第42話 買い物の思い出
次の日、俺の店員っぷりはどんどん上がっていってる。レベル表示があるならかなり上がってるはずだ。
ジュジュの服の購入の却下をしづらくなって、ジュジュはかなりの衣装持ちになってるが荷物は増えていない。着ない服はツバキに異次元にしまってもらってるんだろうな。フェアリー、なんて気ままなんだ。この旅を楽しみ過ぎじゃないか? 魔王の城へ向かう旅とは思えない。まあ、ジュジュは世界樹を目指しているんだし、世界樹に入ってしまえば一生出れなくなるんだ。ジュジュにとっては今だけの自由なんだ。そう思うと、無下にジュジュの願いを却下できなくなる。完全に悪循環だ。
結局あまりにどうなんだ的な服を避ける事で俺はヘトヘトになって、今日の買い物デーは終了した。や、休みが欲しいよ。
このまま着替えてファッションショーをしかねない三人をおいてニタを引きずり部屋に戻る。絶対に俺に感想を聞きまくって全ての服を見せる気だ。それだけ服を補充しないといけないほど過酷な旅が続いてるんだけど。
ベットに横になり疲れた心を癒す。いつから俺は女の子にそれ可愛いなとか、似合うよとか、スルスルと言えるようになったんだ。
なんて今日の自分を振り返っていたら、ノックの音が響く。
トントン
すかさず
「はい」
なんでニタ、答えるのそんなに早いの?
ガチャ
ルートだった。まあ、あの三人娘よりいいか。ルートはニタが相手するし。
もう寝よう。またニタのポジティブ話は精神的にこたえるから。
***
「ねえ! 透、この服どう思う?」
「ああ? いいんじゃない」
「もう! 全然見てないじゃない!」
「蘭はどれでも似合うよ」
俺は投げやりだったんじゃない。本当にそう思っていた。蘭を見なかったんじゃなくて恥ずかしくて見れなかったんだ。
***
「ハッ!」
ガバッと体を上げた。今、夢を見てたよな。上手く思い出せない。疲れてるな俺。
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