LEVELZERO

@jeanmaru

第1話 レベル0

 人類のレベルはゼロになっていた。ゾウのレベルは3。猿のレベルは2。クマのレベルは5。それぞれが危険なレベルを現している。人類のレベルが退化した理由――それは――誰かが願ったんだ、人類の平和を。人類の争いのない世界を。そして今、人類は次のステップへ進もうとしていた――


「隆二」

「んー?」

「テスト受けたか?」

「あー。危険分子レベルのテスト―?」

「その様子じゃ受けてねえのな……」


 退化した人類は、個別にレベルをつけることにした。人類は、「個別」になることを選んだのだ。しかし、その選択は間違っていたのかもしれない。……僕は、レベル0と診断されてはや14年。他にもレベル0は山ほどいる。しかし――


「危険分子……ねえ」


 レベル3以上。つまり、クマやライオンなどのレベルに達した生物は殺される運命にある。いかにレベルをあげずに反乱できるか。それを考えて4年。危険分子レベルは上がることはなかった。

 まれにいる、LEVELZEROと呼ばれるものだろう。いくら事を起こしてもレベルの上限が上がらない人間の総称だ。僕は、恐らくそれなんだ。

 レベル上限。

 1〜5までが現在確認されている。そんな能力者の中で、無能力。と、言われ続けてきた。つまり――無能だ。


「無能力ってお前それ冗談抜きでやばいんじゃねえの……」

「そんなことないさ。……多分」

「いやいや、今のご時世能力ないとまずいって」

「そう……かな?」

「テスト受けて来いよー」


 僕はどんなにテストを受けても反応しない体質――LEVELZEROである。

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