• 異世界ファンタジー

『七色のクオリア』完結しました!


本日、『七色のクオリア』を完結させました!

私にとっては初めて筆を起こした小説でありましたが、ちゃんと擱筆することが出来て良かったと思います。

本作は私の処女作である一方で、自分自身の中にある言葉の引出を確かめる、習作的な側面もまた、持っておりました。

従って、多くに受け容れられるような作品ではないと感じておりますが、人生の時間における貴重なその一部分を、この作品のために割いて頂いた方々には、本当に感謝の言葉もございません。

しかしこの機会をお借りして、その皆様に対し、僭越ながら、感謝の言葉を贈らせて頂きます。


この度は私の拙作にお目を通して頂き、本当にありがとうございました!



【感想と自省】

さて、ここから先は、壁に対して呟く独り言となりますので、ご容赦ください。


◆一見して内容が掴めないであろう、タイトル名について

「クオリア」という、未だ明確な定義が成されていない難解な語句を用いているため、その後にあらすじやタグを見たとしても、他のよりキャッチーな作品に、読者の大半は流れていくと思います。

私の中で「クオリア」は、人間がそれまでに主観的体験に基づいて得た、感覚の質感、例えば「空のあの青い感じ」、「背筋がぞっとするあの感じ」といったような、人が心の内に持つ「感じ」そのものとして解釈しております。

そして、筆者と読者とでは、作品を見て得たその「感じ」が、一様ではなく、人の数だけ存在している現象を形容し、さらに作中の登場人物から見た世界の捉え方も、また然りであるということを示すために、このタイトル名に決めたのです。


◆三人称一元視点を採用した理由

それまでに小説を書いたことのない人間が、最初に選ぶ方式として相応しくないことは、重々に承知しております。
しかし本作は、先述の通り、自身の中にある言葉を、実際にどれだけ活かせるかを試す場としての側面もあったため、主人公の教養範囲や語彙力をあまり考慮することもなく、様々な語句を用いることが出来るこの方式を採用しました。

同方式では、神の目視点とは異なり、人の心情は主人公のものに限ってでしか描写することが出来ないため、主人公以外の人物が行う行為は、明らかにそう見えた、あるいは感じられたものを除いて、断定する描写「~した」が不可となります。

よって文中では、「~のようだ」「~らしかった」「~した様子だった」といった記述が必然的に多くなりました。

普段、選択的に一人称しか読まない、もしくは書いてこなかった方にとっては、没入感を得難いことも手伝って、あまり見ていて面白いものでは無かったかもしれませんが、私は敢えて最初からこちらの道を選んだことで、そこから得た経験が、一人称を書く際の描写においても、必ず活きてくるはずである、と考えております。

なお作中、部分的に一人称にしか見えないと思われる地の文がありますが、当該箇所における表現は、私が特殊効果として、意図的に行ったものです。作法的に禁忌事項であったとしても、私にはその判断がつかなかったので。


◆一投稿あたりの文字数

本作は一投稿あたりの文字数が、3500~4500と、平均的な数値からすれば、恐らく多めの部類に入るのでは、と思います。

対して多くの作品は、読者側の負担軽減や、テンポ感に重きをおいているためか、凡そ1500~2500字程度の枠内で収められている印象を受けました。

加えて、余計な部分を削ぎ落とすのもまた、筆者の技量を表すが故に、過不足の感じられない描写は、私にとっては本当に参考資料になります。

何より、過剰な修飾を排した、無駄の感じられない文は、誰の目に映っても美しく見えているようで、また、可能な限り多くの人に見て貰う、という、全ての作者にとって避けては通れない重要な問題を鑑みても、正解に違いないと思います。

事実、読み手は時間を持て余しているわけではないでしょうし、分厚い地の文の塊を目にしただけで拒否反応を示す人も決して少なくはないと思います。

そしてまた、書き手側も、自分の作品が第一のはずですから、仮に相互評価を念頭に置いている方であれば、まずそもそも触れないか、あるいは触れたように見せかけて、その実、中身にはあまり目を通していない場合もあるかもしれません。

私の場合は、無駄を省く技術が十分ではないため、ただの貧相な書き殴りにだけはならないように、私なりの表現をとにかく重ねていった結果、自然とこういう形になりました。

正直、読み手に割いて頂くであろう時間の価値と、本文の内容が釣り合うかと問われれば、私にはまだ肯定できるだけの材料を持っていませんが、私は本作を、自分の書きたいように書けた実感はあったため、それがもたらす結果がどのような色を見せたとしても、悔いはありません。

読者のことを何ら省みず、ただ自己満足と自己陶酔のみに興じたのでは、と言われても、私はそれもまた一つのクオリアとして、ただ受け容れるだけです。


◆本作で密かにやっていたこと

・字数操作による階段ギミック
(十年早い上に環境次第で崩れる)

<例>

ABC。
ABCD。
ABCDE。


◆次作でやりたいこと

・一人称への挑戦!
(順序がおかしいですが……)

・テンポを重視する!
(本作ではあまり出来ていなかったため)

・転移も転生も行わない!
(考えている次作では特に必要性を感じないため)

・戦闘描写はやはり外せない!
(書いている本人が何よりも一番楽しい時間なので)


◆最後に

もしここまで読んでくれた稀有な方が居るとしたら、ぜひとも感謝状を贈らせて頂きたいです。

この度は最後までお付き合い頂き、本当にありがとうございました!
乱文ながら、お礼まで。

それでは。

2件のコメント

  • 『七色のクオリア』、読了させて頂きました!
    最後の最後、登場した『彼女』にハッとさせられました。
    本当に美しい宝石箱のような世界観、時に豪快な戦闘で彩られる登場人物たち。美しい言葉に表現され非常に奥行きが出ていて、引き込まれました。
    次回作も、是非読ませて頂きたいです!!
  • >>吾妻さん

    こんな所にまでコメントを下さり、本当にありがとうございます!

    この度は、私の拙作を最後まで読んで頂けただけで、感謝の極みなのでございますが、さらにそのご感想までも賜ってしまい、この謝意を表せるだけの言葉が見つからないのですが、重ねて、心からの感謝を申し上げます。

    連載中、吾妻さんから頂いたお褒めのコメントも、本当に大きな励ましとなりました。そして私は、これらの経験を糧にして、また次作へと繋げられるように頑張りたいと思います!

    末筆かつ、繰り返しになりますが、本当にありがとうございました!
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