続、出会い

姫様 剣をお下げください


部屋の奥から響く声に

細身の剣を構えた娘は

激しく声を荒らげる

なぜ!?

こいつも殺しに来たのでしょう?

私を殺しに来たのでしょう!?


老婆が姿を現して

静かな声で娘を諫める


この方はおそらく違うでしょう

立派な馬とお召し物

高貴な身分の方でしょう

そのような方が

これまでいらっしゃいましたでしょうか?

いらっしゃいませんでしたよね


娘は剣を渋々おろし

黒い瞳で王子を睨む


何しに来たの?と紡ぐ

その唇は

赤く

赤く


王子は無言で娘を見つめた

美しい

娘であった





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