誘拐


「ん、知らない天井だ...。」


俺どうなったんだっけ、確か青い髪の二つのお団子娘と会って、それから...


レーンさんと戦ってた気がする。それにしてもレーンさん強かったな

『豪剣』だってさ、滅茶苦茶かっこいいじゃん

あ、先生。大丈夫かな、でも大人だしな

なんとかするのかな?


ていうかここどこだ。そう思い体を起こすとベッドだった。寝っ転がっていたのは滅茶苦茶でかいベッドだったのだ。

誰が...。


モゾモゾ


そんな音がしたので真横をみると、布団が盛り上がっていた。


誰かが一緒に寝てるのか、もしかして先生だったり...

前にもこんなことがあった気が


不吉な予感がしつつも少しだけ布団を持ち上げると其処には裸の青髪ダブル団子娘がいた...。


勿論、即座に布団をかけ直した。


何故彼女がここに...?


というか何故裸!?

取り敢えず布団を出て何も見なかったことにしてこの部屋から出て誰かに事情を聞こう。


布団から出て窓の外見ると、異様な光景が広がっていた。

空が紫なのだ。

え、なにこれ魔界?レベル。


事実そのとおりなのだろうけど、魔族に連れていかれる場所といえば魔界だろう。


「んー、あれ?起きたの?」


後ろから、目を擦りながら起き上がる青髪ダブル団子娘。


「えっとここどこですかの前に、服着てください!」


ここどこですか、って聞こうと思わず振り返ろうとしてしまった。そういや裸だった。


「...了解。終わった。」


はや?!


まさかと思い振り返ると確かに服を着ていた。

どうやって。

どこから服を出したの等の言いたいことは沢山有るけど、言い出したら切りないし

もう、魔族だから着替え早いってことにした。


「それで、ここどこなんですか」


「どこって、魔王城。」


寝ぼけた顔で、あくびしながらそう答える彼女の発言はまさに爆弾発言だった。


魔王城って、あの魔王城?

ほら、RPG系のゲームで終盤になってから挑むラスボス魔王様がいる魔王城?

まおーじょー♡みたいなおちゃらけてないやつ!?


俺終わった。


異世界転移しました、レベル2ぐらい、スライム倒したやったぞーってなってる主人公が唐突の魔王城って感じだよ!?


「あ、そうそう。今から魔王のとこ行く。この仮面着けて。」


と言い、こちらにひょっとこの仮面を寄越してくる。


え、これつけろってこと?


え?だって、ひょっとこだよ?


ひょっとこを着けると目の前の青髪ダブル団子娘が吹いた。


「わざとですか...。」


「ううん、それ着けると魔族に人間ってバレないから着けて、フフ。」


にやけながらそういう。


「じゃあ、行くよ。」


俺の肩を、触った瞬間。


そこは違う部屋、それも転移した時の謁見の場所に似てる。


およそ4mほど離れた場所に。でかい椅子に座る白い髪の幼女がいた。


ここ、なにかに似てるなと思ってたけど。

ゲームの魔王の場みたいな、感じに似ている


てことは、目の前の椅子に座る幼女は魔王か。


「魔王、連れてきた。」


そう言って、俺を引っ張りながら魔王の近くまで連れてくる


「うん、合ってるわ。ありがとうシーナ。」


シーナっていうのか青髪ダブル団子娘は。

というか、俺に用がある感じの言い回しだな


「俺になにか用があるんでしょうか?」


俺は単刀直入に言葉の直球を投げつける。


「そうね、まずそのお面取っていいわよ?」


言われた通りにとって気づく、「あれ?これ何のためにつけたの?」って。


その直後隣りからクスクスって笑った声が隣りから聞こえる

はめられた。ということが事実だった


「何から言おうかしら。貴方はこれから私の部下ね。拒否権はないわ。」


えーと、何言ってんの?このガキンチョ?


「私達はこれから、まぁかなり先だけど神に戦争を仕掛けるわ。それに協力しなさい?」


ドヤ顔でそう言う幼女。

背伸びしてる感が半端ないけど気にしたら負けな気がする


して、なんて言おうか。

勿論魔族に協力する気はない。

俺は神様の方に付きたいね、まぁ育ちが協会だしね?


「俺、人間だし。どちらかと言うと神様側じゃないですか?何故俺...何ですか?」


「それは...」


「それは?」


随分溜めるな...、何か言いにくいことでもあるのだろうか


「わからないわ。」

「は?」


えぇっと聞き間違え?

わからないわ。って聞こえた気がしたんだけど。


「だから、わからないって言ってるじゃない。」


え。なに?舐められてるの?

いきなり訳分からん所に、連れてこられて。

神様と戦争するよ、あんた私の部下ね。

なんで、俺?

え?知らん知らんって言われとるんだけど


「まず、こうなった理由としては私の能力が原因ね、未来が見えるのよ私。あ、私のだけだけどね?」


未来が...見える?

そこに、俺はどのように関係してくるんだ?


「別に、好きな時に好きなタイミングの未来が見える訳じゃないけど、突然未来が見えるのよ。そこには私と一緒に戦う貴方の姿があった訳」


でも、俺そんなに強くないし。

何で神様と戦わなきゃならんの、勝てないやんけ


「今代の魔王は今までの中でも群を抜いて雑魚。未来視と頭脳だけで魔王になった。つまり戦ってくれる戦士が必要。人間で唯一、神の洗脳を受けない貴方が私には必要なの♡だからお願いってこの駄魔王は言っているの。」


伝えたい事を伝えてくれたけど、ほぼ無表情だった。魔王を罵倒してる時だけ若干頬が緩んでいた気がした


「言いたいことは分かったけど俺あんま強くないですよ?それになんで神の洗脳?だかが効いてないのかは知らないですけど。その理由は?」


あのタケって奴には歯が立たないし。

そもそも、洗脳だかは俺が絶対掛からないなんて言えない訳だし。

てか、神様洗脳するの...( ˙-˙ )

え、なにそれ怖い


「そういえばタケは?どこいったのかしら」


ビクッと背筋が張った。

どうしよう。遠まわしに俺はそのタケって奴の殺害に関与してる訳だし

バレたら殺されるのだろうか


「ん、タケは『豪剣』と殺って負けた。」


「...そうか。まぁ『豪剣』だしね。仕方ないわよ。強いし」


え、何この全くし仕方ないんだからーみたいなムード


そんなに軽い事なのだろうか...?


「強いか、強くないかは正直関係ないわ。これから強くすればいい。未来視で私と一緒に戦っていたということが重要よ。」


「ん、私が鍛えて進ぜよう」


と、シーナさんが言う。


鍛えてくれるのかぁー、でもなんか戦えそうじゃないんだよなぁ。シーナさんって


「よかったわね、気に入られているのねシーナに。シーナはこう見えても幹部なのよ?しかも幹部統括なの。なにそれみたいな顔してるわね、つまり幹部の中のリーダーよ」


「えっへん」


シーナさんが、どこぞの魔王と違って主張してくる胸を張りながら、かすかにドヤ顔してる。


えと、まじで?この抜けてる感じの人が幹部のトップなの?


ドッキリ成功!みたいなテロップ隠し持ってたりしない?


二人の顔をまじまじと見るが、どこも可笑しい顔をしない。つまりマジだ、本気と書いてマジだ


「え、あ、うん。有難うございます。」


なんとも言えない顔で呆気にとられながらも返事を返すと。


「あと、そうね。洗脳されない理由だったかしら。まず貴方は絶対的に神に嫌われる理由を持ってるわ。_______貴方が悪魔に好かれてるからよ。」

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