第24話 くノ一忍者

マメ

 「屋上に行ってみない?」

ミチ

 「さっきA子とCが上がって行ったから

  覗きに行こ行こ!」

 「なんや、

  Cのことが気になるんか?」

ミチ

 「そうじゃないって・・もう!」


ケッカンとオレ、顔を見合わす。


マメ

 「え~から、行こ行こ」


この施設は、普段あまり使用されることはないのであろう。

各フロアは真っ暗である。男女6人がへっぴり腰で屋上に着いた。


 「あっ、いたいた!」

マメ

 「どこどこ?」

 「ほら、向こうに人影が見える」

ミチ

 「なんやベンチに座って

  話しこんでいるだけじゃない」

マメ

 「Cのやつ毛も生えとらんのに

  キスできるんか」

ケッカン

 「おまえ、どこでそれ知った」


オレ

 「あっ、誰かこっちに逃げてくる」


暗闇の中から「くノ一2人」が逃げてきた。


オレ

 「ユリとユキちゃんじゃないか!」

ユリ

 「Cに見つかっちゃった」


そのまま2人の「くノ一忍者」は階下に遁走した。


当時、男子部員の秘密情報は即座に女子部員中に知られていた。


こいつらに油断も隙も見せると危ない。


視線を戻すと、すでにCの影は見えなくなっていた。

A子らしい影がこちらに近づいてきて皆が固まる。

皆は、A子は苦手である。


我々6人の前を通り過ぎてから階段の前で立ち止まり振り返って一言、


「バ~カ!」


丁度その頃にどこからか「消灯ラッパ」が聞こえてきた。

さすがにその頃は、生ラッパではなく録音の再生みたいだったが。


https://www.youtube.com/watch?v=pv17XjDDb08

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