第37話 奸雄/暗躍/川越合戦

 永正12年3月7日。

 武蔵国、川越かわごえ城の南、砂窪すなくぼに陣を立てた山内上杉憲房やまのうちうえすぎのりふさは、川越城の扇谷上杉朝興おうぎがやつうえすぎともおきとにらみ合いを続けていた。


 城兵は二万。

 攻める山内上杉軍は、古河公方の支援を得て、その数を四万まで膨らませている。

 烏合の衆、とは言えない。寄せ集めの軍勢ではあるが、その中には長尾景春ながおかげはるとともに戦い続けた白井長尾の精兵や、その長尾と戦った、長野ながの長尾為景ながおためかげ率いる越後兵と、精鋭も多い。むしろ扇谷上杉の武蔵衆のほうが、雑多な寄せ集めといった風情だ。



「こいつぁ拙いぜ」



 江戸えど城からこの情勢を眺めて、江戸城主、太田資康おおたすけやすが口をゆがめた。

 資康は手元に江戸衆二千をとどめているが、量質ともに圧倒的な山内上杉軍を相手にするには、兵が足りない。

 古河公方ににらみを利かせる岩槻いわつき城の太田資家おおたすけいえ(道灌の甥)の兵を、まさか動かすわけにはいかないし、仮に動かしたとしても焼け石に水だ。


 そのうえ、扇谷上杉軍は致命的な問題を抱えている。

 二万という、籠城には多すぎる兵数だ。城内の兵糧は少なくはないが、それでもこれほど大規模な兵を養うには足りない。

 早晩、兵糧は尽きる。加えて山内上杉軍は、川越城から江戸湾に向けて延びる川越街道、および河川流通を封鎖、扇谷上杉方に籠城を許さぬ構えを見せている。



「八方塞がりか」



 太田資康は虚しい拳を握りしめた。

 扇谷上杉家の重臣として、主を見殺しにするしかない現状は耐えがたい。



「房総の化け狐めが動けば、また違おうが……」



 言っても詮無い事だと気づいて、資康は頭を振った。

 房総の狐――真里谷信保まりやつのぶやす率いる房総管領軍は、一万近い兵を率いて、擁立した千葉氏の応援という名の介入および押領を行っている。

 そこから千や二千の兵を引き抜くことは可能だろうが、真里谷信保からしてみれば、上杉朝興にそこまでしてやる義理も余裕も無い。もとより千や二千の兵では、らちがあくはずもない。



「立場が逆でも、古河公方の関宿せきやど城を攻めて、山内上杉への応援要請を引きだすのがせいぜいだ」



 相模の義弟、三浦荒次郎も、宿敵伊勢宗瑞との大規模な合戦の最中だ。

 川越城に兵を送る余力などない。それどころか、一兵でもいいから寄越してほしい状態だ。


 取りうる手段みちは、すべて行き止まりに繋がっている。

 太田資康は歯噛みしながら、起死回生の策を求めて、思考の迷路をさまよっていた。







 同じように苦悩を抱える男が、別の場所にいた。


 川越城の南、とある陣所。

 畳床几たたみしょうぎに腰をかけながら、男は北をじっと睨む。

 年のころは二十半ばか。不遜を隠さない瞳は冷たく切れ上がり、口元は傲岸に引き結ばれている。それでいて、眉間には消えぬ縦皺がはっきりと刻みつけられていた。


 越後守護代、長尾為景。

 越後守護と関東管領。十代にしてふたりの上位者を殺した若き乱世の梟雄だ。

 現在二十七歳。傀儡の守護を擁して越後国内を押さえ、さらに支配力を強めんとする為景は、中央からの仲介を受け山内上杉憲房と和睦。

 そのうえで、関東管領を自称する扇谷上杉朝興を討伐せんと、一千の越後兵を率いて上杉憲房のもとに馳せ参じた。


 陣中は、お世辞にも居心地のよいものではなかった。

 当然だ。利害関係の一致により、和睦したとはいえ、山内上杉憲房にとって、為景は親の敵だ。そのうえ、憲房自身、為景には戦場で痛い目にあわされている。


 為景にしても、山内上杉家には好意など抱きようがない。

 こういう感情は伝わるもので、ふたりはたがいに視線を合わせることすらなく、それゆえ憲房の家臣たちも右にならっている。


 それはいい。

 悪意など、為景にとって蛙の面にしょんべんだ。

 なにしろこの梟雄は、強大な力を有していた時期の関東管領に、真っ向から逆らってみせたのだ。

 それに比べれば、現在の、関東管領にもなりきれない上杉憲房など、とるに足らぬ存在でしかない。


 よくないのは為景が、自身の才覚のままに軍事行動を起こせないことだ。



「敵はこちらの半数。とはいえ、堅固な城に篭もっている。力攻めにせぬのは、まあよい。街道を封鎖し、兵糧を枯らしながら、敵が出てくるのを待って決戦、というのも、頷ける。河川の掌握は、そのまま自軍の兵糧調達にもつながる。これもまた良策だろう。優勝劣敗。数の利に乗じた王道よ……しかし、王道を通すには力が要る。それが、上杉憲房あのおとこには足りぬ」



 陣中の不和は言うまでもない。

 武蔵国北部、おし城に残り、水利を掌握している成田なりたの二股外交など、証拠はないが公然の秘密だろう。

 なにより、兵を集め過ぎた。四万もの軍勢を長期滞陣させるなど、為景から見れば、無駄な消耗以外の何ものでもない。



「速戦するか、あるいはこの一戦ですべてを決さねば、こちらの損耗も深刻なものとなる。永正の乱で弱った山内上杉家にとって、それは致命傷となりかねん」



 知ったことではない、と言いたいところだが、これから山内上杉家の名を利用していきたい為景にとって、それも困る。

 一度、為景は上杉憲房に申し出たことがある。



「我が軍を西武蔵にかせていただきたい。さすれば城中の西武蔵衆は焦り、城内に不穏を得た敵は決戦を焦ること間違いなし」



 上杉憲房は承知しなかった。

 それは為景への反感ゆえか、それとも無能ゆえか。



 ――いずれにせよ、ままならぬ。



 押しているように見えて、為すべきことを為していない。

 こういうときは、流れが澱むものだ。放っておけば、敵に応手が生ずる。起死回生の手が生まれるかもしれない。



「まあ、わしの知ったことではない、か」



 ため息が人を呼び寄せたのか、取次の者が来客を告げた。

「通せ」と返し、ややあって、為景の前に現れたのは、ひとりの若武者だった。年のころは二十歳前か。真面目で意思の強そうなおもざし。



 ――四面四角を絵にかけば、こやつの顔になりそうだ。



 などと戯れたことを考えていると、若武者が名乗った。



「お初にお目にかかります。それがし、長野憲業ながののりなりが息、業正なりまさにござる」



 長野家は山内上杉家の重臣で、上野西部に大勢力を持っている。長野憲業はそこの当主である。



「これは……父御ててごの使いか?」


「いえ、なにやら胸騒ぎがいたしまして……はたして、このままでよいのでござろうか」



 ――どうやらこの男、戦に強い嗅覚を持っているらしい。



「良くはない。だが知ったことではないな」


「なぜ」


「わしの言葉など、誰も本当にせぬよ。それほどの恨みを、わしは家中で蓄えておる。だから、いま考えていることは、どうすれば自家の兵を損なわずに穏便に帰ることが出来て、そのうえ伊勢宗瑞からの保証をかすめ取れるか、ということだ」



 伊勢宗瑞、いや、その背後にいる今川氏親いまがわうじちかには、宮中にも太い伝手がある。

 国内の威勢を強めるのに、これも利用したいところだ。



「それがしが殿に忠告してまいります」


「無駄なことよ。若いお主では侮られ、父御では頑なになる。お主の主はそういう厄介な男よ」



 あわてて背を向けようとする若武者に、為景は声をかけた。

 その言葉から察したのだろう。若武者は顔を輝かせながら頭を下げた。



「ご助言かたじけない。なんとか御所様こがくぼうに話が行くよう工夫いたします」



 古河公方、足利高基あしかがたかもとは、山内上杉必勝の情勢を見て、この日供廻りを連れて参陣している。

 若武者の姿が消えてから、長尾為景は口の端をわずか、つり上げる。



「ふん。賢しらな小僧よ。とはいえ、このまま勝てばわしの大得。悪くはない……だがやはり、そうはなるまい」



 予言めいた言葉を、為景は口にした。







 3月9日、夕刻。山内上杉の陣に、真里谷信保からの使者が訪れた。



「かねてよりの約定の通り、古河公方に御味方いたす」



 それが使者の口上だった。


 山内上杉の諸将は首をかしげた。

 たしかに、以前から同様の打診はあった。

 だが、それは話があった、程度のこと。帰参後の扱いなどに関しては、触れても居ない。

 だが、実際使者の身元は確かであり、また街道の南に武田の旗印を掲げた二千ほどの集団を補足している。



 ――川越城の情勢を見て、あわてて帰参を決めたか、それとも奇襲の類を企んでいるのか。



 みな真意を測りかねた。

 しかし、長野業正の努力もあってか、古河公方以下、警戒感を強めている。



大将のぶやす自ら来ることだ」



 使者は、この報せを持ちかえり、ほどなくして真里谷信保は現れた。

 本陣で迎えたのは、古河公方と、上杉憲房、それに多数の護衛。奇襲に備えて、諸将はそれぞれ持ち場に戻っている。


 老いを感じさせない、涼やかな美貌に笑みを浮かべて、真里谷信保は二人に礼をし、言った。



「おひさしぶりでございます。古河公方。それに、上杉憲房どの」



 上杉憲房は、信保のゆるやかな仕草にいらだちを隠さない。挨拶もそこそこに、言葉を投げおろした。



「なぜ、いまさら裏切った」


「裏切りとは心外。もともと利害による協力。より利をもたらす相手がいれば、そちらと手を結ぶのは当前でしょう?」



 真里谷信保は、顔色ひとつ変えない。



「ほう? では、房総管領の自称は取り下げるか?」


「これは……なにを馬鹿なことを」


「なにっ!」


「――待て。話を聞こうか、真里谷信保」



 いきり立つ上杉憲房を手で制したのは、古河公方だ。

 三十をいくらか過ぎた青年公方は、五十前の憲房よりもよほど腹を据えている。


 その態度に、満足したように笑顔を見せて、信保は口を開いた。



「もとより、真里谷が欲しいのは房総の支配権。それ以上を望むつもりなどありません。それさえ保証していただければ、古河公方を支持してやってもいい。わたしはそう言っているんですよ」


「――貴様っ!」


「待て。よいではないか」



 激昂する上杉憲房を、古河公方はふたたび手で制した。



「し、しかし」


「もとより関東管領の威勢は房総にまで及んでは居るまい。真里谷は房総を掌握しつつある。このままでは関宿を落とされ、我が古河の喉元に迫られることになる。そこまで周到に備えておいて、この男は尋ねておるのだ。真里谷を味方にするか、それとも敵に回すか? とな」



 古河公方の言葉に、温顔の貴公子は手放しの賞賛を示した。



「さすがは古河公方の座を力でもぎ取った御方。呑み込みが早い。関東管領にもなりきれない者とは出来が違う」


「貴様っ! ここで貴様を血祭りに上げ、房総管領の力を削ぐ手もあるのだぞっ!」


「やれやれ、だから無能だというのだ。わたしは真里谷家の全権を持ってこの場にいるが、その地位はあくまで房総管領軍の大将に過ぎない。房総管領たる父は真里谷城に健在だ。この状況でわたしを殺したとして、なんら真里谷の力をそぐものではない」



 その、ふてぶてし言い草に、古河公方、足利高基は声をあげて笑った。



「くくくくっ。そこまで言える貴様を殺して、真里谷に痛手がないとは、とても思えんがな……よい。真里谷の帰参を認めてやろうではないか」


「ありがたき幸せ」



 噛みつくような形相の上杉憲房を、涼しい顔で無視しながら、真里谷信保は古河公方に頭を下げた。


 それから。

 真里谷信保は従者を自軍に使わせ、自身は陣中に残っていた。

 ふらふらとうろつく信保に、上杉憲房は嫌がらせ半分に見張りをつけたが、信保は涼しい顔だ。


 そして、半刻が過ぎたころ。

 ふいに、伝令が血相を変えて駆けこんできた。



「伝令! 敵方、川越城より出てこちらに向かって来ます。数は二万。扇谷上杉の全力です!」



 諸将に対応を命じた上杉憲房は、しばらくして別の報せを受ける。



「接近する真里谷軍に不穏の動きありっ!」



 上杉憲房はとっさに真里谷信保の姿を探した。

 房総の狐の姿は、どこにも無い。







 古河公方の許可を得た真里谷軍二千は、山内上杉軍に合流すべく、兵を進めた。

 向かった先は、砂窪。不自然なまでに一直線に、彼らは山内上杉軍の本陣に向けて進んでいく。

 川越城より出てきた大軍に注意を奪われていた山内上杉諸将も、その不自然さに気づきはじめる。


 警戒していた幾人かは、素早く動きはじめ。

 それよりも早く、真里谷軍は山内上杉軍にぶつかっていった。

 その、先陣を切る巨漢は、槍を振りまわしながら、怒号する。



「行くぜぇ江戸衆! 突貫だぁっ!!」



 江戸城城主、太田資康。

 彼の率いる江戸衆こそが、“真里谷軍”の正体だった。

 そうなるに至った経緯を思い、太田資康は口の端を大きく釣り上げた。



「この無能! 何をちんたらやっておるのだっ!」



 二日前、突然江戸城を訪れた真里谷信保は、開口一番、太田資康を怒鳴りつけた。

 あまりの剣幕に、資康は面罵された事も忘れて、眉をひそめる。



「いってえどうしたんだ。その慌てようは」


「“助けてお兄ちゃん”と、我が愛しい妹よりの頼みだ。助けてやろう。ああ、いくらでも助けてやるとも。代わりに江戸川の利権はいただくがね」


「わかった。御屋形の了解は、太田資康の名にかけてもぎ取ってやる……で、どうやってだ?」



 義弟に心の中で頭を下げながら、資康は尋ねた。

 その、策というのが、この奇襲。使者を使って敵本陣を探らせてからの、一気呵成の大将狙いだ。



「まったく、たいした奸物だぜ……真里谷信保っ!!」



 敵陣に斬りこみながら、太田資康は吼えた。

 日はすでに落ち、川越の空には薄闇が広がっている。


 地では、各所から炎が上がり始めた。

 朱の炎に照らされながら、山内上杉軍四万と扇谷上杉軍二万は各所でぶつかる。


 炎上した陣中で、涼しい顔をして立っている真里谷信保の姿を見つけて、山内上杉憲房は癇の強い声を投げつけた。



「真里谷信保、きさま、裏切ったか!?」


「裏切る? 当初からの予定通りですよ? 考えてもみなさい。このわたしが。真里谷信保が、貴様ごとき愚物に一時でも頭を下げると思ったか?」



 貴公子の仮面が剥がれた。

 獣の本性をあらわにしながら、房総の狂狐は笑う。

 憲房が引き連れる護衛など一顧だにせず、身に鎧の一片すら纏わずにいながら、真里谷信保は恐れない。



「貴様……貴様! なにが望みだっ! 貴様が大人しく我らに従っておれば、統一は成り、関東に平穏を取り戻せたはずなのに!」


「やれやれ、ずれた御方だ。関東が平穏になる? 困るね、そういうの。だって、わたしはまだ、関東の四分の一も手にしていない」


「……きさま」



 信保の吐き出す厭毒にあてられたのか、上杉憲房は後ずさった。



「わたしがすべてを手に入れるためには、古い組織はすべて壊れる必要がある。だから、我が野心のために、ここで死んでもらおう。あなたも……そして、古河公方も」


「貴様――貴様っ! 古河公方をっ! 関東でもっとも尊き御方をも斬ろうというのかっ!?」



 恐れわななく男を顧みず、真里谷信保は語る。



「妹に聞いた話だ。南蛮の札遊びで、他のすべての札に勝つ、あるいは、別の遊びでは、持っている者が負ける。そんな札があるらしい。鬼札ジョーカー、と、いいったか……私はその――鬼札だよ」


「ええい、斬れっ! このおぞましい奸者を斬ってしまえっ!」



 半狂乱で叫ぶ上杉憲房に、鬼札の将は肩をすくめた。



「やれやれ。なぜこんな火事場で長話をしていたか、分かっていなかったようだね……とっくに時間切れなんだよ?」



 真里谷信保は刀を払い抜いた。

 波紋には、わずかに血の曇りがある。


 背後からはときの声。

 太田資康の部隊は、すでに間近に迫っていた。



「――ここで朽ちるがいい。無能」



 後世、川越合戦の詳細は、定かになっていない。

 確定していることは、合戦が夜中に行われたこと。山内上杉軍が敗れたこと。そして、古河公方足利高基、山内上杉憲房の両大将が戦死したことだけだ。


 軍記にはこう記されている。

 十万を謳う山内上杉軍は、夜間、太田軍と扇谷上杉軍の奇襲を受け、四分五裂となり、多くの将が炎の中、血泥に伏すこととなった。

 見事な立ち回りを見せたのは、長尾為景、そして長野憲業。両者は進んで殿しんがりを引き受け、多くの味方を逃がした。この名声をもって、両者は上野国に確固たる与党を作っていくこととなる。


 そして房総軍は川越合戦の勝利に乗じて、簗田高助やなだたかすけの守る関宿城を落とす。

 これが決定打となった。宇都宮、結城家庇護の下、古河公方家はなお続いたが、戦国大名としての古河公方は、高基の死とともに終焉を迎える、と。






 満月の空を、真里谷信保は見る。

 己の命を弄ぶような策を弄しながら、この奸雄の顔色は、一切変わっていない。


 獣の表情をあらわにして、房総の狐は天に向かって吠える。



「さあ、さあ乱世よ踊れ! 踊れ乱世よ! わたしが、より高みに登るためにっ!!」







◆用語説明

房総の化け狐……初音の兄、真里谷信保のこと。

長野業正……チートおじいちゃんとして有名。本作では二十歳過ぎ。




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