第5話

 重い、なんだこれ?体が動かない?金縛りか?


 目を開けてあたりを確認する。窓から見える外はまだ薄暗く起きるのには少しばかり早い時間じゃあないのか?


 首を曲げて自分の体の上を確認する。寝ぼけているのか布団が不自然に持ち上がっているように見える。


なんとか動かせた右腕で布団をめくってみるとそこには猫耳があった。


 寝ぼけた頭のままその猫耳を触る。


「あぁーふさふさしてきもちいい」


 触り心地がとても良くいつまでも触っていたくてなんで猫耳がここにあるのかすら分からないままに俺は猫耳をなで続けた。


 撫でながらまた眠たくなってきたので体が重いがそのまま寝た。


 次に目が覚めたのは朝8時10分前だった。


 体が小刻みに揺れる感覚で目が覚めたのだ。


 手にはふさふさとした感覚。なんだこれ?


もみもみもみもみ

ブルブルブルブル


 ふさふさももんでいるとまた体が小刻みに揺れる。


 急激に意識が覚醒しふさふさから手を離し布団を捲る。


 そこにはちょっと人様には見せられないだろう顔をしたリンの顔があった。


「にゃぅぅぅぅ」


 もう既に俺は右手を耳から話しているが多分ネタ状態ずっと触り続けたからだろうリンが戻る様子がなかった。


 時計を見るに1時間くらいだろうか輪が赤い顔のままキッと耳を両手で抑えながら睨んできた。


「バ、バカァァ」


パンッ


 右手を猫耳から離し思いっきり頬を打たれた。かなり痛かったが俺は甘んじて受け入れた。


 だってそうだろ?無自覚とはいえあんな姿にしてしまったのだ。これくらいの抜は受けて当然だろう。


 その日は1日リンに睨まれて生活した。


 リンとの会話が少なく俺的にはなんで無自覚とはいえあんな事をしたのかととても後悔した。

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