恋が自由ではない時代があった。

今ももちろん、自由な恋が許されない立場に生きる人はいるんだろうけど、それはおそらく少数派で。
この作品に描かれているような変遷があったからこそ、【自由恋愛】なんて言葉が流行った時代もあるのですよね。
今や、「は?【自由恋愛】?なにそれ。恋愛なんて自由なもんだろ?」的な感覚を持つ人も少なくないのかも知れませんが。


また、昨今の恋愛や結婚に冷めた視線を送る若者にとっては、「そもそも死ぬほどのものか?恋愛なんて」みたいな感覚もあるのかも知れませんし、逆に「そこまで互いに惚れあえるのなら幸せじゃん」みたいな感覚もあるのかも知れません。


どうなんでしょうね。惚れ合った先の、惚れ合ったもの同士で世界を閉じたその先の、悲劇的な結末というのはなんとも耽美な魅力を持ってはいますが、それを単純に「良き」とは言えないものでありまして。

悲劇的結末に対する疑問は作中の【彼女】だけのものでありましょうか。

いい作品です。どうかご一読ください。