第16話 時計ジジイ
日本の3大天満宮というのを答えられる人は100人中何人いるんだろう?
京都の北野天満宮、
福岡の大宰府天満宮、
最後が難しい!
答えは「防府天満宮」なのだが、この北西に位置する箇所にあの「身投げ岩」もある。北東には日本で1番小さい競輪場もあるが片田舎であることには違いはない。それでも「裸ン坊祭り」のときは、数十万人の人出があるから門前町として「天神通り」は、それなりの繁華街があり片田舎の中の街っ子だったわけです。
かつては、そのあたりを「縄張り」として中学3人組は、遊んでいたのです。
Kの家の近所でのこと。
オレ 「今何時?」
K 「それじゃったら、時計ジジイに聞いたらエエ」
ケッカン「ナンジャそりゃ?」
K 「まあええから、あそこにいるから聞いてみ!」
指差す向こうに確かにジイさんがいる。
オレ 「今何時ですか?」
おもむろに「ジイさん」左腕をまくりあげると、
腕時計が10数個程巻きついている。
時計ジジイ
「~~っと、ちょっと待っちょれ!」
右腕もまくりあげると、
そこにも腕時計が10数個程、巻きついている。
両腕に計20数個、
さらにポケットから年代物の懐中時計を取り出し・・・・、
時計ジジイ
「12時ちょっと前じゃ!」
オレ
「ハイ!ありがとうございました!!」
走って、その場を逃げ去った。
K 「面白かったか?」
ケッカン「12時前のわけ、なかろうが!今は夕方やで!」
K 「ジイさん、時間を聞いてやると喜ぶから、それでええんよ!」
オレ 「そっか!まあ、ええけど、」
中学1年生もそろそろ終わるころの話である。
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