蒼天を統べる王、その資質は――

王位とは、勝ち取るものなのか、与えられるものなのか。
それともそれは、初めから決められた定命の範疇にあるものなのか。

幼い双子は、全く違う環境のもとで全く違う成長を遂げました。
この二人が並び立つことが出来れば、と責任を持たない読者の立場では思ってしまうけれど、いずれ争わねばならない宿命を背負わされます。
それぞれ違う魅力があり、違う素養を持った人間を惹きつける。
ひとの心を射止めることが王の資質であれば、ここのつの男の子ふたりは既に、ひとかどの王なのでしょう。ソウェイルにも、フェイフューにも、王として立つだけの輝きがあった。だからこそ、だからこその悲劇なのかもしれない。
避けることの出来ない双子の戦いは未だその戦端を開かれてはいないけれど、彼らを取り巻く人々の中に片鱗が渦巻いていて。
狭い世界で生きることを許されない、ということ。どうしたって渦中のひとにならざるを得ないということ。それが王座に近しいものの宿命だというのなら、それはとても残酷で、苦しくて、だからこそ足掻く姿のうつくしい、そんなお話です。

神剣によって選出された神なる将軍たちもすごく素敵なキャラクターばかりで最高に素晴らしく頼もしく、何より掛け合いが軽妙で楽しいです!イチオシは黒将軍サヴァシュさんです!
なんでもするので4章11話まで読んでください。なんでもするので。

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