サバゲー!

 戦場と化した森の一角、叫び声と銃声がこだましている。


 息を切らしながら携えたP90の残弾数を見ると8発。


 もう決めなければ―――そう覚悟を決めたとき、

「弾がでねえ!ジョンが近くにいるだろ!」

お叱りの言葉を頂戴した。


 少数派あげてのサバイバルゲーム。おもちゃの銃で撃ち合う事を言う。


 その銃モドキであっても俺の周りだと銃が撃てず俺は参加不可だった。


 片側の拠点であるテントには先客がいた。


 日傘をさしたつまらなそうな少女がパイプ椅子に座っている。


「いやー参加できないとつまらんね。」


 こちらから話しかけるとは自分でも珍しい思う。他にやることもないしね。


「貴方みたいな能力を自制できない人と一緒にしないで。それに私の代わりに"彼"が参加しているわ。」



密林の狙撃手として名高い彼はサバゲーに置いてもその本領を発揮しているらしくたまに「どこから撃った!?」なんて言葉も聞こえた。


「楽しそうにしているのだって、本当のところあの二人だけよ。」


 目を凝らすと木々の奥でクマとラベンダーが撃ち合っていた。


 クマは電池で稼働する銃を電気の能力でオーバーパワーを発揮し、ラベンダーはガスで稼働する銃を能力で空気を圧縮しこれまたオーバーパワーで撃ち合っている。


 一発でも当たればそこで終了の筈が、二人は笑いながら1mほどの距離で撃ち合い続ける。


・・・いい加減に誰か止めろよ。なんて誰も言える雰囲気ではない。


 何て思っているとようやく終わりを告げるアラームが鳴り響く。


 勝敗はどっちでも良かった。ただ、少しでも楽しめればという事が俺とディーラーが出した案だ。

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