エディタにまつわる話。

 ネット小説の執筆に欠かせないものとして、何があるだろうか。

 PCやスマホといったハードの存在が真っ先に挙げられるがその後はエディタの存在であろう。

 カクヨムやなろうのエディタを使ってる人は更新事故でFXで有り金全部溶かしたような顔になる前にエディタに乗り換えることをおすすめする。これはマジ。

 というわけで、今回はエディタの話をしたい。
(一番は自分がエディタを乗り換えたことが多いわけなんだけど)


 多分、多くの人はWordを使って執筆に励んでいることかと存じます。かく言う自分もサークル時代に使っていましたWord。
 しかし、ネット小説となると相性が悪かったりするわけですよ。これが。

 何が合わないかと言えば『記法』です。
 なろうや青空文庫、そしてここカクヨムといったネット小説投稿サービスには『|○○○○○《××××》』と言った具合でルビを振ったりできる記法が実装されているのですが、Wordでルビ振って打ったのをコピーして貼り付けると『○○○○○(××××)』となってしまうんですよ。

 これはよくない。

 あとは、個人的な思い出になるのですが、今のデスクトップに乗り換える前はノートPCを使っていたのですが、その時の動作が重くて重くて……そういったトラウマもあり、別のエディタに乗り換えることに。

 極論、文字を打つだけならばメモ帳だけでもこなせます(Google Keepでバックアップや調べ物の結果など書いてたりする)が、小説を書くにあたっては小説執筆に特化したものを使いたいと思うのが人情というもの。

 そしてサークルからネット小説にメインを据え始めたのもあり、『なろう記法に対応したものを使ったほうが効率がいい』と考え探し、見つけたのが『TatEditor(縦エディタ)』というフリーソフトです。

 このソフトの利点を挙げるとするならば、軽いこと、カスタマイズが効くということでしょうか(クソ強PCになった環境では誤差の範疇でしょうけど)

 時々四苦八苦しながらも今やっている小説である『アンダーブルー・クロスロード(以下、あんぶる)』を書き進めていたのですが――

 実は、右も左もわからなかった文芸サークル時代に、かの『オービタル・クラウド』や『公正的戦闘規範』といったSFを書いた藤井太洋先生が使っていたと言う理由で一回運用を試みて、頓挫したある文書作成ソフトがありました。

『Scrivener(スクリブナー)』と言うソフトです。

 Scrivenerとはなんぞやと言うと、イギリスの会社が開発した文書作成ソフトではあるのですが、買い切りかつ長文執筆用と銘打たれてるだけあって他の執筆ソフトとは一線を画す機能が多く盛り込まれています。

 例えば、執筆の際何かを調べるとしましょう。そのためにブラウザとかを総動員して調べるわけなんですが、その資料等を保存するスペースがこのソフトにはあります。早い話がかつて自分がGoogle Keepでやっていた機能が集約されているということです。

 そして、『アンダーブルー・クロスロード』を書き進めて数年が経った最近になって改めて触った時に便利さを実感した機能がありました。

『原稿の一括管理と分割』です。

 TatEditorやWordといったエディタやワープロソフトだと分割もへったくれもなく、一話一話別々に保存することになり、過去の回を確認しようとしたらその都度開かないといけなくなるのですが、いざScrivenerの原稿の分割を使ってみるとこの機能の実にありがたいこと。

 また、目標文字数のゲージバーとしての可視化という便利な機能もあります。

 欲しい機能が一つに集約されているというのはそれだけでもかなりの効率化に貢献します。

 設定の構築にプロットに資料などの記載と……最近の『あんぶる』連続更新にこのScrivenerが大きな貢献を果たしたと言っても過言ではありません。

 ただ、ここまでScrivenerについて熱弁しておいてアレなのですが……

 先程言った通り、自分はこのソフトを使い始めて2週間ほどしか経っていません。そういう事もあって全ての機能を使いこなしているとはお世辞にも言えない状況であります。

 また、このソフトは海外産ということもあってルビを始めとする日本語の組版ルールに対応していません(ただ、なろう記法で書けばいいだけなのでそんなに問題はなかったりする。というか、TatEditorではルビがおかしなことになるトラブルが多々あった)。
 更に言うとMac版では縦書き(だけ)に対応していますが、Windows版は開発が遅れているらしく縦書きに対応していません。

 ただ、その欠点を補って余りあるポテンシャルがこのソフトにはあります。

 有料ソフトで5800円(Windows版)と言う値段ですが、買い切り型で有料ソフトとしては安い部類に入るので、トライアルで試していい具合に感じたら買うことをおすすめします。
 ネット上での購入になるのでクレジットカードもしくはVペリカを用意すると良いでしょう。

 と、言うわけで執筆環境の変化と、Scrivenerは良いぞという話でした。




 追伸:ごめん彩月結斗改め澪標さん! TatEditorおすすめしておいて何だけどScrivenerがおすすめだよ! ルビや縦書きに対応していないのが玉に瑕だけど……

コメント

コメントの投稿にはユーザー登録(無料)が必要です。もしくは、ログイン
投稿する