• に登録
  • 恋愛

完結後書き「『マティアス・オーレン』の行方 ~ところで、兄はいつ戻ってくるのでしょう?~」




本日の投稿で完結になります!
マルティエナたちの物語を見届けてくださった方々に、心から感謝申し上げます。

さて、流行要素を色々と取り入れてみた男装学園(+その後)物語はいかがでしたか?
大好きな男装学園ものを書くにあたって、これまた私の好きな転生もの、乙女ゲーム世界、契約結婚を取り入れてみました!

契約結婚に関しては、流行っているのはこれじゃないよねとも思いながら笑
マルティエナがルチナと結婚することで、ネヴィルがアスタシオンと直接会う機会ができ、結果としてアスタシオンとクレイグが兄を捕まえに行ける……という大事なターニングポイントになっております。

苦労してようやく肩の荷がおりた兄ですが、エルジオの予想通り、今後は自分を演じることに苦労するでしょう笑 


本作は男装ならではの恋の形を詰め込んでみました。

マルティエナの『マティアス・オーレン』としての恋、
男装して過ごす中でのマルティエナの恋、
本来の姿に戻った『マルティエナ・オーレン』の恋……

私はNL好きですが百合要素も大好きなので、男装によって傍からみればNLだけど実際は百合っていう、マルティエナとアレッタの複雑な心境を心苦しく思いながらもニマニマしていました。

主人公が一途じゃないのはどうなのかとも思いましたが、それぞれの状況下で一途なつもり。
二重人格というわけではなく、普段の生活でも心の切り替わりってありませんか? スッピン時とメイク時とか、平日と休日とか。私は眼鏡かコンタクトかで別人かってくらい気持ちの持ちようが変ります。
マルティエナは古代魔法で性別を変えた上で、憧れの兄に成り済ましているので、心の保ち方が大変だったと思うんです。それゆえに、余計に境界線がきっちり分かれたのかなとも。

最終的にクレイグENDになったのは、兄のフリをして偽っていた自分を知らないでいてくれて、それでいて変わらない安心感が、マルティエナにとって心休まる相手だったんだよね……と。
ふたりの恋はゆっくりと、少しずつ水が浸透していくように進んでいくことでしょう。

女好きが一途になるのは最高ですよね!
女好きよりお調子者感がありましたが、内心では色々と考えているキャラです。

試験旅行先でマルティエナが攫われた時の様子とか、
助手になって兄探しに異国の地へ旅立ったり(学院卒業の翌日にアスタシオンと会話した相手はクレイグです!)、
ルチナとの結婚で「今が幸せか」と聞くあたりも。

流れに身を任せて楽したいクレイグが、マルティエナのためならどこまでも真剣になれるところが良いんだよなぁと。
普段の何気ない会話でも、クレイグはマルティエナが気楽に過ごせる『友人』でいられる空気感をつくっているんですよね。

内心ではアスタシオンとマルティエナの想いを察する場面も多かったはず。それでも『マティアス・オーレンの親友』ポジで居続けたのは、彼なりの、大切なひとを守るための信念ではないかなと。
そう思うと、アスタシオンとクレイグはそれぞれがマルティエナの異なる面を支えてくれていたのではないでしょうか。

クレイグを物語に出す分量は悩みどころでした。
マルティエナにとってそこにいるのが当たり前の存在で、クレイグは物語上の進展が全くない、取り留めのない毎日に欠かさずいる友人なんです。
ですが、さりげない場面で、マルティエナがクレイグを選んでいたり、クレイグのマルティエナに対する感情を垣間見れる描写を入れたつもりなので、読者の皆さまにも、クレイグENDを良かったなと思ってもらえると嬉しいです。


アスタシオンとマルティエナは、互いに惹かれ合っていても、接点を持つにあたって自分自身に明確な線引きをつくっていたように思います。
最後の別れで、そのルールを越えようとしたアスタシオンと、二人の関係に区切りをつけたマルティエナが切なすぎて……

私は何度もアスタシオンENDに路線変更しようかと思いました笑
こうなったらアスタシオンルートいけるかな~と分岐点も考えたのですよ。
来世で結ばれるENDも良いし、今世で結ばれるENDも良いし。今世だと二人が思っているように前途多難なので+1章くらい増えます。
今はクレイグENDに満足してますが、後々アスタシオンENDも書けたらなぁという気持ちはあります!

ここで小ネタですが、
実はアスタシオンとマルティエナの別れのキスは、当初の予定では記憶に残るはずの3回目だったんです!
ただ3回もキスシーン用意しておいて結ばれないのが悲しく、クレイグの立場よ……とも思い、投稿直前で減らしました笑
結果的にアスタシオンはとても紳士なキャラに。

また、アスタシオンと兄(第一王子)は互いの『お気に入り』に手を出さないという話を入れてますが、乙女ゲームでは「兄のお気に入りでも私は~!!」とヒロインを兄弟で奪い合うんです! ほんとにもう……
ゲーム内の彼を想像するのも楽しくて。

そんな、アスタシオンの小ネタです。
クレイグは乙女ゲームのキャラではないので、そういった設定はございません笑

本作は私の好きな要素をこれでもかと詰め込んだ物語なので、アスタシオンENDでなくとも、飛ばした学院生活や諸々の行事、休日の日々、別キャラ視点など書きたい話は選り取り見取りでして。
気長に続きを待ってくださると光栄です。


ちなみに、最後のIF話は「もしもエレノアが転生者だったら〜」のお話です。
学院祭などの展開が異なっていたはずなので、本作では転生者ではありませんでした!

それでは、長々と失礼いたしました。
行き場のない作品愛を打ち込みましたが、後書きを最後まで読んでくださった方いましたら、心の底からありがとうの気持ちでいっぱいです。
ありがとうございました!

コメント

コメントの投稿にはユーザー登録(無料)が必要です。もしくは、ログイン
投稿する