第19話 Cat & Cap of water

朝起きると、枕元に猫がいた

幽霊、いや、たぶん 呪いだ……


いつものように布団をたたみ

いつものように台所へ足を運ぶ

いつものようにコップに水を汲んだら

それで頭をおこす


ギィギッギッギッギ


うちの床はずいぶん軋む……

築年数なんて考えたこともないけど

たぶん旧い、旧い一軒家だ


ギィギッギッギッギ

ギギギィギッッギ……


さっきからひょこひょこついてくるこの猫は

どうやら体重があるようで

私のかかとを触ったかと思えば

次の瞬間には、つま先から10センチほど進んでいる


ああ……面倒だなぁ……

冷蔵庫から牛乳を取り出し、傍にあった浅めの花瓶に注ぐ

すると猫は匂いに気づいたか

はたまた私の素振りに感づいたか

また床板を鳴らしながら近づいてくる


猫はずるい

普段はつかず離れず気軽には撫でられない

そんでもただひとつ、まあひとつだけ

この瞬間だけは無防備ですきだ……


草の模様が入った花瓶を床に置く

猫はこちらを気にせず頭を垂れる……


チャプチャプチャプ


かわいい


サスサスムサムサ


ああ……でもやっぱり面倒だ……

明日にでも飼ってくれる人 探しに行こう




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