第13話 異世界初の友達

 大浴場で十分に疲れを癒したレオルは、自室に戻るためホテルの廊下を歩いていた。

「あぁ楽しみだなぁ」

胸ときめかせながら廊下を歩くレオル、それもそのはずあの美しい銀髪美少女にもう1度会えるの

かと思うと、無意識ににやけ顔になってしまうほど美しい少女だったのだから。

そんな感じに歩いていると、ピコーンと頭上のスピーカーからアナウンスの音が鳴った。

「5404号室の橘レオル様。お伝えしたいことがございますので食事フロアまでお越しください」

女性のアナウンスの後にピコーンとなり自分のことだと、認識し急ぎ食事フロアへ向かった。



―――――――――――――――



 アナウンスから数分後自分達が先ほどまで、食事をしていたフロアに到着し、扉が開いてるのが

見て取れた。緊張しつつ入ると2度目とはいえ、その広さに圧倒されそうになる、驚きを隠しつつ

辺りを見渡すとフロア中方付近に3人の女性が楽しげに、会話しているのが見え緊張しつつ女性達が座っているテーブルへ向かい、1人がレオルの存在に気づき手を振りながらレオルの名を呼んだ。

「こっちだよー」

金髪の女性桜井エミリがうれしそうに手を振っている。

それと同時にもう1人の黒髪ポニーテールの舞園英莉が、こっちを見ながら来ましたかと口にする。

そしてエミリの声に驚いたのかピクッと動く腰ほどの長さの銀髪の少女が座っていた。

「おまたせしました」

急いできたせいか少し意気が上がっていた。しかしレオルに大丈夫ですよと笑顔で声をかける英莉に

つい顔を赤くしてしまう。それを見ていたエミリの視線が痛かった。

「さあ来ましたよ」

銀髪の少女に英莉はやさしく囁くと、少女は座っていた席から立ち上がり、ゆっくりとこちらを振り向き

顔を赤らめながらレオルの顔を見つめた。

その姿は、先ほどレオルがぶつかりもう一度会いたかった少女桐崎刀花その人だった。

あまりもの美しさにレオルはしばしその姿に見とれていた。

「あ、あの...」

刀花の声を聞き我に返るレオル

「あまりまじまじと見つめられると...その...は、恥ずかしいです...」

あまりものかわいさに顔を赤らめたレオル、何か言わねばと思い口を開く。

「あ、ごめん...その...桐崎さんについ見とれちゃって...」

謝罪の後に正直に思ったことを口にした。

「h~~~~~~~~~///」

あまりもの恥ずかしさに顔を真っ赤に染め、両手で顔を隠す刀花。

すごく気まずくなってしまったレオルは、助け舟をと博士に視線を向けた。

(頼む博士助けてくれ!)

博士にがんばってジェスチャーで助けを呼ぶ、エミリはレオルに気づき首をかしげしばし考える姿勢をとり

何かを思いついたのか視線をレオルに向ける

(何か思いついてくれたのか!さすが博士!頼りになる)

といつも以上に内心ほっとしつつ博士に期待を寄せた。

博士は手をグーに親指を立てウィンクをしいいぞレオルと言わんばかりにグッジョブをしてきた。

(何もないんかい!)

どうするどうすると悩んでいるとはぁ...とため息した英莉が状況を察し

「コホン...レオル君刀花さんに用があるのでは」

と英莉がレオルに助け舟を出し内心英莉に感謝しつつ

「そうだ、これ」

と先ほど拾った刀花の生徒手帳を刀花に差し出した。

顔を隠していた刀花も顔を上げ自分の生徒手帳を見ると赤く染まっていた顔は、一変すごくかわいらしい笑顔に

変わった。

「ありがとうございます!無くしたかと思って探していたんです」

刀花の変わりように少し戸惑ってしまうが内心ホッとしたレオルも安心そうによかったと刀花に告げた。

「このお礼は必ずします!何でも仰って下さい!」

グイグイくる刀花にレオルは少し考え

「じゃあ俺と友達になってよ」

とごく普通の回答に刀花はテンションを変えず

「そんなお願いでいいんですか?」

刀花の返答にレオルは首を縦に振り右手を差し出した。

「橘レオルよろしく桐崎さん」

軽く自己紹介し刀花もレオルの右手を握り

「桐崎刀花ですよろしくお願いしますレオルさん」

 二人の姿を見ていたエミリと英莉は並びながら

「あの二人いい関係になりそうだね」

エミリが英莉に問う

「えぇ私もそう思います」

そう返答し友人関係を結んだ二人を見つめていた。

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