「海が太陽のきらり」
https://kakuyomu.jp/works/1177354054892111913完結しました。
ゆあん様の自主企画「筆致は物語を超えるか【海が太陽のきらり】」
https://kakuyomu.jp/user_events/1177354054891743810に参加しています。
応援して下さったかた、評価を下さったかた、この場をお借りして御礼申し上げます。
今回のノートは、拙作「海が太陽のきらり」の反省会です。
書かなければよかった、と後悔しておりますが、それを今後に生かしたい気持ちもあります。
作品に言い訳はしたくありませんが、「実はこういったものが書きたかった」「こういう風に書いたつもりだけど伝わらない」「具体的に教えて頂きたい」という内容を書いてゆきます。
◇ ◆ ◇
①『異邦人』のオマージュとして
ご指摘して下さったかたもいらっしゃいましたが、拙作の「海が太陽のきらり」はアルベール・カミュの小説『異邦人』のオマージュです。
※もしも盗作だと思われたかたがいらっしゃいましたから、運営に通報して下さって構いません。この程度の物語しか書けない自分に非があるので、何かしらの処罰を受け入れます。
『異邦人』から「海が太陽のきらり」に入れたかった要素は以下の通りです。
・冒頭と末尾の文章
・感情を面に出さない。もしかしたら感情がないかもしれない
・皿ではなくフライパンから料理を食べる
・喧嘩に巻き込まれる
・裁判にかけられ実刑判決が下される
・ブチ切れる
・なんかよくわからないけど裁かれるのを喜ぶ
『異邦人』の主人公、ムルソーは、そのタイミングの欲あるいはテンションで動くことはあっても、感情らしい感情は明記されず(終盤のブチ切れ以外は)、サイコパスみたいな個性で締めくくられます。「PSYCHO-PASS」の社会にいたら、きっと潜在犯になっているでしょう。
しかし、素直に作品を読まない私は、穿った見方をします。
ひょっとしてムルソーは、自分の感情に気づいていないのでは?
ムルソーがサイコパス的な人間だという評価は、裁判で一方的に下されたものであるので、実際のムルソーは違う人なのでは?
もしもムルソーにきっかけがあったら、理解者がいたら、ムルソーは変わっていたのだろうか?
そんなムルソーを海斗に投影したのが拙作の「海が太陽のきらり」でした。そのつもりでした。
変わることができたムルソーが、海斗。そんな感じに考えておりました。
大変甘い考え方でした。
②他のかたの作品を拝読しまして
大変申し訳ありません。他のかたの「海が太陽のきらり」を拝読しましたが、評価をすることもアドバイスをすることもできません。違和感というか、刺さるものがなかったというか……個人的に好きなものがなかった、という表現がしっくりくるみたいです。しかし、皆様のレベルの高さに圧倒されました。紺藤だけ何もしていないように見えましたら、大変申し訳ありません。
何が個人的に好かないのか考えたところ、登場人物の“背景”が見えないことだと思いました。
それなので、拙作では登場人物の“背景”をできるだけ掘り下げることにしました。
うちの海斗はきっと、嫌なことがあったら自室に引き篭もるだろう。親が連れ出さなければ海辺の町には行かないだろう。外的要因がなければ自分自身に気づかないだろう。
そんな海斗に必要なのは、親の存在。親が海斗を見守り、アクションを起こすきっかけがないと、海斗はきっと動けない。
海斗の親はどんな人だろう。
母親は心配性だけど義父や義母と仲が良さそう。
父親は休日ずっと寝ているような人は嫌だな。ロードバイクだったら、車に積んで持ち運べるし、実家周辺で乗り回しそう。そういう父親だったら、無頓着でドライに見える海斗に良い影響を与えることができそう。
海斗は海で、父親は山で、なんか遊んでいる。
余談ですが、海斗が父親を追いかける場面は、大河ドラマ「平清盛」のオープニング映像からヒントをもらいました。
祖父母は、典型的な田舎の人。
事実よりも噂を信じて、世間体ばかり気にする。
悪い噂を起こした海斗は、もう可愛くない孫。二度と敷居はまたがせない。
これは実際にあったことをベースに書いたのですが、とても稀なケースだったようで、紺藤は大層驚いております。
陽子は、しゅっとしたアスリートタイプかな。ラブコメのヒロインみたいなのは書きたくなかったけど、海斗を引っ張るキャラクターにしないと物語が成立しないから、匙加減が難しい。
プールが工事中だから、海に来た。
今時古風な名前の子は、どんな家庭で育ったのだろう。きっと、古風な家かな。良家の深窓の令嬢に“陽子”という名前の人がいそうだけど、この海辺の町だったら、お寺のお嬢さんかな。お寺の住職さんや跡継ぎさんだって、クリスマスパーティーが好きだしマラソンやる人だっているし、「犬夜叉」ファンもいるから、お寺で育った陽子が水泳やっていたって悪くはないだろう。昔の知り合いでお寺のお嬢さんいましたけど、アニオタでアニメイト通ってて高校卒業後はフリーターだったし。
とにかく陽子は難しかった。
陽子は書き手の性癖が出る、と誰かが仰っていたけれど、私の性癖はアスリートタイプか?
③上手く書けなかった
(以下、本文より)
「陽子さんは、泳ぐのが好きなんだね」
「うん、好きだよ。泳いでいる間は、嫌なことを忘れられる」
「嫌なことを忘れられる」
海斗は繰り返した。
波が大きく打ち寄せる。ふたりのつま先が一瞬だけ水に触れ、波は引く。
雲ひとつない空から、太陽が容赦なく照りつける。
「俺でも、嫌なことを忘れられると思う?」
陽子は、太陽の光を受けるかのように両腕を大きく広げた。
「泳いでみたい?」
海斗は黙って頷いた。
(ここまで本文)
うわ、めっちゃテンポ悪。
我ながら文章力の低さが際立つわ。
結婚したら水泳ができなくなるから、せめて今だけは泳ぎたい。
泳げなくて、でも泳ぎたくて困っている人がいるから、力になりたい。徳を積みたい。
……という感じだけど、全然書けませんでした。
キスシーンも、陽子にしてみればもらい事故のように書いたつもりでしたが、陽子が海斗で遊んでいるように読み取れるみたいでしたね。
④よろしければ教えて頂きたいこと
(1)申し訳ありませんが、現在の実力でいじめのくだりを修正することは難しいです。こういう加害者でなければ海斗が悩むほどの嫌がらせはできませんし、簡単にいじめが発覚して指導を受けるような人でもない。そもそもいじめの要素を入れなければ良いのかもしれないけど……(´-`).。oO
(エンドレスで悩む)
(2)排除できる要素
読者様から見て、排除できる要素があったら教えて頂きたいです。
(3)海斗の変化
海斗がアルバイトをしたところが唐突だとご指摘を受けました。
今まで無頓着でドライだった海斗
↓
CA格好良いな
↓
接客やコミュニケーションの勉強をしよう
↓
アルバイトで接客をやったら、あんな風に格好良くなれるかな
……という流れのつもりで書いていましたが、無理があったようです。
外したくないけど、外さないとおかしいですよね……?
(4)まとまる、とは
どうやったら展開がまとまるのか、全くわかりません(´;ω;`)
(5)海の描写
実は私、海が好きではありません。
数えるくらいしか行ったことがなく、最後に行ったのは10年前です。
でも、貝殻とかシーグラスは好き。
海の記憶が希薄なので、記憶を元に描写ができません。
どうしたら、海の描写ができますか?
⑤今わかる範囲での反省材料
・“背景”の掘り下げ過ぎに注意
・展開を重くしない
・実際の出来事をベースにして書いても、出来事自体が稀なケースもあるので、実体験を過信しない
・飯の出し過ぎに気をつける
・「おっさんずラブ」を見ながら執筆しない
・要素を絞る
⑥性懲りもなくざっくりした脳内キャスティング
海斗:菅田将暉
陽子:佐久間由衣
父親:戸次重幸
母親:西田尚美
……こんなことして遊んでいるから、上手くならないんだよな(´;ω;`)
◇ ◆ ◇
応援コメントへの返信が、相変わらず滞っております。
必ず返信する気でいるので、頑張ります。
大変読みづらい近況ノートを読んで下さり、ありがとうございました。