末尾
ブルー・キャッツアイ!
ブルー・キャッツアイ!
これにて、山田ヒロハル青少年とキャサリン氏の話は以上になる。
最初からここまで見た心優しき者も、
最初とここだけ見た賢明な者も、
ここだけ読みに来た悟りを開かれし者も、ご苦労であった。
ここでは、結果を少ししか語らないので、特に興味がない者はここで解散すると良いだろう。
君の大切な時間を消耗させる訳にはいかない。
この星の生き物達の時間は、良くも悪くも有限なのである。
さっそくだが、あの後の青少年達がどうなったかというと……
まあ、仲良くやっているようだ。
休日には二人でデートに行き、二人で笑い合い、時に喧嘩もしたりしているようだ。
山田ヒロハル青少年も相変わらずのようで、セックスをするのは結婚した後なのだと、未だにのたまっているらしい。
また、キャサリン氏も人間関係に関しては、良い結果を出せてはいないようだが、以前よりずっと笑うようにはなっていた。
彼等の周りの者達も、なんやかんや上手くいっているようだが、ここでは話が長くなってしまうので割愛しておくことにする。
あとネコ達なのだが、一度一個体として集合したが、徐々に宿主の元へと戻っているところだ。
世界は、順調に再生し、元に戻りつつあるだろう。
しかし――
近々、人類の危機がまた起こりつつあると、髭センサーが察知しているのだ。
今度も隕石衝突なのか?
それとも核戦争なのか?
はたまた疫病の蔓延なのか?
そこまでは、分からないのだ。
その時に、またネコ達の力を借りれるとは、限らないのである。
青少年達がまた、そのような危機的状況に追い込まれた時に、ネコ達の力なしで切り抜けられるのだろうか……
そのことだけが、彼等に対する最後の不安要素である。
だが、ここからは主観的な感想になるのだが……
きっと、彼等……人間達は、自分達の力で、どんなことでも切り抜けられる生き物なのだと、今回の件で思ったのだ。
自分の利の為に相手を食らい、傷つけ合いながらも子孫を増やす本能も勿論兼ね備えているが――
他者を慈しみ、自分の命に代えても守ろうとするように考えることが出来る。
それが、彼等がこの星を牛耳った最大の武器であり、崩すことの出来ない最強の盾であると我が輩は思っているのだ。
まあ……きっと何が起きても、何とかしてくれる。
それが、人間なのだ。
我が輩の言いたいことは以上だ。
今後も、人間の情報を蓄積し続ける所存だ。
だが、残念なことに、我が輩は山田ヒロハル青少年の元に戻ることが随分先になりそうなのである。
少し寂しいのだが、その間ぼんやりと足下を眺めつつ、この惑星の上で、ゆっくりと人々の奏でる歌でも歌っては、世界の行く末を見守ろうかと思う次第であることをここに示しておく。
最後に一言載せよう。
青少年達よ、間違っても良い、ただ後悔せず、胸を張って生きるのだ。
ネコかぶる! バンブー @bamboo
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