p8. kに宛てて


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11日目 僕は本が読めなかった

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「アルル君はなんで本が読めなかったの?」

「そうですね、多分漫画ばかり読んでいたからだとおもいます」

「漫画読んでた子だって本は読んでると思うの」

「長くて退屈だったんですよ。おねぇさん」

「君のチンチン、なかなかイカスじゃない」

「話をごまかさないでください。それにここ、図書館ですよ? おばさん」

「お姉さんですわ~」

「とって付けたように僕のチャックを外さないでください。図書館ですよ」

「そしてあたしは図書館の司書」

「背徳的ですよ」

「今アルル君といる本棚、分類的には哲学の場所だわ?」

「哲学なんてここにないですよ」

「ズボンの向こう側には宇宙があるわ」

「おねぇさんキモイです」

「そこは『さ、早苗さんダメです!…こんな所でッ…!』みたいな感じじゃありません?」

「違います。断じて違います」

 僕はお姉さんをカッターは鋏でギザギザにすると、図書館を後にしました。

 勿論哲学の本棚はそれから一年くらいカラっぽになりました。

 皆血と性欲で汚れてますからね!

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