第14話

「そうですね、はい、はい、ではそのように」

「私は今、街中でゼリーを投げ合うという、ゼリー祭りの会場に来ています」ハキハキとした口調で女性リポーターがリポートを始めた。 テレビかビデオニュースの中継だろう。

「もうすこしで、開始の合図が、きゃっ」

バーン!! 号砲が鳴り響く、少しかぶるところまで計算通りといったところだ。 人々が笑顔で、あるいは怒りをぶつけるようにゼリーを投げる、投げる、投げる、リポーターの女性もキャッキャッキャッキャいいながら、用意されたゼリーを街中に向かって投げ続けた。 そのうち、街の人たちの方から新兵器が次々と投入されてきた。 ゼリーの投石機、ゼリーのガトリング砲、ゼリーの機関銃、ゼリーのロケットランチャー、ゼリーのクロスボウ、ゼリーの水鉄砲。 ゼリーの大砲もある。 そしてそれらが全て、その女性リポーターに向かって一斉にゼリーを発射したのだ。 やり過ぎだな、カメラマンはひとりごちる。

「わ、私、頭を撃ち抜かれました」

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