第18話 いつも見る夢

子供の頃から見る夢ってないだろうか?


私(筆者)にはある。


包丁を持った中年の男性が泣き喚きながら家の玄関で暴れるという夢だ。


幼い私は、祖母と家の奥で震えている。


父は居ない…母は泣きながら半狂乱になっている。


各々が何を言っているか、まるで解らない。


この夢は、1年に数回見る夢で…10年以上も見続ける夢であった。


ちなみに『包丁』というのは、排除したい気持ちの表れなんだそうだ。


たぶん、ストレスかなんかで追いつめられると見る夢なのかもしれないと思っていた。


ある日、母親にそんな話をすると……。


「ソレ、あんたが小さい頃に本当にあったのよ」

「はっ?」

「私がOL時代に付きまとっていた男が、結婚後、突然家に来て包丁を振り回して暴れたの、近所の人も大勢来て、大騒ぎだった」

とのこと。

男曰く…私の母と私を殺して自分も死ぬと叫び続けていたそうだ。


幼いころの記憶が、なにかのタイミングで夢という形で表れていたというわけだ。


不思議なのは、この話を聞いた後、ピタリとこの夢を見ることは無くなった。


なぜ、この話を『ヤミナベ』に載せたのか?


それは、ココが『幸せになれない人々』を描き出すところだからだ。


そう…私もまた幸せになれない人だから…。

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