86話、
幕間 一の皇女(桜桃) Ⅱの補足です。
最後に桜桃がつぶやいた「荻のうわ風、萩の下露」は、
薄命だった義孝少将の、
「秋はなほ 夕まぐれこそ ただならね 荻のうは風 萩の下露」
(秋のあわれは、やはり夕暮れ時の風物がただならず身にしみる。荻の葉の上を渡る風の音、萩の下葉にしげく置く露…)
という歌に依ってます。
また涼人の文の「天つ星のよう」という言葉は、
敏行という人の、
ひさかたの 雲の上にて見る菊は 天つ星とぞあやまたれける
(雲の上である殿上で拝見する菊は、天界の星とも見まがわれるほどの美しさです)
という歌が基になっています。
物語はもう少しだけ続きますので、
お付き合い頂ければとても嬉しいです。
どうぞよろしくお願い致します!
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