第20話 涙
3人が行ってしまうと、憂は、自然に大きなため息をついた。わたし、こんな所まで来て何をしているのかしら。。。
片足に負担がかかり、痛みはじめていた。もう帰りたい。。。
急に惨めな気持ちが押し寄せて来た。
一矢様に。。。キスされてしまった。。。
それに。。。さっき。。。多香子の姉が。。。
いつも気丈なはずの憂が、突然に気がつけば、滴り落ちる涙で気付いた。
痛む足に慣れない着物。。。まだお席はこの先。。。もう帰りたい。。。
あ。。。ハンカチ。。。。
さっき受付で預けたビーズのバッグの中。。。。
何故。。。足さえ普通なら。。。。
普通に歩けたら。。。
憂はぽたぽたと流れ落ちる涙が目立たないよう、手のひらで顔を隠して、窓に向いて、震えた。
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