• ミステリー
  • SF

マーク・トウェインが1889年に書いたなろう系小説(ガチ)

その名も『アーサー王宮廷のコネチカット・ヤンキー』。

(あらすじ)
 コネチカット州ハートフォード出身のハンク・モーガンは、技師の父親と獣医の叔父に両方の技術を仕込まれた男で、兵器工場の職長である。
 彼は、部下との喧嘩の結果、バールで後頭部を殴られ、西暦528年のアーサー王宮廷へと転移してしまう。日食を利用したペテンにより死刑を免れ、魔法使いマーリンとの魔法合戦に黒色火薬によって勝利し、宮廷での地位を確立する。
 此処から彼の改革が始まる。科学知識を活かして社会改革に取り組む。学校を作って若者を教育・啓蒙する一方、近代的な産業を打ちたて、それによって貴族制と教会の圧制を覆そうと計画する。また、王をお忍びの国内視察に連れ出し、民衆の不幸を教える。枯れた泉を復活させる、500対1の決闘に勝利するなどの行為で、魔術師としての名声もさらに高める。

 しかし、面白いのはここからである。宮廷に導入された株式市場が火種となり、内戦が勃発し、王も敵方も死に、漁夫の利を得る形で教会が国を支配する。
 一夜にして主人公の改革は立ち消える。民衆もあっという間に反旗を翻す。
 現代兵器を駆使し、教会の先発隊を虐殺する主人公と彼のシンパだったが、主人公はその際に負傷。潜入していたマーリンの手により、現代までコールドスリープさせられてしまう。実際、作中唯一成功した魔法である。

 義憤に駆られ、何かを変えようと躍起になった主人公は結果として何も変えられず終わってしまう。
 正しくディスイズ・アメリカという感じである。

ライトノベルの参考になる純文学なのでぜひ、読んで見て頂きたい。

https://kakuyomu.jp/works/16817330654272671809/episodes/16817330654272940060

コメント

コメントの投稿にはユーザー登録(無料)が必要です。もしくは、ログイン
投稿する