二つの物語が絡み合って生まれる、社会のあり方を問う近未来小説

「全の章」と「一の章」という、大きな二つの物語がそれぞれ動き、絡み合っていく。異なる二つの物語がどう関わっていき一つの物語となるのか、がこの作品最大の魅力だと思う。

掟に従って人々が暮らす、「結婚」「家族」という概念の存在しない村。この村を舞台とした、ユウマを軸として進む物語、全の章。
カメラや携帯端末と言った現代の機器が登場する近未来。自警組織「治安警察局」に所属する一ノ瀬を軸とした、保護された一人の少女をきっかけに始まる物語、一の章。
一見すると全く縁のなさそうな二つの物語が、時の流れに従って少しずつ関わっていく。この過程は読んでいて驚きを隠せない。物語の真相を知った時、あなたは何を思うだろうか。
きっと普段は気付かない、大切な何かに気付くことが出来ると思う

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