続、独白

笑い疲れて一息ついて

魔女は寝台に腰かけた


簡単には死ねないわ

異端の色を持つ女が

魔女の魔法を身に受けたのよ

きっと何かがおこるわね

幸か不幸かおこるわね


私以外の者はみな

黄金に輝く髪を持っていたわ

なぜ

私の髪は黒いのかしらね


忌まれ嫌われ

国を追われてさまよって

私の男あの人に出会ったのよ


私の瞳を見つめてね

望月のようだな

そう言って微笑みながら

優しく優しく

私の髪を撫でたのよ


あの子の父は

黄色い薔薇のようだと言った

あの子の父が殺した男は

希少な宝石のようだと言った

あなたは

常夏の果実のようだと言った


みんなみんな嘘つきよ

ほんとうに私の男あの人であるならば

私の問いに

望月のようだと答えなければ


あぁ

あの子はおつきさまと言ったわ

おしかったわね


ある満月の夜にね

私が魔女だとわかったとたん

国へ連れ戻されたのよ


見張られていたのよ

年老いた男と女にね


あの人は

私の男は生きている

薬をあげたもの

私が魔法をかけたつくった

死なない薬をあげたもの


会いたい人がいるのなら

あの子も生きて探すといいわ


髪の色が異なるばかりに

瞳の色が異なるばかりに

忌まれ嫌われ

あぁ

その色が何を示すのかしら

あぁ

私の魔法をその身に受けて

あぁ

何かが花開いたかもしれないわ


生きて


生きて探すといいわ


会いたい人が生きているかは

わからないけれど


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