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※ネタバレ注意

 今回はワールド・スイーパー最終章のネタバレを含みます。未読の方はお気を付けください。既読や気にならない場合には問題無しです。
 一応、改行でワンクッション。


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 はい、というわけでイラストを……と言いたいところですがカクヨムでは一番下なんですよね。スクロールしてご覧ください。
 久しぶりにお絵描きして最終章の最終形態ニャーン・アクラタカを描いてみました。いっぺんやってみたかったので、AIにイラストを描いてもらって輪郭をなぞったものなので自力とは言い難いですが。顔と服は自分で描きました。あと色塗りも。ご覧の通り、ほとんど白いですけどね。
 もしも本編未読の方がいたらとも思うので一応解説すると、試練に挑んだ結果として顔の右半分に治療困難な火傷を負い、右腕の肘から先も欠損。さらに大小無数の傷があり、治療をその場で自力で行わなければならなかったため、あらゆるものを再現可能なフェイク・マナという物質を操作できる能力を使用し欠けた部分を補った。顔の火傷も同じ物質で仮面を作って隠している設定です。
 また、試練の後に傷一つ残さず治療することが可能になったのですが、自分への戒めと初心に帰れるという理由からあえてそのままでいることにしました。

 これがネタバレその一。
 その二からは作中でタイミングを見出せずに語らなかった設定でも語ろうかなと。興味のある方がいらっしゃるかはわかりませんが。

 というわけで、その二。守界七柱の強さの理由。
 作中で語ったように彼等は界球器全体の守護神。なので内部の並行世界がどれだけ分裂と増殖を行っても彼等の同位体は発生しません。代わりに守護神としての責任の重さが増していくので、僕の作品世界ではお馴染みになった概念「魂の重力」が増加します。
 さらに彼等はニャーン同様に人々の信仰からも力を得ているため、単純に並行世界が増えると信徒の数も増えていき、魔力等が増強されていきます。
 ようはアイムが同位体達の力を一時的に借りてパワーアップするのと同じことをデフォルトでやっているということですね。当然はちゃめちゃに強いのです。
 余談ですが、スズラン世界の彼等の同型神も本来ならアルトゥール達と同じくらい強いのです。でも、あちらは崩壊の呪いに大半の並行世界を潰された後だったので、かなり弱体化していました。初期段階で上手く対応できていたらもっと善戦できたでしょうが、ユニのやらかしのせいでミナに目を付けられる前から痛恨の痛手を被っていたためどうにもならず。
 もっとも、そんな不幸を帳消しにするほど最高の当たりくじを引いていたのですが。

 その三。ニャーンはどういう存在になったのか。
 本編ラストで語ったように彼女は「悪意」に対する特効薬。ワクチンのような存在になりました。他の六柱とは違って人間から神へ昇格を果たしたため、世界の歴史の分岐に伴って彼女という存在も増えます。そうやってどんどん数を増やして各世界の「悪意」に対抗するのです。
 神になる前から存在していた同位体も本編のニャーンが神になった時点で神格を得ました。大半は自分の世界で人の悪意と戦っていますが、中には別の界球器へ飛び出したケースもあります。そして、そのおかげで次のネタバレに繋がります。

 その四。異世界でもアイムとニャーンは大活躍。そして彼女と出会う。
 本編のニャーン達ではなく同位体の一部ですが、別の界球器へ移動→そこでまた同位体の数を増やす→また別の界球器へという流れを経てどんどん数多くの界球器、つまり異世界に広がっていっています。
 本編世界に侵入したユニは無害化されましたが、元が外来の悪党なので他の世界にはまだまだ邪悪なママの彼がいて大勢を苦しめているのです。ニャーンはそんな「ユニ・オーリ」という名前の毒を中和できる希少な存在。さらに崩壊の呪いに対してもかなりの抵抗力を持っているので、本編後の歴史ではさらに数え切れない世界を救いました。
 そして、ここまで書くともうバレていると思いますがワールド・スイーパーはスズランシリーズよりかなり前の話で、崩壊の呪いがマリア・ウィンゲイトによって無害化された後、自分の不在の間に大活躍した女神がいると知った彼女による直接の訪問を受け、対面することになります。会ったのは本編のニャーンです。
 マリアが彼女に感謝したことにはもう一つ理由があり、それはマリアが魂、すなわち人の心を司る神様だからです。数多の世界に悪意が満ちれば彼女もその影響を受けて新たな崩壊の呪いを生み出しかねません。しかしニャーンや彼女のような存在のおかげでそうなることが防がれています。
 マリアは自らを人がそれぞれの中に持つ世界に自在に干渉できる神という意味で世界神と名乗っています。タイトルであり本編後のニャーン達の呼び名であるワールド・スイーパーとは、自分達の世界や異世界から悪意を祓うだけでなく、マリア・ウィンゲイトが祟り神と化すことを防ぐ役目を担っているから、でもあるわけです。

 その五。遠い未来。
 前回も書きましたがアイムとの死別で終わるエンディングも考えていました。しかし結局書きませんでしたし、本編ニャーンの未来に必ずそういう結末が待っているとも限りません。
 また、彼女は肉体の一部をフェイク・マナで補っていますが、人竜千季のあの夫婦のように全身が魔素で構成されているというわけではないので古い記憶は普通に忘れるし、心変わりもします。神になった直後はアイムを相棒と認識していましたが、ひょっとしたら彼と結ばれることもあるかもしれませんし、また親子に近い関係に戻るのかもしれません。そのあたりも不確定です。
 つまり、本編から後はご自由に想像してくださいということです。本編の二人以外にも同位体達もいますしね。可能性は無限大ですよ。

 その六。プラスタ、ズウラ、スワレ。
 本編ラストの描写はちょっと薄情に見えたかもなあと思うのでフォロー。三人とも人間としては頑張りすぎなくらいに根気強くニャーンの長すぎる人生に付き合いました。
 ただ、やっぱり長すぎて疲れてしまったので先に退場させてもらったのです。あれ以上だとニャーンに対して辛く当たってしまうかもしれないという危惧もあったのだと思います。子孫達の中に実際そういう態度を取ってしまった子達がいたので余計に危機感を煽られました。
 三人とも本当にニャーンを大切にしていたし、一緒に過ごした時間はお互いに幸せだったのです。追加の短編でそういう姿も書けたらなと思います。本編で入れるのは、ちょっと蛇足感が出るかなと思ったもので……。

 最後にもう一つ。その七。これも後で書く短編で語るつもりですが、本編だけの現時点では納得できない人もいるかなと思う点を。聞いたところでやはりご納得いただけるかはわかりませんが一応。
 ニャーンが優しい理由。
 彼女は本来引っ込み思案で受け身な少女です。言われるがままに生きてきたので、自分から他人のために動いたことは実はありませんでした。
 でも同室のプラスタが泣いているのを見て、なんとかしてあげたいなと思いました。亡母から教わった記憶を必死に思い返して花冠を作りました。不器用なので下手なものしか作れず、こんなもの渡せないと思って逃げようとしましたが、気付いたプラスタに追い付かれて結局渡します。
 そして初めて他人から感謝されました。何をやっても駄目だと言われてとことん自己評価が低くなっていた女の子が、自分から他人に優しくしたらようやく認めてもらえたわけです。
 だから、もっと人に優しくしようと決めました。役立たずの自分が認めてもらうには、それしか方法が無いと思い込んだのです。そして馬鹿だから他の方法なんてなんにも思い付きませんし、あるかもとすら考えません。
 ユニが言ったようにニャーンの優しさも一種の病です。そうしなければならないという強迫観念に囚われているようなもの。
 でも彼女はそれで幸せなのです。相手の笑顔が見られたら、そこに到るまでの過程でどんなに苦労していても報われてしまうのです。そういう病気なので。だったらそれでいいんじゃないかと彼は考え、彼女がそうあることを許しました。アイムもニャーンはそういう娘なのだと認識しているので、今はもう星獣の使命以上に彼女を守ることを優先します。
 ニャーンは多分、今でも守ってもらわないと生きていけない生物です。その代わり彼女の病的な優しさは物凄く多くの人々を助けています。この先もきっとそうでしょう。

 さて、それでは今回はこのへんで。Webで次に書くとしたらワイパーの短編か別の短編作品か。gimmickの続きは一応構想が出来ているものの、まだちょっと書くつもりになれないので、もうしばらくお待ちください。
 あと積みゲーも少し崩してしまいます。我ながら積みすぎ!
 それでは、また〜。

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