第13話

あのゼリーだ、あれが原因なんだ。 何度も頭の中で繰り返す。

「何をしている、ってー!!」 指揮官は繰り返し、撃て、の合図を送ってくる。 しかし、歯車が、タイミングベルトが空回りして、玉は発射されない。 俺は何度も装填し直し、狙いを定め、引き金を引く、ガジャ、歯車が噛んで、また玉は発射されない。 あのゼリーなんだ、俺が昼めしの時に落とした、あのゼリーが歯車を滑らせてるんだ。 だが、言い出せない。 敵が迫ってくる。 照準を合わせ、引き金を引く。 ガチャ、ズガガガガガ…。 歯車が噛み合い、玉が発射される。 しかし、敵は目前まで迫っていた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る