第4話

 テストも無事終了し夏休みに入った。


 バイトでリンを一人にしてしまうのが心苦しく心配だが次の給料でリンに好きなものを買ってやろうと頑張って働く。


 バイトに行っている間はリンに家から出るなと言ってとりあえずテレビの操作の仕方と持ってた本の読み方を教えた。


 バイトか終わると夕方になっていたので今日はスーパーで惣菜でも買おうかと思ったが、なにか手の込んだものを作ってやりたくなったので野菜とひき肉を買って帰った。


 家に戻るとリンはテレビをつけソファーで丸まって寝ていた。


 夏で暑いからといってそのまま寝てたら風邪をひいてしまうと思い薄い毛布をかけてやる。


 買ってきた材料でハンバーグを作る。時間がかかってしまったがあとは焼くだけと言ったところでリンが起きてキッチンに入ってきた。


「りゅーたろーおかえりぃー」

「ただいまリン」

「何作ってるの?」

「ハンバーグだよ。お肉を丸めて焼いたものでとっても美味しいんだよ」

「おにく!」


 キラキラとした瞳をこちらに向けてくるリン。


 可愛すぎる今すぐ抱きしめたい、と思うが自制しハンバーグを焼いていく。


 焦げ目がついたらひっくり返し、中まで火が通ったのを確認し野菜を盛った皿に乗せリンに渡して机に運んでもらう。


 リンは早く食べたいのか尻尾をブンブンと振り回している。


 ご飯をよそい冷えた麦茶を出して持っていく。


 リンはまだ箸を使えないのでフォークとスプーンを渡してある。持ち方は子供が持つように逆手だがまぁいいだろう。


 ハンバーグをリスのように頬を膨らせて食べるリンを見るのはとてもほっこりした。





 ただ、後片付けは大変だった。リンの食べこぼした食事・・・・・主に野菜が。あれ、絶対確信犯だよな?


 ハンバーグの時は落ちないようにゆっくりと口元まで運んでたのに野菜の時は適当に運んで口の前でポロッと落とすし。


 これからはなにかに混ぜて食べさせるか。


 そう考えて今日もまた。リンを無理やり風呂に押し込み一緒の布団に入るのだった。


 そこまで熱くはないけど寝れねぇ!!

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