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流木ーー最後の関八州

この小説は昨年に書いたものです。
一応主人公は松丸謙吾という架空の関八州です。大和久伊織が中心になってしまいましたが。
「関八州取締役」とは、かの有名な「火付盗賊改」と入れ子で設置された役職です。役目は同じようなものでしょうか。幕府の直轄領で起きた問題を解決に向かう役目で、敵方として有名なものには、国定忠治がいます。
その権限は大きかったようです。この話では、目明かしを一人だけ連れて捜査をしていますが、本当はもっと引き連れていたのかもしれませんね。

常々、市川、国府台を舞台に小説を書きたいと思っていました。古代から、国府台には国分寺が設置され、下総国の中心でした。平野部に突出した台地で、しかも周りを江戸川が囲っているという特殊な地形です。戦国時代には「国府台合戦」という北条氏と里見氏の一大決戦が行われました。

行徳は塩商人が幅を利かせている街でした。
家康が行徳で塩を作らせたのです。
にもかかわらず、調べていくと、商人たちは幕末の志士を援助しています。
このあたりも、矛盾した感情が入り乱れていたのかもしれない、と想像して、今回の設定に加えました。

最後の剣劇と、最初の暗殺シーンは、少し力を入れて書いた部分です。
特に最後は、あまり使われない手法だと自負しております。だいたい、時代劇でも一対一か、一対多数になっていることが多いです。その方が描きやすいんですね。そこを三つ巴の剣劇にしたのが、手前味噌ですが自慢です。

本当はこの話の続編を今ごろ上梓しているところなのですが、取材もできていません。
いつになることやら。

末筆ながら、ご評価いただいた方々ありがとうございました。

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