第16話

「オン ハニャニャーーー」何やら呪文を唱え、占い師は目の前にあるピンク色のゼリーをのぞき込んだ。

「あなたの前世は、スライムです」私はズコーと心の中でずっこけながら占い師にたずねる。

「ス、スライムですか、あのズルズルでベチャベチャの、最近はプルプルしてるのもいるとかいう」

「そうです、スライムです」占い師はきっぱりと断言する。 それにしても、いくらゼリーをのぞき込んで占いをしていると言っても、スライムとは。

「それで、私は恋愛運を占ってもらってたんですけど・・・」私はたずねた。

「そうですね、恋愛には、あまり役には立ちませんね」また、きっぱりと占い師は断言する。

「役に立たないって、そんなこと聞いても仕方がないじゃない・・・」私が言いかけると、占い師は

「しかし、スライムといえども獲物に襲いかかることがあります。 あなたも積極的にお相手の方に向かっていってはどうですか?」と言った。

「そうですか」

「そうです、ご幸運を」そう言って、そのやけにきっぱりと言い切る占い師はさっと幕をおろしてしまった。

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