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コモドドラゴンの皮肉

 インドネシアへコモドドラゴンを見に行ったと前回書きました。
 今回はその時聞いた話とちょっとした感想など。

 現地のガイドさんから聞いた話なのですが、コモドドラゴンの卵は地中に埋められ、生まれたコモドドラゴンは穴をほって地上に出て来るのだそうです。そして、コモドドラゴンの成獣達は子供が生まれてくる穴の周りに集まり出て来た子供を食べるのだそうです。
 限られた小さな島の生態系の中で増えすぎると自分の食い扶持が減ると本能で分かっているのかもしれません。

 私はこの話を聞いてSF小説「リングワールド」を思い出しました。
 この小説の中で、地球の人口爆発を防ぐため、抽選に当たった人々だけが子供を作れるシステムを双頭の宇宙人が地球人に提案、地球人はそのシステムを採用、幾世代を重ねる内に運のいい地球人が出来上がるという話がありました。
 生まれてすぐ成獣に食べられてしまうコモドドラゴン。しかし、その内の数頭は「運良く」生き延びるのです。
つまり、今生きているコモドドラゴンは「運良く」生き延びた種なわけで、「運良く」生き延びた個体がさらに「運良く」生き延びた個体を生み出すわけで、こりゃあ人類が滅びてもコモドドラゴンは生き残るかもと思ってしまいました。

 余談ですが、コモドドラゴンを人類に置き換えると些かゾッとする結論に辿り着いてしまいました。
 地球という限られた生態系の中で、増えすぎた人類は自らを滅ぼし、生き残った運のいい人類が十分餌を確保出来るように、我々は大量殺戮兵器を生み出して戦争をし続けているのかもしれませんね。

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