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浅原ナオト的カクヨムWeb小説「タイトル」コンテスト大賞中間発表&レビュ返

 皆さん、1/18に発売されるこのエッセイを知っていますか?

 夫のちんぽが入らない こだま著
 https://www.amazon.co.jp/%E5%A4%AB%E3%81%AE%E3%81%A1%E3%82%93%E3%81%BD%E3%81%8C%E5%85%A5%E3%82%89%E3%81%AA%E3%81%84-%E3%81%93%E3%81%A0%E3%81%BE/dp/4594075894

 すごいタイトルですよね。ち〇ぽですよ、ちん〇。どれぐらい話題になっているのかTwitterで検索かけたらNGワードに引っかかったらしく結果出ませんでした。それぐらいのパワーワード。

 なぜ唐突にこんなものを紹介するのかというと、僕はこの本が今年の上半期出版界において話題を独占すると思っていて「俺は発売前から注目してたし(ドヤァ…)」とやりたいからです。どうもこの本、初版3万部も刷るらしくて、その数ならだいたいの書店で平積みになるはずです。そこにこのタイトル。これは売れる。話題になって、王様のブランチで取り上げられて、若い女性タレントにピー音被せながらタイトル言わせて、Twitterで「言ったwww」とか呟かれまくって、そんな中ちらほらと「2017年にもなってこういう公共セクハラがまかりとおるのが日本なんだよね。がっかり」みたいなツイートもあって、それにクソリプ返すやつが至るところで湧いて、界隈が無駄に炎上しまくる未来が見える。(予想を外したら近況ノートを消して証拠隠滅を図るのでスクショ等は撮らないようよろしくお願いします)

 なお色々と意見はあると思うのですが、僕はこのタイトル好きです。作品の肝を的確に抑えながら尋常じゃないインパクトを出している良タイトルだと思います。女性向けエッセイはタイトルセンス良い本多いですよね。「女子の国はいつも内戦」とか。

 小説においてタイトルは大事な要素です。特にネームバリューがない新人はタイトルで目を惹けなかったらもう埋もれるしかない。そこで(どこで?)今回の近況ノートはカクヨムWeb小説コンテストに応募された作品の「タイトルだけ」を見て、各部門の浅原ナオト的タイトル大賞を勝手に決めていきたいと思います。本当にタイトルだけ。中身は一切関係ありません。よってURLを貼ったりもしません。中間発表と表現していますが、最終発表をするつもりもありません。ただの四方山話です。ではどうぞ、ご覧ください

<浅原ナオト的カクヨムWeb小説「タイトル」コンテスト大賞中間発表>

・異世界ファンタジー部門「どエルフさん」
 皆さん、このタイトルから「どエロ+エルフ」を連想出来ました?僕は出来ました。「ど」+「エ」+「ラ行」を見て脳の言語野が「エロ」を自動生成していました。この反応を読み切られた時点で参りましたと言うしかありません。「ど」の牽引力がすごい。

・現代ファンタジー部門「ニャクザ~RIZING~」
 わずか四文字で猫のヤクザの話だと分かる良タイトル。ただ副題はインパクトないし言葉遊びでもないし作品の情報も増やしてないから微妙。あと「ニャ」はひらがなにして最後に「。」か「!」をつけるとよりかわいい気がする。「にゃクザ!」みたいな。字面悪くなるから駄目か。

・SF部門「48million ~国民総アイドル社会~」
 誰もがあのアイドルグループを連想する「48」という数字とそのものずばりである「アイドル」の合わせ技が光ります。「国民総アイドル社会」という発想のスケールもいい。犬も歩けばアイドルに当たる時代を上手く切り取っていると思います。(ちなみにこの作品、面白くなりそうな気配があるのでフォローしています)

・恋愛部門「キス税を払う?それともキスする?」
 「キス」という胸キュンワードに「税」という胸痛ワードを組み合わせたセンスが僕的に好感触です。タイトルで話の骨子や雰囲気が分かるのも良い。ただタイトルを口にした時に「を」で引っかかる感じがあるので、自分なら「キス税払う?それとも、キスする?」にしますね。まあでもこんなのは好みの問題。

・ラブコメ部門「魔法少女(41)」
 この問答無用感。今回、部門別にタイトル大賞を選出していますが総合的にはこれがトップです。「少女じゃねえ!」とか思ったら負けなんだろうなあ。惨敗ですよ、はい。トップページのランダム選出で出て来るたびに目を惹かれる。

・ドラマミステリー部門「無理が通って道理も通す。」
 話題になった「逃げるは恥だが役に立つ」的なことわざ捩り系タイトル。力強さがすごく、キャッチコピーの「もうなんでもありっていうか、この女の子すごい。」を
見事に表現しています。破天荒な熱血女教師が荒れたクラスを更生する青春小説のタイトルにしたい。ただ「無理を通して道理も通す」の方が素直だと思うのですが、そうしなかったのは何か理由があるのでしょうか。

・ホラー部門「撲殺少女工房」
 タイトルに「撲殺」が入る小説を僕は「撲殺天使ドクロちゃん」以外に知りません。かなりのパワーワードです。そこに「少女」と「工房」。力無き者が蹂躙される恐怖と血と鉄錆の饐えた臭いがタイトルからプンプン漂ってきます。
 なおこの作品、ストーリーもキャラクターも文体もかなり独特なのですがなぜかテンポよく読めまして、自分には理解の出来ないものが頭に染み込んでいく感じがホラー的で好みなのでフォローしています。このごろ更新がなくて完結しないかもしれないのが懸念点。


 以上、浅原ナオト的カクヨムWeb小説「タイトル」コンテスト大賞中間発表でした。「で、これを読んでどうすればいいの?」と思った方、特にどうする必要もありません。ただ、読まれるためにタイトルがものすごく重要なことは間違いないので、PVが増えなくて困っている方はタイトルやキャッチコピーを再考してみてはいかがでしょうか。牽引力のあるパワーワードを意識するだけで結構変わって来るんじゃないかと思います。

 個人的には商業作品だと「殺人鬼フジコの衝動」や「嫌われ松子の一生」みたいなやり方が上手いと感じますね。いくらでも違うタイトルがつけられそうなものを見事に調理していて。日本中のフジコさんや松子さんにとっては大迷惑でしょうが。


-----(「彼女が好きなものはホモであって僕ではない」へのレビュ返)-----

 早瀬 翠風 様
 さんざんタイトルの話をした後にタイトル詐欺で怪我させた方へのレビュ返というのもどうかと思うのですが、「気持ちの良い痛み」と言って頂けたので良しとしましょう。ありがとうございます。決して現実に存在しない痛みではないことをご理解頂ければ幸いです。


 長良 黄泉 様 
 タイトル詐欺系のレビューが続く……まあ「良い意味で期待を裏切ってくれた」とのことなのでこちらもOKということにしましょう。
 長良さんには「カクヨム鉱山採掘日誌」での紹介や「ある同性愛者のクリスマス」へのレビューなど、多方面から色々とプッシュ頂きました。誠にありがとうございます。本作に出会えて良かったと言って頂けたこと、大変嬉しく思います。雅島氏の近況ノートに記されていた「女子大生Instagramウォッチャー」の件については深く掘り下げないことにいたします。まあ女子大生のInstagramは魅力的ですからね……しょうがないですよね……はい……


 ※慧徳様はTwitterの方で感想リプを頂き、やりとりを交わしましたので省略いたします。ありがとうございました。 

6件のコメント

  • ところで誤解があるようですが、女子大生のインスタグラムそのものには大して魅力はないです。

    俺は歌舞伎とかよう知らんのですが、女形、という存在があって、これは男がやる女の役、ということらしいですよね。で、女形の方がかえって女性より女性らしかったりするわけです。まあそこには、「この人はほんとは男」というある種の色眼鏡みたいなものがフィルタとして作用している可能性とか、「男らしい」「女らしい」とは? とかそのへんを突き詰めるとめんどくさい話になる可能性があるので今はそういう話はやめましょう。女形は男なのに女より女っぽくて、それが面白さの1つだ、ということを受け入れてください。

    受け入れてくれればそこで話は終わりで、つまりそういうことです。我々は女子大生そのもの、ではなく、女子大生に漸近しようとする存在をウォッチしているのです。
  •  ああ……ぜんぜん理解しない……ということを……理解したよ……

     この近況ノートを書いた後に長良さんがTwitterで「自分はライトウォッチャーだからセーフ」的なことを呟いてたんだけどそんなもの僕からしたら2tトラックか3tトラックかぐらいの違いしかなくて今回のミスター雅島の「女子大生のインスタグラムそのものには大して魅力は無い」という主張も「でも見てる」という最終結論の前には佐川のトラックかクロネコヤマトのトラックかぐらいの違いしかなくて道行く一般ピープルである僕にとって大事なのは「轢かれたら死ぬ」というただ一点であってつまり何が言いたいのかというとこれ以上は何も言いたくないので心ゆくまで二人でウキウキ女子大生instagramウォッチングを楽しんでください。
  • 浅原ナオト さま。

    こんにちは。初めまして。
    早瀬翠風と申します。
    レビュ返ありがとうございます。
    「彼女が好きなものはホモであって僕ではない」
    素晴らしかったです。
    「BL星」ではない、ちゃんとしたホモ(何だか変な表現ですが)
    浮ついた気持ちで読み始めたことが途中から恥ずかしくなりました。
    そういう意味では怪我をしました(笑)
    繰り返し押し寄せてくる主人公の遣る瀬なさ。世間の残酷さと、建前としての寛容。
    十数年前に比べると随分受け入れられるようになってきたのかと思っておりましたが、やはり今でもこんなにしんどいのか。そりゃそうか。
    クリスマス編を拝読して、モヤモヤした切なさを振り切りたくて本編を読み始めました。
    モヤモヤは吹っ切れたけど、切なさは深まったような気がします。
    主人公が「男が好き」ということよりも「普通になれない」というこを悩んでいたので。
    前者は周りに恵まれれば何とかなるけど、後者はどうにもしてあげられない。
    自己紹介はどちらを選んだのかな。
    これから、どうやって折り合いを付けていくのかな。
    まるで親戚の男の子を心配するみたいに、思ってしまったのでした。

    ごめんなさい。
    何だか随分長くなってしました。
    素敵な作品に出会えたうえにレビュ返までいただけて、とても嬉しかったです。
    ありがとうございました。
  •  早瀬 翠風 様

     はじめまして。浅原です。コメントおよびお褒めの言葉頂き、ありがとうございます。読み始めの動機はお気になさらずに。どちらかというと僕が悪いです。「よくも騙したなあああああ!!!!」的な感想を未だに受け取っていないのはひとえに読者の皆様の優しさによるものだと理解しています。
     主人公の悩みはその通りですね。どうしようもないです。それについては作品完結時、近況ノートのあとがきにこんなことを記しました。

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     本作の主人公である純くんが抱えている問題は、最終的に何も解決していません。依然として圧倒的存在感をもって人生に横たわり続けています。だけど彼は三浦さんを初めとする自分を愛してくれる人たちを通じ、自分を愛する術を知りました。世間は変わらない。自分も変えられない。だけど人生は、変えられる。そこに気づいた純くんは、きっともう「5-4」で取ったような行動はとらないでしょう。
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     これが一つの答えなのかなと僕は思っています。自分を変えられないのはもちろんのこと、世間もそう簡単には変わりません。それでも人生は変わる。変えられる。自分で生み出したキャラに対しておかしな言い回しではありますが、そこに希望を見出して生きて貰いたいと僕は願っています。
  • 浅原ナオト さま。

    浅原さまのあとがきの通りですね。
    傷つくこともあるだろうけど、支えてくれるひと、愛してくれるひとがいる。
    自分を肯定的に見ることが出来る。
    同性愛者に限らず、皆、そうだと思います。

    やっぱり、素晴らしい。
    ありがとうございました。

    追伸:件のユーザー企画、立ち上げてくださったら参加したかもしれません(笑)残念。
  • 早瀬 翠風 様

     そうですね。人は誰しも自分の力ではどうしようもないことを抱えているものですから、誰にでも共通して言えることなのではないかと思います。まあ、要は気の持ちようということで。雑な結論ですがそれぐらい雑に考えた方が人生は捗るでしょう。自分だけは自分を簡単にしても許される。これは本作のテーマの一つでもあります。

     あの企画は、わりと本気で需要はあると思うんですよね。カクヨムは★だけ入れてもユーザーネームが出るぐらいに匿名性が薄く、評価したらそういうものに興味があるとつまびらかになる関係上、ハーレムやBLのような人を選ぶものは評価されにくい構造になってますし。僕のカクヨム内人脈が広がったら真面目にイベントを立ち上げるかもしれませんので、その時はよろしくお願いします(なお自分から積極的に人脈を広げに行くつもりはない模様)
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