第8話 ジプシー・ローズ
お盆は、それでも三日位は練習も休みとなるので、ラッパ3人隊は、キャンプを計画していた。
チャリンコで30分程で出かけることができる地元海岸に日帰りなんだが、とはいっても、校区外は、なかなか危険がいっぱいなのである。今でこそ、こんなことは無いとは思うのだが、当時この年代には、この年代の世界があって、やはり校区外は「他校のヤツにカラまれる危険がイッパイ」だったのである。
そこは、心得たもんで、三人隊のうちのK君の知り合いの強い高校生のテツ君を誘ってもらうことにした。このテツ君は、Kの知り合いで、俺ら相手に何が面白いのか知らないがいろんなことを教えてくれる。
ラッパ三人隊は、「オレ」と「K」と「ケッカン」のことです。
ケッカンというのは、「血管」のことで、怒ると赤くなって額に見事な血管が浮き出るから仲間うちではケッカンと呼んでいました。
テツ :「ジプシー・ローズ知ってるか?」
全員 :「知らん!」
テツ :「腰の動きがスゲーんや!」
K :「どう?スゲーの?」
テツ :「そりゃあ、目に見えんくらいグリグリ動くんや!ウゥ!」
全員 :「???」
テツ :「なんや最近、引退して新天地に住んどるらしい・・」
(新天地ちうのは、防府市歓楽街の町名)
オレ :「なんや、見たわけやないんか!」
ケッカン:「そのグリグリ・・見てみたいなあ!」
そのテツ君である。しかしテツ君、彼女を連れてきたんです。それで、テントを張ったはいいのだが、オイオイ!そこは、オノレラの密会の場所チャウで!
テツ君:「見したるから、ちょっと後で来い」・・・・・「う~~~む」「どうする」「おまえ見て来い」ってな調子で、どうにもならん。
結局、見に行く勇気なく、三人あそこ、をビミョーにテント張りにして、チャリンコでワルガキのいる危険地域を全速力で走り抜けるはめになったのである。
何してるんだろ?俺ら!
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