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面白い

 昨年、50歳になった僕は、「小説を書く」ということにエネルギーを費やしました。何だかんだと書き続けて、色々なことを考えました。「書く」という行為は、思考の言語化なので、僕という人間が現れてしまいます。50歳になっても、子供の頃に面白かったことが、僕の土台になっているんだなとか。結婚をして子供もいるのに、初恋に対する憧れが、僕の中にあるんだなとか。小さな頃は人見知りが激しかったけれど、大人になり処世術を憶えても、基本的な人見知りは変わらないなとか。

 反面、大人になったからこそ冷静に考えれる部分もあります。小説を書きながら、ずっと考えていることがあります。

「面白い」って何?

 面白いって、非常に懐の広い言葉です。単純に、お笑い番組を見て「面白い」ということもあります。自分が知らなかった世界を知ることで「面白い」と感じることもあります。悲しい話なのに、読んだ後で「面白かった」と表現することもあります。逆境に立たされているのに、開き直った瞬間にその逆境を「面白い」と達観する場合もあります。

 様々な「面白い」が、存在するわけですが、たぶん、全てに共通するテーマがあります。それは、「人間が生きることの肯定」です。生きていて面白いと感じれることは、生きる意味を感じるということにも通じると思うのです。物語には、そうした様々な「面白い」を浮き彫りにする役目があるような気がします。

 僕に、どれだけの力があるのか分かりませんが、今年も「面白い」と求めて、言葉を紡いでいきたいと思います。

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