厳しい世界、寄りそう者たちの物語。

行く先を持たないもの――『ストレイ』。
ストレイ達が押し込まれた灰色の世界の中、とあることから「僕」は彼と親交を深めることになる。
その出会いが、二人のはじまりだった。

自分達を拒絶する世界を必死に、ただただ生きようとする姿に心を打たれ、どこまでも二人を応援したくなります。
文章も非常に読みやすく、すんなりと物語に入りこむことが出来ました。おかげで読みながら情景もありありと浮かんで――いたのですが、……なるほど、と深く頷きました。
もちろん、頭に戻って読み直しました。そしてもう一度、なるほど、と漏らしました。
どうぞ、ご自身の目でお確かめください。

世界は確かに厳しいけれど、それだけではないかもしれない。
二人の先行きに幸多からんことを。