第4話 初めての異世界の朝

翌朝、テントの入り口から刺す日の光でレオルは目覚めた。

「あ、おはよう。」

「おはよーございます。」

レオルはどうやらあまり眠れなかったらしくとても眠そうであった。いったい誰のせいなんだろうかなー(棒)

時計を見ると7時をしめしていた。

「先程から何を書いているのですか?」

博士が書いてるものが気になり、紙を見ながら博士に聞く

「レオルが寝てる間に公園内で色々聞いてきたんだ。」

「え?でもこういう施設って開放時間もう少し先じゃないのですか?」

レオルの中では、こういった公園の施設の営業開始時間は大体9時から10時くらいだと思っていた。

「うん。ここが遊園地とかだったらそのくらいだね。」

「はい?どういうことですか?」

「ふふふ……別に施設があるのはここだけじゃないよ?」

「ということは、ここには今いる所の他に場所があるということですか。」

「うんうん。」

頷く仕草がいちいち可愛い。

「それで、此処は他の場所と比べて開始時間が早いと。」

博士が正解と言わんばかりの笑顔で

「うん。ここは5つある都市国家の中心に位置するセントラルっていう所の中のパークエリアの公園だよ。」

「それで公園はいつから開いてたのですか?」

まだ7時にもかかわらず博士がどのようにして情報を集めていたのか気になった。

「ここは5時には開いてるから朝の散歩をしていたおじいちゃんやおばあちゃんに色々きいたんだよ。」

「なるほど。さすがです博士。」

「えっへん。頑張ったよ!」

胸を張った姿も愛らしく抱きしめたくなる。

「でも、そんなに早く起きて大丈夫なのですか?博士はいつも起きるの9時くらいなのに。」

「大丈夫。レオルのこと抱きながら寝たから疲れも取れたし、目覚めもよかったから心配ないよ。」

とまあ可愛らしい笑みでいわれてしまうと

「あ…ならよかったです…」

などと昨晩、悶々と内なる自分と格闘したために取れなかった疲れが吹き飛ぶようだった。

「とりあえず朝ごはんにしよう」

「そうしましょう。」

世界が変わってはじめての朝ごはん。

なんだかドキドキしていたがそんな中出てきたのはパンとコーヒーだった。

「あれ?俺、昨日3日分の食べ物を買いましたけどパンなんて買ってませんよ?」

買ってないものが出てきて少し戸惑うレオルに博士は

「だってこれのほうがおいしいし、レオルの買ってきたのゴミが出るレトルトばっかだったじゃん。」

「えー!?買わせたのは博士でしょう!?文句言わないでください!それにパンだって袋のゴミが出るじゃないですか!」

「でもパンの袋は潰せばゴミになんないじゃん。レトルトだと中身残って汚れるからいやなのー!」

と言い返されたところでレオルはこのまま長引くと面倒だと判断し、

「あぁもう、わかりましたよ。俺が悪かったです。すいませんでした。」

博士がふふーんと鼻高々になりながら

「わかればよろしい。じゃあ食べよっか」

「そうですね。」




朝食を済ませレオルが食事中にふと思ったことを質問した。

「そういえば警備ロボットっていつまでいたのですか?」

「んー…4時ごろに起きたんだけど、何処にもいなかったよ。」

博士の回答に納得し次の質問をする

「5つの都市国家?って言っていましたけど?」

と、レオルが言い出したところで博士が話し出した

「この世界は5つの都市国家が存在するんだ。中心部にセントラルがあって、その周りにエルンスト・リッター、フェアシュテルケン・ゲヴェーア、

ゲヴァルト・ランツェ、エントヴィッケルン・イクイプメントがある。」

へーすごいですねーとレオルが紙を見ながら

「ずいぶんとまあ…名前が個性的ですね…」

「うーん…私も気にはなってるけど…」

そして、博士が紙に書いたところを指差し

「都市の中にはいくつかエリアがあって、私達がいるのはこのパークエリア。公園以外にも遊園地とかプールがあるんだってー。」

機会があれば行ってみたいなとレオルが思っていると、博士が紙をしまい

「私が調べたのはここまで。あとは都市部に言ってからにしようか。」

いよいよ町に出るのかとワクワクするレオルだったが、博士がボソッとつぶやいた。

「そういえばおじいちゃんがパスカードがどうのとか言ってたけど……ま、いっか。」

といい出発の準備をする2人だった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る