第6話 石が飛びまくる

夏休み=パート練習&合同練習の日々です。


夏休み中は、朝1番の練習が無いので、その分は普段より時間に余裕はあるんだが、夕方18時以降は、当時の生徒は、塾通いで21時位までは拘束されていました。そこいらのサラリーマンよりもタイムスケジュールが過密化しているのです。それでも夏休みの午前中は、空きの時間となるので、その時間帯に近くの一級河川に泳ぎに出かけることが多いのです。そこはF先生も先刻承知で時間になると

「上がってこ~い!」

となる。

上がっていかないと、小さな石が飛びまくる。

危なくてしょうがない!


「課題曲」と「自由曲」を明けても暮れても練習することになる。要の1番クラは、まだ2年生が2人いたように記憶していますが、この年はトランペットも2年生が2人いたように記憶しています。ペットは、残り3人は私も入れた1年生の本来ならレギュラーに入れない程度の力量しかない3人組みです。このラッパ3人組が、やはり足を引っ張ることになる。トランペットは下手が派手に目立つ。それは、自分でもよく判るのだが、どうしようもない現実に途方に暮れる毎日です。結局死にもの狂いで練習するしか脱出方法は、ないのです。練習とは恐ろしいもので、少なくとも「なんとなくだが」譜面は読めるようになっていました。正確には、体で覚えていたという表現が当たっていたかも知れません。それに、なんとなく誤魔化し方も、身に付けてくる。ソロ演奏は、誤魔化しようもないのだが。合奏中に何回もやり直しをやらされると他の部員にも申し訳ないし、唇が疲労して音すら出なくなるまで何回も何回もやり直しを吹かされるわけです。


心が折れてしまう程です。


クラリネットも基本は、メロディラインを演奏することが多いため、やり玉になることが多い。ユーホもたまにソロがあることがあるので、やはり徹底的にしごかれます。女子は泣かされる事が多かったように記憶しています。それでもF先生の容赦のない罵声が飛びまくります。


この時の自由曲名を覚えていないというのは、F先生が知ったら「悲しむ」やろうけど本当に覚えてない。人は、辛い過去を消すようだ。(スマンF先生)


吹奏楽コンクールというのは、課題曲が毎年決められており、出場団体は、課題曲と自由曲で9月に開催されるコンクールに各地方で選抜される。地方開催で選抜されると、県大会、全国大会へと進むわけです。ちなみに中学生だったラッパ3人組が聞いていた音楽は、もっぱらシカゴでした。

http://www.youtube.com/watch?v=NLGwjROdgkQ

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