かれる。一週間ぶりで、もう人骨スープが出ちゃうんじゃないかっていうくらい染み渡るよ。普通に日本とあんまり変わらない。どうやら人間界は魔界に監視されていたようで、一先ず真似て作られたんだとか。寿司とかピザとかハンバーガーみたいなのもあったよ。どんな具材使ってるのかは、分かんないけどね。残念だったのが、湯上りのフルーツ牛乳が無かった事かな。俺あれが好きなんだよね。

風呂上りでてっきり夜くらいかと思ったけど、まだ午後3時くらいか。今日はここで泊まる事になりそうだ。皆集まったら、ホテル予約しに行こうかな。そんなこと考えている間に、レオン以外の全員が出てきた。おかしいな。レオンは俺より先にのぼせて出て行ったはずなのに。

さてはあいつ、スキル使って隠れてるのか?

「み、み、み、みんなーー!たすたたすけてー!」

後ろでレオンの叫び声がする。振り向くと、さっきの馬鹿門番みたいな服着てる豚を率いた牛がいるんだが。牛の後に豚が20匹位いるんですけど。なにしてんだあのレオン馬鹿は。どうすればあんな豚に好かれるんだ。面倒臭いな。一気に潰すか。ちょいと噴火させるか。小規模地震で軽く噴火させよう。よし。地震は英語でアースクエイクだっけ。

「アースクエイク。」







小規模な地震で終わらせるはずだった。アースクエイクは、相当上位の魔法らしい。地面が張り裂けてそこらじゅうで噴火。マグマの嵐だ。俺達はバリアで助かったが、アンがいなければ、俺らは即死だったよ。アンのバリアの中に牛が入ってきたけど、それは無視してても大丈夫そうだ。失神してるから。良かったね。ステーキにならなくて。

僅か数十秒。それだけのの時間で、一つの国位の大きさの都市が、消え失せた。これは瞬く間に魔界全体へと広がる。


龍のステータス


レベル 113 (ファイアのサイズ 小学校の黒板よりも少し大きめ)


新呪文


伝説級魔法 「アースクエイク」

「イラプション」


称号 赤の破壊神

破壊力の増加


基本属性 マグマ

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る