始めは甘く途中はほろ苦い。それでも手を伸ばしたい恋の味。

中近世の中華風……というか香港・上海風のお話。

 タイトルからとてつもなく甘い香りが漂っているわけですが、一話目を開くと予想通り、リリー・メイとエドワードお兄さまの甘いやりとりが繰り広げられていて、読んでいる方はとてもニヤニヤしてしまいます。
 しかし、話が進むにつれて明かされる舞台背景や真実は、気が遠くなるほどの悲しいもの。次第に登場人物の関係はままならなくなっていきます。
 それでも葛藤し、心から望む幸せに手を伸ばそうとする彼らの姿に、気が付いたら読者の心は掴まれているのではないかと思います。

 実は別サイトで全て読んでしまっているのですが、もしやこの展開は「恋は苦い味がするとか」のタイトルを意識しているのかなと、このレビューを書いていて思いました。
キャッチコピーも最初は違うものにしてたのですが、書いている途中で変更しました(笑)

 とにかくこのお話からは感じさせられることがすごく多く、またあらゆる面において学ばされます。

 オススメの一作です。