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【ありがとうMACKちゃん】『開けてしまった密室』麻生花純のイラストをご紹介!

こんばんは。最近本当に眠気がやばい飯田です。人類も冬眠すべきだろこれ。

掲題、MACKちゃん(https://kakuyomu.jp/users/cyocorune)から『開けてしまった密室』の麻生花純の絵をいただきましたー! かわいい! ぎゃー! 

そもそもですね、この作品のビジュアルはMACKちゃんが作ってくれたものなので、絵に関してはMACKちゃんが原作と言っても過言ではありませんね。いつかアニメ化された折にはこの絵を使うように厳命しよう。そもそもアニメ化されるのかという問題については「しー」。とはいえ希望は捨てないぜ! 



さてさて、この作品のこぼれ話について語ります。ちょっと長め。

本作のトリックは確か2015年に最初のアイディアが浮かんだと記憶しています。というのも、作中に出てくるDMSO(ジメチルスルホキシド)という薬品を知ったのがこの年でした。

最初は「吸引して死ぬ薬品は何だろう?」から発想がスタート。いわゆる毒ガスについての考察ですね。この毒ガスって便利で、殺した後に換気しちゃえば凶器がなくなります。問題は広い範囲に殺傷効果が出てしまうことですが、ガスピストルなど方向性を持たせる装置を使えばある程度は解決できます。

で、このガスを使った殺人について考えている時に副産物的に知ることができたのがDMSOでした。『NCIS:ネイビー犯罪捜査班』というドラマで、マンホールだか地下室だかで海兵が殺されるというストーリーにて、凶器にDMSOが出てきました。作中の科学捜査官アビーが解説を入れていたのを覚えています。

「知らない薬物だ。そしてこれは毒ガスになるのか」
そう思い調べてみると「皮膚への浸透性が高く、この薬品そのものに大した毒性はないが他の薬品と混ざるとその薬品を体内に運ぶことになるため危険」という表記が。いろいろな実験の媒体に使われることが多いらしく、他の薬品と混ざり体内に薬品を運んでしまう事故が多いみたいですね。で、思いつきました。『開けてしまった密室』のトリック。

このトリックを主眼に据えた作品を書くのは、実は三回目です。
一回目は大学生の凸凹男子二人が箱根の山荘で起きた密室殺人を解く、というストーリー。これは昔乱歩賞に出して落ちました。
二回目は軽井沢の奥にある人里離れた村のシンボル、時計塔で起きた密室殺人を大学生凸凹男子二人が謎を解く、というストーリー。書こうとして途中でやめました。

どっちも凸凹バディものなんです。秀平と花純の「コンビ」という雛型はここで生まれました。

で、何で男女バディにしたかというと、『開けてしまった密室』を考えていたのと同じ時期に「ゴークリ」熱が再燃しておりまして、「ちゃらちゃら男子と真面目女子」のコンビに萌えていたから、という理由があります。

知らない人のために解説しておくと、「ゴークリ」とは「ゴールドとクリス」の略で、いわゆるカップリングのことです。ポケットモンスターSPECIALという漫画の主人公ズの一人、わんぱく少年ゴールドと、学級委員タイプの女の子クリスタル(通称クリス)の二人がくっついたら、を妄想するポケモンオタクの形態の一種です。

さて、分かる人は分かってきましたね。秀平と花純。このゴークリ意識しまくりです。花純のおさげなんかクリス由来大爆発。MACKちゃんに主人公のビジュアルをオーダーする時もおさげ二つ結び(三つ編み)はしっかりお伝えしました。

ただ、もちろん単なるゴークリのコピーで終わらせる気は毛頭なくて。

秀平には「人の気持ちを大事にする優しさ」、花純には「理論的に考察を導く論理性」を付与しました。なんとなく、世間一般で言われるところの「右脳左脳論」に近い雰囲気です。秀平が右脳、花純が左脳(まぁ、現実の右脳と左脳の関係はそんな簡単に別れてはおらず、論理的思考をする時に右脳が働いていることもあれば、感覚的な活動をする時に左脳が働いていることもあります。局在論は少し古いです)。

だから秀平は「覗きなんて匂わせたら花純が嫌がる」と察していい感じの嘘をつきますし、花純は常に仮説を立てて論理的に物事を考えます。

そして世間的に言われるところの「性的な役割」についてのアンチテーゼもありました。

「察する」「恋愛」、これは女性的に捉えられることが多い特徴ですね。男子の秀平に付与しました。
「理論」「格闘」これは男性的に捉えられやすい。女の子の花純に付与しました。

そんな思いを詰め込んだのがこの『開けてしまった密室』です。



本作は学園ミステリコンテストに出していますが、結果はどうあれ、続きを書きたいなー、と二案動かし中。

ひとつは「時宗院高校の学年を跨いだ大規模な同窓会が開かれている豪華客船内で起こった、連続殺人事件の謎を秀平と花純が解く」というもの。タイトルは『三通のダイイング・メッセージ』。

もうひとつは「時宗院高校の文化祭で起こった『空から天使が落ちてきた』殺人事件について秀平と花純が立ち向かう」というもの。タイトルは『ツリーハウス殺人事件』。

現状後者の方がよく動いていますね。僕自身がお祭りが好きだからでしょうか。高校生の頃も学園祭に熱中したなぁ。

さぁ、そんなとにかくかわいい二人のお話。
引き続きご愛顧いただけたら幸いです。

最後にこの素敵なキャラデザ、イラストを描いてくださったMACKちゃんに最大級の感謝を。このところ忙しいみたいだからご自愛ね、MACKちゃん! 

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