• 現代ファンタジー

『形ある夢が』 概略(第七話『逆心ある人形が』)

 夢ノ国に人間が集まり始めた。夢ノ国は形見を残したかった。
 ところが、八草辷《ハッソウススム》はそれをよしとしなかった。
「夢ノ国に居る人間が増え続けているって事は、現実で活動する人間が減り続けているって事だろ?」
 八草辷は辛見伖《ツラミクラ》を連れ、駆けだした。辛見伖も別段抵抗せず、八草辷に従った。しかし、八草辷は何も知らず、何もわからず、なんの策もなかった。さすがに辛見伖は立ち止まった。
 そこへ槌ノ子乃文《ツチノコノブン》が現れた。槌ノ子乃文は八草辷の叛心を問うた。辛見伖も八草辷の本心を気にした。しかし、八草辷には理由もなかった。
「イヤイヤ期ですか」
「生後二日で反抗期だぜ? 将来有望じゃねえか」
 槌ノ子乃文は思わず目を伏せた。その隙、辛見伖は八草辷を連れ出した。
 辛見伖は鬼怒川晃《キヌガワヒカル》と会えなくなることが嫌であった。そして、鬼怒川晃と会うには、姫と話す必要があると悟った。しかし、辛見伖は姫との会い方も知らず、姫と何を話すべきかもわからなかった。
「従業員さんに連れて行ってもらえばいいじゃん!」
「そんな従業員、居ねえよ!」
 そこへ羽田共輔《ハネダキョウスケ》が現れた。

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