第8話 スマホアプリとニコニコ動画 1/2

 カクヨムさんが、読者さんを増やす為に様々な手を打っています。


 今回はタイトルの通り、カクヨムさんが仕掛けている『スマホアプリ』と『ニコニコ動画との連携』について触れてみたいとおもいます。まずはこれ。


・カクヨムのスマートフォンアプリをリリースしました(3月15日)


 いきなりの個人分析になってしまいますが、このスマホ向けにサービスを拡充するというのは『有効』だと思います。その理由は2点。



1.電子書籍端末の広がりに陰りが出ている



 世にある多くの電子書籍は、『専用端末』を使って『専用のストア』で購入する事によって書籍を購読することが出来ます。しかし、この『専用端末』の普及が日本国内では頭打ちになりつつあります。


 専用の端末でしか書籍が購入できないという事は、客が手軽に電子書籍を購入する上でのハードルを高くしてしまい、結果として電子書籍の売れ行きにおいてもボトルネックになっているのです。


 同じような例を挙げるなら、ゲーム業界があります。プレイステーションやX-BOXといった家庭用ゲーム機がありますが、この家庭用ゲーム機向けのゲームソフト売り上げ数も、近年では頭打ちになってしまいました。


 プレイステーションを買うべきなのか、X-BOXを買うべきなのかという問題はゲームユーザーにとっては悩みの種であり、どっちを買っても何万円もするので最初のハードルが高すぎるのです。


 では、だからといってゲーム業界全体が縮小していったでしょうか?


 それは違います。何故なら家庭用ゲーム機離れが進む一方で、スマホを使ったソーシャルゲームのプレイヤー人口は爆発的に増えていったからです。


 ゲームのグラフィック、操作性、シナリオなどは基本的に家庭用ゲーム機ソフトの方がクオリティは高いです。それでもスマホを使ったソーシャルゲームがここまで普及した理由はずばり、『スマホが普及している』からに他なりません。


 自分がいつも持ち歩いている端末から、気軽にサービスを利用できる。


 このハードルの低さが、普段ゲームをやっていない人達までもを、ちょっと暇つぶしにゲームをやってみるかという気にさせたのです。こうして普及していったソーシャルゲームとそのメーカーが、どれだけ莫大な富をかき集めたかは皆さんご存知の通りでしょう。


 この例を参考にすると、カクヨムにも同様のチャンスがあると言えます。


 出版業界において、スマホを使った漫画書籍の販売が好調のようですが、これも小額ながらお金を払うというハードルが存在します。商売だから当然ですよね。ですが、前回『外部サイトでの宣伝について』で指摘してきた通り、カクヨムは無料で読者に閲覧してもらう事を前提で動いています(多分)。


 ハードルがアプリをダウンロードする手間、操作を覚える手間くらいしか存在しないので、上手に立ち回ればカクヨムアプリは、スマホを扱う多くの人々の生活に密着できるかもしれません。


 一般の方から説得力のある愚痴や風刺などが発表されたり、それに共感する読者が出てきたり、はたまたそれがメディアに取り上げられたりすれば、新しいSNSのような文化が生まれる可能性だってあるでしょう。


 また、小説を愛好する年齢層はほぼ全ての年代であるというのも強みです。スマホ向けアプリ普及に力を入れるというのは中々大変ではありますが、その先にある将来性は高いと思います。



2.スマホは執筆活動には向いていない



 一見否定的な理由に見えますが、いやいやそうではありません。


 いかにスマホアプリが優れていようと、スマホから文章を書くのはかなりの制限を受けます。どうしても文章はキーボードで打った方が早いですし、広い画面で多重に窓を開いて調べものをしながら執筆するという事も、パソコンだから出来る特権みたいなものです。


 何を言いたいのかといえば、スマホからのカクヨムユーザーが増えるという事は、作者さんより読者さんの増加割合の方が多いと思うのです。


 前述1の理由と少し被りますが、スマホでなんとかなるからパソコンは持っていないという人も若者を中心に増えているみたいですからね。読者割合が増えることは作家さんの励みにもなりますし、世間での話題性にも繋がります。


 以上2つの理由から、アプリ開発と普及はカクヨムさんがしっかりしてくれていれば『有効』であると予想しています。


 『アプリの質』、そして『普及』が課題ですね。


 長いのでニコニコ動画についての話は9話に続きます。

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