• 異世界ファンタジー

本気会専用

6件のコメント

  •  こんにちは。
     『豚~』をとりあえず3話まで読みました。
     これからゆっくり続きを読んでいこうと思っていますが、現時点で思うところがいろいろ浮かんだので、武藤さんなら大丈夫と信頼したうえで、遠慮なく忌憚なき意見を述べます。 

     ちょっと多めで、意見するだけで結構時間がかかりそうなので、そちらもゆっくりと、小分けで行くしかないなと思います。ちょっとずつ、作品に反映いただければと思います。

    (良い点)
    1 まず、良い点を上げるならば、なんとなーくメッセージ性を感じるところで、情熱こめて描こうとしてるように思います。あとは、それをどう表現するか、読者にどう伝えるかが課題になりますよね。

    2 次に、抽象的な観念にそれとなく比喩が使われるところは、描写的になってイメージしやすいかなと。良い点だと思います。

    3 オークの子分たち。現在この作品でもっともキャラが起っていて、いかにも子分という感じが親しみやすい。

    (指摘したいところ)

     あくまで尾崎の感じたこと、という部分も含めて、引用もしつつ指摘いたします。

     1話目が特に指摘箇所多いです。やっぱりどんな作品も冒頭が重要で、だからこと難しいのだなと思いました。一緒に鍛えていきましょうね。

    1 まず、1話目の時点で誤字や言葉の使い間違い、誤変換がとても多かったです。すべて指摘しようと思ったらぞっとするくらいですので、めだった箇所以外はスルーすることになると思います。投稿サイト作品より、プロの出版作(特に一般小説や児童文学がいいかも)を読み、ゆっくり勉強していくことをお勧めします。

    2 本当に心苦しいですが、本気会だからこそ正直に言うと、『豚だ~』は1話目で読むのが辛くなってしまいました。2話目で少し落ち着いて、3話目でようやく面白みが出てきたという感じでした。武藤さんが参加した読み合い会で、まともなコメントや指摘がないのは、おそらく他の皆さんが、どこをどう指摘してよいか具体的にわからない、という状況に陥ったからだと考えられます。この会は、そこもなんとかしてお互いの成長につなげようという意味でやってるので、頑張って指摘させていただきます。

     以下、1話本文を途中まで引用させていただきつつ、指摘したい箇所を【】でコメントします。たぶん、全てを網羅するのは無理だと思うので、今日は大きな気になる点を中心にお伝えします。おそらく、それが改善されたら次は~という感じになるでしょう。

    3 読めない理由の8割がたは、確実に主人公にあります。以下、そういうつもりで見て欲しいです。



    (以下、引用)

     人生ってのは正直、不平等だと僕は思う。
     産まれた時点で、この世での価値が決まってしまうのだから。

     高校の先生が言っていた。

     スポーツ選手の息子娘は遺伝的にスポーツがしやすい身体になるそうだ。
     イケメンと美人の息子娘は顔が整いやすいそうだ。

     つまり、だ。
     産まれてくる前に、【番つがい】になる人によってもう子供の運命は決まったも同然。

    【つがい ルビを振ること。以下けっこうルビが振れていないので、作家側としては「わかるっしょ?」と感じる気持ちもあると思いますが、読む側はストレスです。たまにあるくらいならいいけど、1話目でバンバンそれが出るのはうんざりししますよ】

     ということだ。

     じゃあ僕はどうだろう。
     父は正直カッコ良くはない普通だ。

    【書き出しは、作家および読者の好みもあるのでなんともいえないですが、私はここまではそこそこ好きです。】

     髪型はガチガチのワックスで固め、四角いメガネの超お硬い系男子。しかもあんまり喋らない。
     職業はサラリーマン、年収は五百万。
     まぁまぁだろう。
     少なくはないし、多い訳でもない。
     普通に暮らして行く分には何の問題も無かった。

     母はというとこれまた普通。
     ロングストレートの茶髪。背が小さいのが悩み。
     不細工、とは言わないにしろ、美人とも言えない。
     僕が高校の時にはもう四十の叔母さんだからというのもあるかもしれないが。
     若い時の姿を見てないからな。
     若い時は美人だったかもしれない。
     普段は何してるかって言ったらアルバイト的な事をしていて、どこかの飲食店で働いてるそうだ。
     共働きって奴だ。
     お陰で二人とも帰ってこない日もたまにある。
     したい放題やりたい放題。
     帰ってこない日はもうフィーバータイム、朝までゲームアニメ三昧だ。

    【親の容姿について、主人公の主観だからこそ、適格にどう感じたかを伝え、あとは削っていい気がします。今後の展開を見ても、両親の外見描写はそこまで重要じゃなさそう。
     提案としては、
    ①父親かっこよくはない普通 
    ②母親も普通。美人ってほどではない。どちらもただのおじさんおばさん。(なお、『叔母』は誤変換。これだと親の兄弟姉妹にあたる親戚になってしまうので、記述するならばひらがなしかないと思います) 
    ③両親は共働きで年収は500万くらいだと思う。(母親の普段の生活を「アルバイト的な事をして」と表現する主人公が、父親の年収を明確に言えるのは違和感があるから) 
    ④暮らしぶりもそこそこ。

     という順番で書くくらいでいいとおもう。あとは全部削ったって問題ない。主人公のキャラ付けが曖昧なので、『ゲーム三昧』などの箇所は、残すかは今後の改稿によって決まると思います】


     おっと、僕の紹介がまだだったね。
     僕の名前は麦豚むぎぶた 焼太郎やいたろう。
     どうだい? 悪意を感じないかい?
     悪意の塊みたいな名前と苗字のコラボレーションだろ?
     全くおかしい話だ。ネタにするにしてもつまらない冗談もいいとこだ。
     こいつのせいで僕の人生が狂ったことは一目瞭然だ。
     もっとも、これだけのせいじゃないけれど。
     何でこんな名前になった? と聞いたら、姓名判断師に決めてもらったそうで。
     何とも画数と星の位置が最高にマッチングしていたそうだ。
     でも、普通しなくない?

    【私はこのネーミング設定はやめた方がいいと思うが、どうしてもこの設定を貫くのであれば、今後の展開の仕方やキャラ付けを大きく変更するべきだと思う。以下、名前をそのままにする場合はどうなるか、どう進めていくべきか、提案だけします。武藤さんがどうしたいのかでいろいろと変わってきますが、とりあえず。
     〇 名前をそのままにする場合の選択肢
      1 コメディ寄りにする。
       この場合、両親は普通の両親ではありえないと思う。現実に、桃太郎くんという名前の子はいるらしいが、それは愛を持ってつけられたものでした。その人も、自分の名前を愛してるようです。ではこの作品の場合は? と考えると、愛をもってつけたのだという描写もないので、なんかとんでもない印象を受けます。
     仮に名づけを姓名判断師に丸投げする両親だったとして、息子にこの名前をつけるという決断をする親は、相当なDQNか、あるいは意志薄弱で自分の意思がないような人間でなければ、読者が納得しない。麦豚という苗字だけでも悲惨ですし。
     でもそれを笑いの要素するなら「そんなとんでもない親が登場する作品ですよ」と提案できます。例えば~女の子に触るだけで鼻血が出て、しかも母親がプロレスラーで毎日技をかけられて育った~ という主人公は、現実には存在しないと思うが、それをきちんとコンプレックスにし、ストーリーにつなげるなら、なんとかなるのと同じ。
     というか、麦豚という苗字に太郎という普通の名前でも、ぶたと呼ばれていじめられることに変わりはないような…。親が普通の性格だという設定が大事であれば、苗字だけ変だという方がまだ納得できる。

      2 徹底的に、主人公がそんな親を憎む。
       でも現在のこの作品を読む限り、2話目以降はコメディ的な軽い会話が出たりするが、1話目で主人公が死ぬまでかなり状況は深刻。主人公は親の名づけに悪意を感じているし、自分の名前に悲観し、その名が体を成してしまい、いじめの原因となって自殺までしようとする。それは問題ないし、むしろ読んでいて自然です。先生の登場でその陰鬱な心がすこしシフトするのも、展開としていいと思います。
     だからこそ、親が普通の親であるのは違和感があるし、主人公が普通に親と接し、愛されてるだとか、親孝行したかったとか、そう思うことにかなりの違和感があります。絶対に親は大切にしろよ、という洗脳された子供という設定ならまだしも…この主人公はきちんと思考し、前半で親を客観的に見ているので、そういう前後の矛盾が1話目だけで繰り広げられているところが、読み進められない原因となっています。
     作品で何か伝えたいメッセージがあるとします。でもそれはストーリーが進んでいくうえで、身に降りかかる出来事を体験しながら主人公が学び、それが読者に伝わるというのが主軸のメッセージになるわけで、1話目の舞台設定やキャラの紹介をする段階では、主人公の位置づけは定まってないと、感情移入できないです。
     読者のほとんどは、常識的な考え方を持っています。なので、最低のネーミングをされたら、普通は嘆くし、親を憎むし、憎んだら普段の生活では反発するし、できなくともモノローグには罵詈雑言の嵐であるはずだし…親孝行なんて絶対にしない、むしろ殺してやりたいというが自然だと思うくらい、彼の現実は悲惨に思えます。どうでしょうか?

     ※ストーリー上重要なのが、太っていていじめられてコンプレックスで、それがオークに転生した結果、気持ちが変わってくるというのであれば、名前が最悪だという設定はいらなくなります。例えばアクセルワールドの主人公はハルユキですが、ちびで太ってるだけでいじめられていても、読者は納得して読めます。それがコンプレックスであることにも共感できます。私が麦豚焼太郎設定をやめた方がいいという理由は、そこにあります。


      

     小学校の時は、さほどデブじゃないけれど、名前の所為でぶたぶたとからかわれた。
     おかげでやけ食いを起こし、本当にデブになった僕は、中学でさらに強い虐めにあった。
     トイレに顔を突っ込まれたこともあったし、階段から突き落とされ、「おむすびころりんってか」って馬鹿にされたこともあった。


    【階段から突き落とされたら洒落にならないです。せめて、『転がされて』と表記するといいかも。あと、いじめっ子のセリフは結構注意が必要。「おむすびころりんってか」はダサいので、それに対する主人公のツッコミを入れるか、「さすが豚、転がったら止まんねえ」みたいに大笑いするようなセリフにするか。セリフについては好みもあるので、どちらかといえば主人公が地の文でダサいとか、くだらないとか、行為も含めて指摘すると、読者も「だよな」と共感し、一緒に「マジでひでえなこいつら」と思ってくれるだろうと思います。

    具体例──
    「おむすびころりんってか」と馬鹿にされたこともあった。
    僕はあちこち体を打ち、痛みに耐えつつも「笑えないんだよお前ふざけんな」と心の中で何度も抗議した。幸い脂肪のクッションのおかげか大事にはならなかったが、一歩間違えれば大怪我してるぞ。

     みたいな感じでしょうか…】



     辛い、人生の方だと思う。
     他にもきっと、辛い人生を送っている人はいるはずだから、辛い辛いとおおっぴらに言えたもんではないが、それでも良い人生じゃないのは確かだ。
     あまりにも辛すぎて自殺未遂をしたくらいだから、ね。
     屋上からの飛び降り自殺。
     未遂で終わったのは、僕を介助してくれていた先生がたまたま僕を発見し、後ろから引っ張って助けてくれたのだ。


    【介助という言葉は、たぶん日常生活のあれやこれやを手助けするという使い方をするのが一般的で、介護で付き添って何かする、をイメージする言葉だとおもいます。介助してくれていた先生が、という文脈だと、普段からすぐ近くでなんか手助けしてるか、あるいは自殺の手助けをしているのか、というように読めてしまいます。
     どういう言葉に直すかはお任せしますが、例えば
     未遂で終わったのは、担任の先生がたまたま僕を発見し、後ろから引っ張ってくれたからだ。先生は普段から僕を気にかけていたようだった。
     とか、そんなニュアンスじゃないでしょうか】


     大した事件にもならなかった。
     学校側が揉み消したって言うのもあるし、何より言いふらさなかった。
     自殺しようとして失敗した奴の言う事の惨めな事よ。
     やる気も起きやしない。

     先生が救ってくれた時、彼女は言った。

    「生きていれば必ず良いことがあるから……。諦めないで……。あなたを救う人はいるわ……!」

     嗚咽して、顔を真っ赤にして泣きながら先生そう言う先生に、僕は、吃驚してしまった。
     
     この世に安寧など無い。
     安心もない。
     在るのは一つのヒエラルキー。
     産まれた時の権力、顔、能力で全ては決まる。
     もちろん、後天的に付与することもできるが、権力や顔なんかは自分で積み上げるか、整形という足掻きをするしかない。
     そんな中で、僕女は、僕を助けてしかも慰めの言葉をかけてくれた。

     僕は更生しようと誓った。

     この先生にいつか恩を返そうと。
     僕はこんなに幸せに過ごしましたよ、貴方のお陰です、と。
     言いたかった。

     けど、僕の運命がそれを許さなかった。

     クラスで行われていた僕の虐めが先生に向かったのだ。
     元々軋轢があった先生と生徒の亀裂は一気に走り、瓦解した。
     そして、先生も先生を辞めてしまった。

     ーーこうして僕は一人になった。

     なるべく、誰も知り合いのいない学校に入ろうと思い、引越しまでした。
     だが、結局高校に入って待っていたのは、新たな地獄。
     一層身体が大きくなった者達の、苛烈していく暴力は僕の心をズタズタに引き裂いた。

     引きこもるしかなかった。
     それしか道は残されていなかった。

     こうして僕はオタクになり、引き篭もった。


    ──とりあえずはここまで。
    3話までの流れも踏まえつつ、意見させていただきました。
    文章の細かい部分が気になったりもしますが、そこは作家本人が勉強し、何をその箇所で伝えたいのか自分の中で明確にしながら、的確に書くための言葉を覚え、選択していくしかないです。マンガ家が、他のマンガを読みながら、自分の絵はどうしたらよくなるかと研鑽するのと一緒ですから、他の作品を読みつつ、勉強するしかないです。

    私の場合の問題点は設定説明の仕方および前半の構成ですが、この作品の場合は主人公の設定とキャラ付け、それに続く両親の設定は、それでいいの? というところにまず行き着きます。そこが変わると、全体像も変わる可能性があるので、まずはそこを固める必要がありそうです。

    以上です。
    さて、自作を書かねば。
  • >武藤 笹尾様

    こんにちは(^^)岩井喬と申します。
    今回の自主企画に参戦致しました旨、お知らせも兼ねてご挨拶に参りました。

    バッサリ切り捨てていただいて構いません。
    ただ、遅読につき皆様の作品を拝読するのが遅れてしまうかもしれません。
    もしそれでもよろしければ……。

    『怪獣殲滅デッドライン』
    https://kakuyomu.jp/works/1177354054885420014

    です。もしよろしければ、ご高覧いただけると幸いです<(_ _)>
  • こんばんは。
    自主企画、始めたんですね。

    よいですが、ややこしくなるので専用ノートを作ってくださいね。
    本気会は本気会ですので。

    そんでもって、ウイルスバスター、いまの4話まで読みましたよー。

    案の定感想が長くなってしまいまして、今日1日では伝えきれそうにないので、後日まとめてお知らせします。

    よろしくお願いします。
  •  こんにちは。
     前回指摘できなかった2話目についてです。時間が取られ過ぎてしまいますので、言葉足らずな所はご了承ください。いま私も必死こいて執筆中でした。時間がかかるというのは、それだけツッコミどころが多いということですので、頑張っていきましょうね。

     たぶん指摘できずとも、直した方がいいと思うところなどきっとあります。お互いに自己研鑽をしていきましょう。改めてみると、3話目もいっぱいありますので、それも後日。


    (2話目について)

    【ここは、仮に近藤視点で進めた場合、という指摘内容になるかと思います。注意するところに@@で印をつけました】


     ──どうしてこうなったんだろうか。

    @「か……こぱ」@

     @喉の奥からこみ上げる嘔吐感に大人しく従えば、目の前に出て来たのはぐちゃぐちゃになった昼食ではなく、赤い命の源だ。@

     ゴボゴボと、滝のように垂れ流し。
     蛇口が壊れた水道のように無様に垂れ流し。
     大雨が降った日の用水路の様な勢いで垂れ流し。

     目の前を埋め尽くす赤。
     赤、赤、赤。

     理解が追いつかない。
     吐き出したそばから自分の血が、赤いポリゴンとなり消えていく。
     地面は虚実の綺麗さを保ち、自らを襲うのは信じられないほどの頭痛。
     目の前はぼやけ、先程まで綺麗だった夕日に染まる家々は、なぜか寂しく映る。

    【腹を刺された人間が、蛇口が壊れた水道のような血を噴き出しまくるのかはよくわかりませんが、近藤視点でも必要な描写は@@で挟んだ箇所くらいだと思います。】


    @「い、痛いよ……@辛いよ、な……ん、な、かぱ」

     話に聞いたことがある。
     痛み。
     この世界からとうに失われた感覚を、知るはずのない知識で彼女は体験した。
     喉に焼いた鉄でも突っ込んだかのように、息は苦しく、脳内は虫が這い回る感覚が襲い、極め付けは腹に受ける熱である。
     ホッカイロでも直に貼った記憶などない。
     たまにやらかしてしまう事はあるが、今日つけて学校に来た記憶は無い。

    【近藤は明らかに一般市民ですよね。そして、ウイルスに侵されている自覚がなく生活していたように、ここまでは受け取れます。そんな彼女の視点で『赤いポリゴン』や痛みをしらなかったというような描写はおかしい。自分が仮想世界の人間だと自覚してるのかどうなのか、そこからはっきりした方がいい。私は自覚がないものだとして読んでいて、おかしいと思ったので、もし自覚があるのならあらかじめわかるように読者に伝えておく必要がある。どのようにすればいいかは、私もよくわかりません。もし自覚がないのなら@@以外は一切いりません。自覚があるとすれば、先のことに注意し、ホッカイロのくだりは要りません】


    「な……にこ、れ」

     目の前の現実を受け入れることは出来ないが、この『痛み』と『熱』と『不快感』の正体は理解した。

     そこにあったのは空の様な綺麗な水色に染まった一本の刀であった。
     電光が迸り、腹を刺激する。
     @機械的な刀は筋肉も無く、骨も脆く、肉付きも悪い、そういう設定のか弱い身体@ を容赦なく貫いていた。

    【ここも、@@は近藤に自覚があるとすればおかしい】

     @刀が身体を貫いた事実を知った途端、あるもう一つの事実が浮上する。
     上手く働かない脳内はその一点にのみ集中され、俯いた頭蓋を上げ、目線を前に向ける。@

    【事実に対し、余計な描写が多すぎるきらいがあります。伝えたい事は何? ということで、いわゆるくどい状態、かつ何を書いてるのか逆にわからなくなっている箇所です。『顔を上げると、好きなひとがすぐ近くにいた。何かを喋っている』そういうことですよね?】

    「──ザ──潜伏型の──ザザザザザ──、誰が感染──ザザ──か、分からない──ザザザ──だ」

     好きな人がいた。
     恋い焦がれ、思い続けた人がいた。
     少し首を伸ばすだけで、唇が触れてしまいそうなほど近い位置に、彼の顔はある。
     残念な事に、彼の声は雑音にかき消されその全て拾うことは出来ない。
     それは全てポンコツな自身の耳の所為である。
     これほどまで近くに来てくれたのだ。
     それはつまり自分の告白を受け入れてくれたということに違いない。
     もっと集中して……、
     もっと集中して聴かなければ!

    「僕はイサミ。“マザー”が作り出し──ザ──仮想世界に危険を──ザザ──ルスを排除する──ザザザ──られた“アンチウイルス型AI”。Anti-133。それが僕の名前の由来だ」

     雑音は少しずつ消えて、愛しい彼の声が徐々に鮮明に聞こえる様になる。
     やれば出来るではないか。
     そう自分を褒める。
     だが、会話の内容を理解する事が出来ない。
     告白のこの字にすら触れていない内容で、しかも訳の分からないことを言っている。
     つまりは告白を受け入れるということなのか?
     ならば、自分はそれに答えなければ。

    【個人的には、このモノローグは冗長すぎるんだけど、伝わるし、内容はわかるので、作者の好みで。でも、根本的に考えたほうがいいなと思うのは、近藤は刀を刺されている状況なので、そんななかで、好きな人が近くにいる! を過度にモノローグするのはおかしい気がします。近藤のキャラがよほど立っているなら別かもしれないけど、結局この場かぎりの人なわけだし、一般的な女子像として扱っていいと思います。つまり、好き→イサミすぐ近くにいる→でも刀で刺されてる→なんで、なんで!? というのが普通の心理的な動きだと思います。近藤という女子をどう扱うのか、1~3話目を近藤視点で進めるうえで、一番大切なことだと思います。以下、同様の理由でおかしいよなーと思うところは重複になるので、適宜指摘を省略します。】

    【ちなみに、あとでマザーに人間が従うという設定描写ありますよね。だとすれば近藤は仮想世界にいる自覚がある? と、すればもっと、仮想世界を自覚して生きている人たちが自分をどうとらえているか、世界をどうとらえているかを描写でわからせる必要があるので、もっとさらに作者として熟考が必要です。現時点では、ただ単に、視点ブレブレやん、あるいは近藤自身は普通の世界に生きていると思ってるんだな、と捉えることしかできません】


    「──!!」


    【この!!の台詞が誰のものかわからないのですが、誰のだとしても不要だと思います】


    「きゃっ!?」

     @無防備な唇を奪おうと顔を前に伸ばせば@、強い衝撃と共に腹から異物が出て行く感覚。
     @勢いよく蹴られたその体躯は、紙のように吹き飛び@、体育館の壁に叩きつけられる。


    【繰り返しになりますが、近藤視点だとすれば、@@はおかしくなりますね。『蹴られた』だけでいい。紙のように吹き飛ぶとは自分では比喩しないですよね。あと、意図としては違うと思うけど、無防備な唇を奪おうと顔を前に伸ばせば、はおかしいかな。なんか、ウチューって頑張ってやってる感じで、ギャグっぽい。近くに彼の唇がある。触れたいと思ったが……とか、唇を近づけようとするも、なんかが適切だと思う】

    @「──ィッ」

     忘れかけていた痛みが押し寄せる。
     飛んでいきそうになる意識を、無理やり身体に留めて、息をする。
     息を整えようとしても、落ち着こうと深呼吸をしても、寧ろ喉を侵食した大量の血の不快な感触が嘔吐感を促し、咳き込み吐いた。@

    【いちいち思い出さなくても、痛いって読者はわかってる。話をすすめよう】


    「どうじ……て」

    @ ──本当にどうしてこうなったのか。

     つまりこれはフラれたということだ。
     強烈な拒絶反応。
     彼にとって、自分という存在は殺したくなる程に邪魔だったのだ。
     持つ刀で腹部を貫き、蹴り飛ばして更に@出血死を誘う@。
     過激ではあるが、それも仕方ない。

     自分も彼を好きになった時、自宅を特定したり、行く先々に付いて行ったりしていたのだ。
     これも一つの選択のうちなのだろう。@

    【いらないと思う。近藤、悟りすぎ? あと、出血死を誘うって絶対いらない。言葉として間違ってないかもしれないけど、ここでは要らない。神視点でもいらない】



    「 @“潜伏型ヴァンクニッシャー”がこの学校に寄生した事までは特定していたが、誰に寄生感染したのか、そこまでは“マザー”の力を使っても分からない。@ 実際に他のデータに手を出すまではな。“ヴァンクニッシャー”はデータ量の多い人間を狙う傾向がある。偽造データを体内に仕込んではいたが、ここまで見事に引っかかるとはな」

    【5話で詳しい説明をするので、ここで必要なのは、罠をはっていたことと、それによって近藤のウイルスが引っかかったことだけ説明すればいいとおもう。「どうじて……」の問いに対し、ズレた回答をしているという点で、このやりとりは良し】

    【ちゃんと考えてほしいのは、『手を出す』というのが何を指すか。リンゴを渡しただけでウイルスが罠にかかったことになるなら、シャーペンの芯の時に同じことが起きても不思議じゃない。もしシャーペンの時は近藤は感染してなかったというのなら、それは作者都合なので、イサミにそれを考察させて読者に伝えるべき。『芯を渡した時には、まだ感染してなかったということか……』とか。でもイサミは感染した事実を知ったうえで学校に潜入しているわけなので、時系列がいろいろあべこべです。表などに書いてみて、それに沿ったセリフと地の文を選択する。そもそも設定を固めなきゃ駄目です】


    「ごべんね……ぞんなに、私のこと、嫌い、ギライだったんだね。じらなくて……気付けなくてゴメンナサイ」

     涙が頬をつたう。
     こんな訳の分からない適当にでっちあげた理由を使ってまで、拒絶されてしまうとは。
     悲しい。
     話に聞いたことがある。
     この世界から剥奪された感情を、噛み締めて理解する。
     胸は杭を刺したように痛み、涙は止めたくても止め方を知らず流れ零れる。
     顔は熱く火照り、嗚咽が止まらない。
     こんなに辛い感情があったなんて、彼女は知らなかった。
     でもなぜだろうか。
    “マザー”に管理されたはずの自分が、負の感情を、知っているのは、なぜなんだろう。

    @「ヴァンクニッシャー。貴様をここで消去デリートする」

    「何を言ってるか……分からないよ。そんなに私の事キライなの……? イサミくん」

    「まだ理解出来ていないのか。自身が置かれた状況に」

    「──え?」

     そう冷たく言った彼の手元から数字が溢れ出し、身長と同じくらいの四角が形成される。

     そしてそこに映る悍ましい何か。
     腹と右腕からは黒い触手が飛び出し、心臓辺りには趣味の悪い目玉がギョロっとこちらを向いていた。
     半身が、黒の何かに侵食されている。
     それが自分だと理解するのにそう時間はかからなかった。@

    【ストーリーとして、近藤視点ならこの辺は残していい。ただし、SF的な現実と違う世界を表現する以上、読者にわかるよう配慮しなきゃいけない。そもそも読者はこの世界の常識を知らないので、だとすれば、四角は鏡のようなものらしい、というような描写は必要だと思う】


    @@本当に──どうしてこうなったんだろうか。



     廊下を歩く度、聞こえてくる楽しそうな女子達の声が気持ち悪く聞こえた。
     教室に入る度、聞こえてくる男子達のどんちゃん騒ぎが震える程怖かった。
     先生が近くで話しているところを見る度、自分の事を話しているのではと懸念が拭えなかった。

     彼女にとって全てが敵だった。
     触れてはならない、話しかけてはならない、見てはならない。
     まるで学友を妖怪でも見るかのように扱った近藤。
     本来なら白く綺麗な廊下が、幾つもシミで埋め尽くされ、埃でも舞ってるかのように息苦しく、耳鳴りが彼女を苦しめた。

    「よお」

    「ハリー」

     そんな中、唯一の友達が針はりであった。
     幼馴染で、昔から交流があった針にのみ彼女は自分を出すことができたのだ。
     クラス中でもフレンドリーに接する彼は、針だからあだ名がハリーである。

    「近藤はさ、恋愛とかしないのい?」

    「突然何よ。私はそういうの興味ないわ」

    「なんじゃそりゃ。健全な女子の言う言葉じゃねーな」

    「至って不健康な身体付きですが、ちゃんと食事はしてるわ」

    「ペチャパイまな板星人だもんな。近藤、高校生にもなってダブルエーは、さすがにキツイと思う──ゾビャガッッ!!?」

    「なんでサイズ知ってんのよッッ!!」

     気持ちの良いパァァン、と言う音を鳴らす平手打ちを喰らい床に沈む針。
     だが、人と関わるのが苦手な近藤が唯一心を許せる相手だからこその関係であった。


     そんなある日──のことだ。

    「えええええッッ!!? 近藤に好きな人がぁぁっっ!!?」

    「ち、ちょちょ! 声が大きいって!」

    「だってよ。こんな事初めての事じゃんか! めでてぇ……今日は赤飯だ──ブラァッ!?」

    「だから声が大きいっての!」

     盛大な回し蹴りを喰らい、廊下の壁に吹き飛ぶ針。
     しっかりとスカートを抑えながらパンツが見えないよう配慮している辺り、喧嘩経験豊富な事を示しており、なぜ引っ込み思案なのかと床の冷たい感触を味わいながら、脳裏に浮かんだ。
     因みに近藤は格闘競技を一切やってはいない。

    「す、好きって言っても、ちょっと気になるくらいで、愛とか、そう言うのじゃきっと無い

    「そーの反応が怪しいんだよねぇ。それ本物の恋だと俺は思うぜ。だってよ──」

     壁にぶつけられ痛めた腰を手で摩りながら、身体を起こす針。
     まるで孫でも見るような、暖かい表情で彼は言った。

    「今までで、一番幸せそうな顔してるぜい。近藤 花子」

    「────ッ」

     自分でもはっきり感じる程に、顔が火照っているのが、分かった。
     鼓動は早鐘を打ち、もしイサミと付き合うことが出来たなら、どれほど幸せなのだろうかと、想像してしまったら欲望は止まらずどんどん膨らんでいく。
     二人で食事をしたり、映画を見たり、遊園地へ行ったり、手を繋いだり、キスを──したり。

     甘く、蕩けてしまいそうなピンク色の妄想が、近藤の血流を早めていた。
     それが結果として、表情に現れているのなら、それはきっとそういうこと、なのだろう。

    「もうすぐで、卒業だぜい。幼馴染として、恋愛経験者としての助言を授けよう」

    「何よ……。ハリーから教えを請う日が来るなんて、世紀末だわ」

    「まぁまぁ、そんな嫌そうな顔すんなって。恋の上達の秘訣は、なんて言っても攻めることだ。攻めなきゃ何も始まらねぇ」

     人差し指を立てて、何の嫌味も揶揄いも無しに、目を見てハリーは言った。

    「まず、相手の関係が崩れるとか、相手が自分の事を嫌いなんじゃないかっていう懸念をする前に、告白しろ」

    「……え?」

    「だから、告白だって。こ・く・は・く」

    「──バッ、バッカじゃないの! バカじゃないの! こ、告白なんて恥ずかしい事……私が出来るわけ……!」

     近藤は恥ずかしさから、手慣れた様子で後ろ回し蹴りを針の頭横に向けて放った。
     だが、蹴りはこめかみの横で器用にも停止する。
     近藤が見た針の顔があまりにも真剣だったからだ。
     いつも適当に済ませ、それでいて完璧にこなす針が、真面目な顔でまっすぐに自分を見ていたから。

    「やらなきゃ、ダメだ。後悔する」

     告白なんて夢の世界であった。
     頭の中で想像して、そこで完結する夢物語。
     テレビの画面の向こう側にあるドラマの世界。
     自分には縁の無いものと、勝手に決めつけていた近藤ではあったが、それをまさか実行することになるとは、夢にしか思わなかった。

    「大丈夫さ、テンプレ通りで。体育館裏にでも呼び出せい。手紙でも書いて呼び出せば来るだろ。俺もイサミとはあんまり喋ったことねぇけど、悪いやつじゃねぇと思うぜい」

     頭の後ろで腕を組みながら、適当な雰囲気で答える針ではあるが、いつもと違う何かを長年にわたり鍛え上げられた幼馴染センサーで、感じ取った近藤は、真っ赤に火照る顔を逸らして言った。

    「癪だけど……今回はハリーの意見に従うわ。……あり、あ、ありが」

    「お、お? おおおおおおおお???」

     これでもかと耳を近づけて煽る針に、真下から強襲する一筋の流星。
     否、拳が襲う。

    「おげぼげぼばばばばっっ!!?」

     錐揉み回転しながら打ち上げられた針ロケットは見事に発射失敗し、地上──もとい廊下の床に墜落した。

    「しつこいっての。でも……吹っ切れた。ありがとね、針」

    「ったく……手間かかる篭り姫だぜい……」

     いてて、と頭に出来たこぶを摩りながら、胡座をかく針。
     そして突き出す拳。

    「失敗しても、泣くなよ」

    「余計なお世話よ」

     出された拳に誓いを立てる様に、拳を当てる近藤。@@@


    【この回想が、いらない部分。のちにハリーを使うとして、ではどうするか。
     ①こんな結末になるなんて思わなかったよ、ハリー。ごめんね。
     ②近藤には唯一、気兼ねなく話せるハリーという幼馴染がいる。(ハリーならいいけど、『針』っていう苗字はどうかと思う。なんか、もっとパンピーな苗字にしたら?『張本』とか『針山』とか。トンガリ過ぎでしょ)
     ③ハリーは近藤が相談したときに「それは本物の恋だ、告白しなきゃ絶対に後悔する」と、背中を押してくれた。(普段ふざけてるハリーと近藤の関係性はドラマチックかもしれないけど、この作品の序盤に入れるテーマとしては、重きを置く必要がないから、もろもろの描写は一切省いていい。針ロケットもいらない。SFを描く際、地の文でふざけるのはNG。だって、読者の中では本当に針ロケットが発射するのか、しないのか、そういう世界観も固まっていないから。一気に冷めてしまうところ。冗談か本気かわかりませんというやつ)
     ④彼も告白しろと言ってくれた時には、こんな結末が待ってるとは思わなかっただろう。
     表現するなら、これだけで充分。今このタイミングで、2人のやいのやいのする場面はわざわざ見せなくていい】


     そうして、今に至る。
     告白の結果を、一体誰が予想したのか。

     上手く行く訳でもなく、
     フラれる訳でもなく、
     逃げられる訳でもなく、
     逃げ出した訳でもなく、
     言えなかった訳でもなく、
     中止になった訳でもなく、

     まさか──殺されるなんて。

     ──どうして、こんなことになってしまったのだろうか。

    「まだ、理解出来ないのか。近藤 華子。いや、“潜伏型ヴァンクニッシャー”通称“TYPE:Hider”。貴様はここで消えて貰う」

    【うん、近藤花子はやめたほうがいいね。華子ならまだ大丈夫。花子はコメディ要素】


    「な……なんなの。これ……」

    @近藤の視界に映っているのは確かに近藤自身だった。
     今朝纏めたポニーテールも、制服も、先生から貰った卒業の証のバッジも胸に付いている。
     毎日、洗面台の前で見ている見慣れた顔が、確かに半分だけではあるが目の前にあった。@

    【視界、というより、四角の中に映っているものですよね】



    「嘘……だよね」

     気持ち悪く、しかし嬉しそうにクネクネと生き物の様に動く触手が、自分の左腕に付いている。
     身体の左半分を、黒いコールタールの様な、廃棄物を根こそぎ潰して丸めて作った黒いスライムの様な、そんな悍ましい何かが付いていた。
     いや──、そんな悍ましい何かになっていた。

     恐る恐る、目の前で母が病気で死んだのが真実かを確認するように、ゆっくりと夢であってくれと願いながら左下を向いた。
     だが、夢の全てを叶えたこの世界であっても、真実を捻じ曲げることは出来ない。

     そこにあったのは、覗き込んだ近藤に対し微笑みかける黒い何かの中にある丸い目玉だった。

    「い、イャァァァァァッッッ!!!」

    「時間切れ……だ。近藤」


     青い電光を迸らせる刀を持ったイサミがゆっくりと、近づく。

    「ナンナノヨ……な、ナン、ナンナノヨ……コレハァァァァッッッ!!」

    「ウイルスだ、世界を壊す類の、な。人間の夢を喰い毟る害虫寄生虫蛆虫。それを駆除する為に@僕らは産まれた。それが──意義であり、使命であり、理由であり、全てだ@」

    【ここでは、複数形やめたら? 読者はいまのところ、イサミと近藤とハリーとウイルスの4者しか知らないから、僕らが誰を指すか、悪い意味でわからない。気になる~という感じではない。あと、害虫寄生虫蛆虫のところ、句読点で句切るか、害虫だけにしたほうがいいと思う。急にどうした? と思われるよ】


     まるで赤児と馬の鳴き声と男性の叫び声を入り混ぜた様な、不快な叫びが轟く。
     空気が震える度に、世界はバランスを崩したかのように捻じ曲がって行く。
     周りの壁は次々に溶け始め、校舎は不自然に曲がり、家々はまるで妖怪の家の様に生き物の様に動き出す。

    「周りに影響が出ている……」

    「チカ、ヨルナァァァァァッッッ!!!」

     左腕から繰り出された黒い腕の鞭の様な一撃が地面を破壊した。
     初めから爆弾でも埋まっていたかのように破裂した地面は、つい先程までイサミがいた場所であり、近藤はそこを狙って撃ったのだ。
     だが、イサミは、いない。

    @イサミは、いなかった。@

    【ここは、重ねる意味がない。不要。イサミはいなかった。が一文あれば十分】

    「イ、イッタイ、ドコ……ッ……」

     見失った標的を、@ゲームを失くした子供の様に探し出す。だが辺りに標的イサミはおらず、代わりに激痛が腹部に走った。
     腹から飛び出した見覚えのある青い電光が迸る一本の線。
     その線は徐々に顔へと迫り、そして彼女の身体を真っ二つに、断ち切った。@

    【まず、その場に適していない比喩。ウイルスにとって、イサミは生存をかけた真剣勝負の敵なわけでしょ? それをゲームをなくした子供のようには探さないでしょう。ゲームみつけたぁあ!って言ってぶっ壊すつもりなの? 比喩は劇薬。本当に必要なところ以外では、そもそも使わなくていいし、それが適切でないならばいっそう不要。本当に要らない。】

    【あと、一回刺して抜いたくせに、また腹を刺すっていうのは、どんだけだよと思う。
     「ここだ」とか言って、近藤(ウイルス?)が振り返った瞬間、そこに刀を振り上げたイサミがいて、頭から切り裂かれる、みたいな方がいいんじゃないかな。すでに腹部には激痛が走っていたわけだし、重複させる意味はないかな】


    「……カ」

    「“TYPE:Hider”。消去デリート」

     二つに分かれ、赤く、白いポリゴンが近藤の体内から大量に噴き出していたその勢いは止まり、散らばったポリゴンが彼女を包み込み摘めるほどの大きさの球にまで収縮。
     そして、弾ける様に──消えた。

    「Anti-133。任務完了。局へと帰還する」

     ポケットから出したトマトを握りつぶし、トマトは無残な姿を地に晒したのち、ポリゴン化して霧散する。

     そしてイサミも青い光に包まれ、消えた。
     残ったのは虚しく続く、葉のBGMのみであり、校舎は夜の闇へと消えていった。


    【最後、近藤視点だった場合は、残されたイサミの描写に移行する際、注意しなきゃいけない。まず、近藤が切り裂かれた。そして、死ぬ間際に、ポリゴンが見えた。帰還すると言ったイサミ、トマトを握りつぶし、それがポリゴン化するのも見えた。で、意識が遠のいた。とかにすればいいのかなと思う】

    【物質がポリゴンでできている、というのは仮想世界ならではなのでいいんだけど、やっぱり、近藤が(一般市民が)その仮想世界をどうとらえているのかというのは重要な要素。全部理解しているが、イサミたちの存在だけは知らないという設定なのであれば……そういう中で生活する人たちの心情をもっとリアルに想像して描いて欲しい。そして、近藤がそういう設定なのであれば、近藤に感情移入はしづらくなるので、イサミ視点で始めた方が無難だと思います。だって、体もすべてポリゴンなのを知っていて、痛みもないのだとすれば、むしろここまでの描写は普通すぎる】


    というわけで、2話目までの指摘でした。

    1度読んで、指摘のためにコピペしたため再読にな

  • こんばんは。

    ご質問いただきました。
    なかなか時間が取れず、そして質問内容について、どうだったかなあと考えていたら、少し日が経ってしまいました。すみません。

    以下、コピペしつつ質問事項に答えたいと思います。



    #ここで世界の説明をさせていただきます。
    後々説明される事ですが、一般市民となっている人間データ←つまり、現時点でマザーコクーンに入り意識だけを電脳世界に飛ばしているデータの人達はこの世界を現実世界と思って居ます。
    そしてここを仮想世界とは知りません。
    更にここで一番大事な設定なのですが、一般市民の負の感情は全てマザーにより、取り除かれています。それはマザーが人間が生き残れない理由の一つに戦争及び人間の闘争心に危機を感じたからです。
    故に怒り、悲しみ(感動タイプは除かれる)、辛さ、痛み、そう言った類の感情を根こそぎ奪われています。
    故に、話に聞いたことがある程度なのですが。←ここ伏線なので気にしないでください!
    イサミ達も戦闘時余計な心配をなくすために痛みはありません。

    そんな近藤に取り付いたウイルスの力により本来の感情感覚を取り戻します(マザーの干渉化から外れるため)。
    本来知らないはずの感覚を今、なぜか知り、なぜか体験している。
    その雰囲気をここでは出しています。
    この説明で納得していただけるかわかりませんが、もしまた指摘があればお願いします。


    →→→うーん。設定はまあ、いいんです。

    問題は、三人称だからといって万能に使っていると、作品に入り込もうかどうかと見計らっている読者は「おかしい」「やっぱ素人」みたいな感想を抱き、そこで作品にバツをつけて、別のことに時間を使おうと思うことです。

     武藤さんの感じからすると、とりあえず意図して近藤視点にしたということかなと思ったので、それで私の感じたことを伝えます。

     三人称は基本1視点であると考える意図はおわかりいただけるかと思いますが、イコール、近藤を外側から見ているようでいて、読者にとっては、近藤=読者のような状態なのです。小説では特に。

     それを踏まえて、読者として私がどういう目でこの作品の冒頭を読んだかということを話したいと思います。

     設定上、近藤はマザーコクーンにいる。でもそれを自覚しておらず、彼女にとってはその世界のすべてが現実であるという認識で、感覚や感情(負のみ)は、教科書か何かで知った程度の知識である。それは了解しましたが、その世界観の説明がのちに行われるまでは、近藤視点=読者=なにも知らない女の子視点、というわけです。

     読者はこれを読んでいて、近藤は何も知らない女の子で、純粋に好きな人に告白をした。返事はなく、それどころか突拍子のないバイオレンスな展開になり、真っ二つにされた。好きだったひとはウイルスがどうとかいっている。最後まで、「なんなの、私…?」という感じだと、すごくすんなり入ってくる。

     なぜなら、読者が今イメージしてるのは、作品の中の現実世界ではなく、自分の世界の現実世界だから。私が、血がどばどば口から出るのはどうなの?と指摘したのはそういうことですよね。そうすると読者の頭の中には???が浮かびます。そして現状、文章のおかしなところと相まって、その???がより重なって、悪い意味での混乱が起きます。
     
     1,2話→3話に移行する時に「あれ?」「近藤が生きてる?」「イサミのこと覚えてない?」というふうなどんでん返し的な効果を得たいのだろうなと思うので、読者としても、そう作ってくれた方が幸せです。

     今はそれが実現してません。

     具体的にどこを直せば、というと、私もあまりよくわかりません。3話目を効果的に使いたいのなら、1、2話目では、イサミの台詞や能力、鏡に映り、そして自分(近藤)の体から出ているウイルス、戦闘風景以外の現実世界とかけはなれた描写は、あえて避けたほうが、面白いと思います。

     たとえば、身体も血もポリゴンだとします。でも近藤にとってはそれが現実世界です。じゃあ、ただの『血』でいいじゃないですか。あえて読者に余計な混乱をまねく必要はないです。イサミという存在が登場するだけで、なんかこの世界は普通じゃなさそうだという印象を受けるので、よかれと思って描写しているであろう「仮想世界」を表す伏線が、むしろ突拍子もない感じになっています。

     あと知らないはずの痛みをなぜ近藤が知っているか、戸惑うかという話も、これと同様の話です。

     対象としている読者は痛みを知ってる。でも、近藤は知らない。
     近藤の話を、自分の話として読もうとしている時に、いきなり『知らないはずの痛みが』と言われても、ぴんとこないのです。というか、読んだときに意味不明でした。寄り添おうと努力しても何を伝えたいのかわからない感じ。

     で、これの改善方法は、そこそこ簡単だと思いますが、まず前提条件。

     1、武藤さんは、後でその説明をしようと思っている。
     2、近藤は、痛みという感覚を頭の知識でしかしらず、体感したことがない。いたいと感じたことがない。
     3、読者は、設定をまだ知らないので、近藤が痛みを知らないこともしらない。
     4、でも、近藤は痛みを感じている。理由はウイルスのせいだけど、それもまた近藤は知らない。それも読者は知らない。

     →よって、改善するなら、近藤の台詞と地の文を変えてほしいんです。

    近藤の感覚=熱い、稲妻がはしったみたい。はじめて知った感覚。

    台詞「なに、これ……熱い、ああああっ!」みたいな。とにかく痛いという感覚を体感したことがないから、『痛い』という言葉は使わないほうが絶対にいい。この感覚、なんなの、苦しい(苦しいという感覚もないのか?)、とにかくやべえええみたいな悲鳴を上げるだけでいいと考える。余計な情報を与えると、むしろダメ。この場合は『痛い』と言わせてもおかしいし、『これが痛みというやつね』と近藤に言わせてもおかしいから、とにかく体感を表現するしかない。

    ※痛みの感覚というのが無いことを、ここである程度読者に知らせたいということであれば、イサミに言わせるほうがいい。

    イサミ「知識としては知っていたかもしれないが、味わうのは初めてか? 辛いだろう、それが痛みという感覚だ。Hiderによりなんちゃらかんちゃら。だが安心しろ、最初で最後の痛みになるはずだ」

     適当ですみませんが、こんな感じでイサミが近藤と読者に教えてあげるのは、それほど不自然でないと思いますが、いかがでしょう。それなりに、のちの伏線になるかも。無くてもいいですが、無ければ痛みに関する情報は、限りなく少なくした方が読者に優しいと思います。

     

    --

    「──ザ──潜伏型の──ザザザザザ──、誰が感染──ザザ──か、分からない──ザザザ──だ」

     好きな人がいた。
     恋い焦がれ、思い続けた人がいた。
     少し首を伸ばすだけで、唇が触れてしまいそうなほど近い位置に、彼の顔はある。
     残念な事に、彼の声は雑音にかき消されその全て拾うことは出来ない。
     それは全てポンコツな自身の耳の所為である。
     これほどまで近くに来てくれたのだ。
     それはつまり自分の告白を受け入れてくれたということに違いない。
     もっと集中して……、
     もっと集中して聴かなければ!

    「僕はイサミ。“マザー”が作り出し──ザ──仮想世界に危険を──ザザ──ルスを排除する──ザザザ──られた“アンチウイルス型AI”。Anti-133。それが僕の名前の由来だ」

     雑音は少しずつ消えて、愛しい彼の声が徐々に鮮明に聞こえる様になる。
     やれば出来るではないか。
     そう自分を褒める。
     だが、会話の内容を理解する事が出来ない。
     告白のこの字にすら触れていない内容で、しかも訳の分からないことを言っている。
     つまりは告白を受け入れるということなのか?
     ならば、自分はそれに答えなければ。

    【個人的には、このモノローグは冗長すぎるんだけど、伝わるし、内容はわかるので、作者の好みで。でも、根本的に考えたほうがいいなと思うのは、近藤は刀を刺されている状況なので、そんななかで、好きな人が近くにいる! を過度にモノローグするのはおかしい気がします。近藤のキャラがよほど立っているなら別かもしれないけど、結局この場かぎりの人なわけだし、一般的な女子像として扱っていいと思います。つまり、好き→イサミすぐ近くにいる→でも刀で刺されてる→なんで、なんで!? というのが普通の心理的な動きだと思います。近藤という女子をどう扱うのか、1~3話目を近藤視点で進めるうえで、一番大切なことだと思います。以下、同様の理由でおかしいよなーと思うところは重複になるので、適宜指摘を省略します。】

    【ちなみに、あとでマザーに人間が従うという設定描写ありますよね。だとすれば近藤は仮想世界にいる自覚がある? と、すればもっと、仮想世界を自覚して生きている人たちが自分をどうとらえているか、世界をどうとらえているかを描写でわからせる必要があるので、もっとさらに作者として熟考が必要です。現時点では、ただ単に、視点ブレブレやん、あるいは近藤自身は普通の世界に生きていると思ってるんだな、と捉えることしかできません】

    #ここで近藤自身、普通の世界で生きているのかも、と見て頂けていたのなら、狙い通りと作者的ちょっと喜びを感じますが、どうでしょうか。


    →→→今のところ、狙いは外れています。読者の中の普通の世界から外れていいのは、イサミなど、先に挙げた要因だけでいい。近藤の中の普通は、あくまで読者の中の普通という状態にある以上、外部要因からくる非日常的な現象以外は、普通にしないと、「普通の世界に生きているのかも」と読者は感じません。

     逆に言えば、先に挙げたポリゴンの血だとか、痛みの件だとか、血どばーだとか、そういう描写をあえて隠せば、読者は近藤が普通の世界に生きているのだと思ってくれますよ。実際、私はそう読んでいました。そういった混乱をまねく描写が登場するまでは。

     SFやファンタジー要素のある作品については、前半の舞台紹介のところで、どこまでがその世界の普通で、どこまでが異常なのか、ということをいかにわからせ、定着させるか、ということです。私もツヨシを書くまでは考えたことがなかったので、勉強中でした。こうして武藤さんの指摘をしつつ、それも勉強になっています。

     たとえばそうだなあ。攻殻機動隊で、読者は電脳世界という知識を持っているとします。でも作中では少ししか語られておらず、草薙素子も電脳世界という言葉を少しだけ聞いた程度で、でも体感したことはない、という状況を仮定します。

     そしたらいきなり、なんらかのトラブルで、草薙がいきなり電脳世界にダイブさせられてしまう。見たことも体感したこともない電脳世界。周囲はぐちゃぐちゃしていて、わけがわからない。時間を経て、「もしやここが電脳世界か……?」と推測するなら納得できますが、いきなり「ここは電脳世界じゃないか、なぜいきなりこんなところにダイブしてしまったんだ?」とは思わなくないですか?

     まず驚く、反応する。そのうえで、推測、理解する。それが人間の感覚ですから、そこから外れれば、外れた理由をちゃんと説明しないと読者は納得できないわけです。もちろん、作中で、自然に受け入れられるように説明しなきゃなりません。

     だから、近藤は普通の世界に生きていると読者に思わせたいなら、近藤が見聞きする世界で、イサミを介する外部要因の情報以外は、普通の何も知らない人=読者と同じような反応をさせる必要があり、どうしても入れたい情報は、イサミに話させたり、ウイルスから命令させたり、勝手に体が動いたり、そういうふうにしないと、不自然になってしまいますんで、読者を作品から離れさせる要因になってしまいます。これは私が読者として当作を読んだ印象から言っていることで、どこかのノウハウ本の言葉を借りているわけではないですので、一度きちんと考えていただけるといいかと思います。

     今回はとりあえず、2話目の感想について質問を受けたので、それに応えました。

     この前は良作を読むことをお勧めしましたが、逆に一度、SFものとかで、下手くそそうだなーと思うカクヨム作を読者目線で読んで、どうしておかしいと思ったのかをメモし、自分の作品ではやらかしてないかな、と振り返ってみるといいですよ。意外と自分であいたたたー、と思うところがあったりします。

     以上です。連続で厳しい指摘が続いたかもしれません。偉そうにすみませんが、これが本気会だと思って、割り切っていただけるといいかと。自分が読者だとすれば、もっとシビアじゃないですか…。

     
  • こんにちは。

    イサミの1,2話、改めて読みました。
    まだ改稿途中かもしれませんが、読めますよ!

    よかったです! 1話目の締めも、そっちのが次話が気になりますし、自然な繋がりになってると思います。ファイト!
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