らへんシンドローム

 そうそう、最近の若い人と話していて違和感を感じる言葉があります。それは場所を示す時に「・・・らへん」という使いまわしをする人が増えているということです。


 え、「どこらへん」「ここらへん」て使っちゃダメなの?と質問を受けそうなので、例文を示して話しましょう。タクシーでの会話です。(運は運転手)


運「どちらまで行きますか}

客「渋谷の東急らへんまで」


 如何ですか?


 私の日本語の解釈が間違いでなければ、「・・・らへん」というのは手の届く範囲であり、また目の届く範囲つまりは「ここ」「どこ」「そこ」の後ろに付けるという認識なのですが、この会話の客の感覚は付近というニュアンスで場所に付けて使っているんです。まさか、五万分の一の地図でと指さして示すわけじゃないのに・・・。


 ハッキリ言わせてもらえば、この場合の言い回しは「辺り」又は「の近く」というのが妥当だと思うのですが・・・。


 そう、「東急の近く」「東急の辺り」がおじさんの認識としては正しい表現だと思います。もし、刑事ドラマなんかを書いている時に、デカ長さんが犯人の潜伏先はと部下たちに問いかけた時、「群馬県らへんに潜伏してると思われます」なんて書いたら、シリアスなドラマが一気にコメディーに変化してしまいますよね。そして、デカ長が一言「おまえ」と言ってチャンチャン。これじゃあ安っぽい漫才ネタです。


 なんでも地名(建物名)プラス「らへん」で、その付近とかその辺りと受け取って貰えるという安直な考え方にはおじさんは賛成しかねます。さて、あなたはどう思いますか?



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