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天之馬ト地之犬の話 楽曲を作ってくれた愛すべき『おにぎりやろう』ハマノユリナさんのお話。

才能は、覚悟と深い想いによって育つんだろうと思うのです。

天之馬ト地之犬の話の曲を作ってくださった方はハマノユリナさんという方。
初めて、あるイベントでアカペラで熊本県阿蘇の民謡を披露されるのを聴かせていただいたのが初対面でした。
その声を聴いて、鳥肌が立って、背筋にぞわぞわとしたものがはしりました。
「なんだ、これ?すごい!」とあたりを見渡したことをいまだに思い出せます。

その頃の私は、ライブなどで聞く曲に対して、さほど共感するものも少なかったので、それほど期待せずに…むしろ、気怠げに座っていました。

ただ、最初のMCのあと、一呼吸を置いた後、しんとした会場の中で発せられた彼女の声で鳥肌がたち背中が総毛立つようなものを感じつつ…。何が起きたんだろうと、あたりを見渡したのです。
小さな会場の30人程の、あまり音楽に興味がなさそうな人たち、おそらく殆どが唖然としていました。

人がその瞬間に何を考えていたかなんてわかるはずが無いと、そうおっしゃる方もいると思います。

しかし…。
その後、まさにその会場にいらっしゃった篤志家の方からの支援で、ハマノさんはCDを出し、Jリーグのチームの試合のオープニングアクトという大役を任せられました。
また、まさにその会場にいらっしゃったプランナーの方からの紹介でCMのお仕事まで繋がる『縁』を築き上げました。

小さな会場で、楽器も使わず、言語でさえも無い「あぁあー…」という出だしの喉が発するたった一声で、その場にいた人の心を動かしてしまった。




その、彼女が発する『音』を聴くまで、本当に申し訳ないのですが、「所詮、小娘のお遊び歌でしかないだろう」というあさはかな思いを持っていたのです。
それが、一瞬にして打ち砕かれた瞬間でした。


東京に拠点をもつ彼女は、その後、何度か九州へ来られることもあり、シンガーソングライターになった経緯をお聞きする機会に恵まれたのです。

ハマノさんはもともと、熊本県出身の方で、その当時は自分のことをしきりに「おにぎりやろう」だと言ってました。

『おにぎりやろう』とは、いわゆるハマノユリナさん的にはポンコツだという意味を含むようです。

それを実例を出して説明してくださるのですが…。

彼女は歌いたい一心で、家出同然に東京を目指しました。
お姉さんが手配してくれた”東京までの片道の切符”と”たった一万円”を握りしめて上京。「それで一ヶ月過ごせると思い込んでいたんです」と笑う、そんな人でした。

そんな『おにぎりやろう』のハマノさんは、バイトをしたり、東京に出て自殺しそうなおじさんを助けたり、路上で歌っている時に有名なピアニストに出会ったり。

この現代で、時代にそぐわない童話的な経験をしていくのですが…。
話をお聞きしていると、私自身絶句するような事件ばかりでした。

彼女は、そんな経験をしながら、どうしても歌を歌いたいという想いが強く、唯一の収入源であるアルバイトを辞めて収入の目処も立たない状態で路上で歌い始め、今まで…。

先に話したように、どんどんコアなファンを掴んでいくこの人は、声ひとつで『おにぎりやろう』の自分を置き去りにして、どんどん先へいきます。

それは、”できる”、”できない”ではなく、”やるしかない”という覚悟なのだと思います。
彼女が、覚悟を持って、「この道しかない、この道で生きられなかったら生きている意味がない」とまで思っているからこそ、総毛立つような感動を人に与えられるのだと思っています。

実は彼女は、苦労話で注目をされることを好みません。
ただただ、自分の曲で声で語られることを望みます。


ただ、曲を聴いてくださる方へ、その伝えない言えない部分。
生まれだったり、経験してきたことだったり。
その全部がハマノユリナさんの声を作り上げるための必然で、精巧にできた世界の仕組みの一部に見えてきます。
多分、それを人は運命と言ったり使命だと言ったりするのだと思います。

歌うことだけに特化している能力の他は、実は本当に『おにぎりやろう』と彼女自分が自嘲するような人で、実は、ごめんなさい私もそう思います…。

ただ、そうやって、自分を守ることも放棄して生きてきた彼女は他人から愛され、家出同然に出てきた家族との不和をもCDデビューさせてくれた篤志家の人のお世話で繋ぐこともできた。Jリーグチームのオープニングアクトで歌う時に、家族を招待することを提案してもらいもう一度繋ぐこともできたのです。

ハマノユリナさんの声を、本当にライブで聴いて欲しいと思います。
その場所で、偶然出会い頭に聴く人の中で、彼女の歌声で、曲で泣けたという人が必ずいて、一度だけのライブでファンになる人がいて、そういう人たちが後押しをしてくれている。

今回、出会った頃に作ってもらっていた楽曲を、本当にわずかな金額を払わせてくださいと申し出ました。

今依頼したとしたら、とうてい受けてもらえない金額です。
今ほどステータスが上がってしまった彼女に申し出るには、本当に恥ずかしい金額でした。

「今後も使っていきたいので、ぜひ振込先を教えてください」と言うと、ハマノユリナさんは「じゃぁ、今聴いてみたら、気に入らないところもあるから手を入れますね」と言ってくれました。

自分で作った曲を、本当に愛情を持って活かそうとするひと。
使い古された言い方になりますが、音楽を愛してやまないひと。
自分を守ることも思い付かずに、歌い続けてきた人。

そんなミュージシャンです。
よかったら、一度、聴いてみてください。
いや、是非聴いて欲しいのです。ハマノユリナという人の作った覚悟と愛情を持った曲を…。

https://twitter.com/hamatan_man

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