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【カクヨム甲子園プロット】1

〇テーマ
資本主義批判。

〇世界設定
二十一世紀中ごろ。
先進国でベーシックインカムが普及し、一部の人のみしか働かなくなった社会。

〇登場人物/キャラクター設定
主人公:僕
男、年齢不詳、無職、趣味は散歩。日本中を歩き回って旅をしている。
顔は二十代にみえるが、白髪が混じっている。悟ったような言動。

ヒロイン:ひめこ
十五歳。田舎の高校生。両親がそば農家。ふらりと現れた主人公に興味深々。
勉強ばっかりの生活に飽き飽きしている。

〇ストーリー
 ベーシックインカムの普及した日本で主人公は、働きもせず、ほとんど手ぶらで日本中を旅していた。たまたま立ち寄ったド田舎の茶屋で、ヒロインのひめこと出会う。
 主人公に――というよりは生まれ育った田舎以外の生活に――興味をもったひめこに促され、いやいやながらも主人公はこれまでの旅を語り始める。

 大学院を卒業したあと、主人公は民間企業に就職した。ベーシックインカムを担う一角の人物になるためがむしゃらに働く主人公だったが、究極製品を追い求める会社の姿勢についていけず、退職してしまう。
 ベーシックインカムの恩恵により、衣食住に困らない生活を送る主人公は歩いて旅を始める。
 最初に出会ったのは、トランプタワーを作り続ける男だった。より高いトランプタワーを目指すその男に主人公は、「どうしてそんなことを?」と尋ねる。答えは「暇だからさ」。
 次に出会った連中は、バケツリレーで水を運んでいた。「どうしてそんなことを?」、「隣からバケツが運ばれてくるからさ」。
 最後に出会った老婆は、物憂げだった。「いつもここに猫が遊びにきてね、だから、餌をあげていたのに、とんと姿をみせなくなってしまった」という婆さんに、主人公は「なにをあげていたんですか?」と聞く。「トウモロコシさ」「需要がなくなってしまいましたね」「そうだね。あり余ってしょうがないよ」

 ひめこは、主人公の話をつまらなそうに聞いていた。
 そんなひめこに主人公がいう。「退屈そうな世界でしょ。だけどね、幸せなんだよ」

(終)

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