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【ヴァスリ】キャラクターの命名について

ヴァスリに限らずなんですが……キャラクターの命名について、のお話。
特に大々的に話す内容でも無いんですが、雑学を含むのでちょっとひけらかしたくて。
なので「へー」とか「ふーん」とか思ってくれれば大☆満☆足です!

さて、本題。

キャラクターの名前を付けるときに何となく自分を縛っているルールがあって。

●「本当にいるっぽい」という字面や語感を大事にしつつ
●「名は体を表す」ごとく、キャラクターに沿った

というものです。

これは処女作「げんとげん」でも大体のキャラクターには課していて、
「森瀬 芽衣(もりせ めい)」ならばラテン語表記にした際に彼女特有の魔術である【我が死を、彼らに(Mei Mori Se)】や【彼らへの死は我が物(Mori Se Mei)】という意味を表わす形にしていたり、
「鹿取 心(かとり こころ)」ならばナワトル語で「Cuatli=蛇の」「Cocoro=蠍」という意味だったり。

サブキャラだともっと直接的、ダジャレ的・言葉遊び的に
●大神 太雅(おおがみ たいが)→「狼・虎(タイガー)」
●木場 朱華乃(きば あかの)→「赤の牙」
●乾 九朗(いぬい くろう)→「黒い犬(くろいいぬ=くろう・いぬい)」
●アドルフ・ヴォルフ→ドイツ語でどちらも「狼」、どちらも共に人名・姓に使われる単語

とかやってるわけです。
(もっといますが、端折ります)


ヴァスリことヴァーサスリアルでもメインキャラクターはそうで、
というかヴァスリのメインキャラクターって5名なんですけど、
●牛飼七月(うしかい なつき)/ジュライ
●姫七夕(じぃ ちぃしぃ)/セヴン
●シーン・クロード/アリデッド
●小狐塚朱雁(おこづか あかり)/アイナリィ
●鷺田愛濾(さぎた あろ)/ロア

この5人も先述の2つのルールで作っています。
そもそもこの5人って何なの、って話からすると、「七夕(七月七日)」を、そして「夏の大三角形」をテーマにしているんですね。
つまり「わし座のアルタイル」と「こと座のベガ」そして「はくちょう座のデネブ」です。
アルタイルとベガは日本では「彦星と織姫」として、七夕にまつわるキャラクターなのでよく存じておられると思いますが、
 彦星=牛飼七月
 織姫=姫七夕
ということです。

ちなみに。
よく織姫は「織姫星」としても書かれますが、彦星は「彦星」としか書かれないことが多いと思います。
「織姫星」に対しては実は「夏彦星」というのが対とされるらしいです。なので「織姫」に対しては本来は「彦星」ではなく「夏彦」が正しいんですねー。聞きかじった話ですが。

それはいいとして。

彦星、アルタイルは牽牛星としても知られ、牛飼いなのでナツキ君の苗字はそこから取っています。
名前の「七月(ナツキ)」は彼の双子の妹である「七華(ナノカ)」と合わせて「七月七日」になつように。

なお、妹のナノカは「七日」にしようかとずっと迷っていましたが、女の子ですし結局「七華」になりました。


そして彼の対である姫七夕は、もうまんまですね。
姫(Ji)という苗字は一般的というには珍しい方に属しますが、台湾では普通にある苗字の一つです。
そして名前の「七夕(Qixi)」はまんま「七月七日」のことですね。
ですがこの名前に限っては、おそらく現存しないんじゃないかなあと思います。

そもそも「七」って数字が台湾ではあまりよろしくない。
というのも、物語でも出しましたが台湾スラングに「北七(Beiqi)」という言葉があり、これは「白痴」と読みが似ていることから主に冗談交じりで「ばーか」と言う時に使われたりします。
作者も遥か昔、台湾中華料理屋で働いていた時に同年代の台湾の女の子スタッフが言うこの言葉を聞いたことがありますが、本来「ベイチィ」と発音すると思うのですが、どう聞いても「バイツー」としか聞こえませんでした。何かあるのかもしれない。

脱線しましたが。
なので「痴」と似た発音でその代わりとされる「七」という字を名前にはあまり使わないんじゃないかなぁと思うわけです。
ゆえに、セヴンこと姫七夕に関してはルールの1を半ば無視した形となりました。
でも名前そのものが面白い韻(じぃ、ちぃ、しぃ)になっててとても好ましいです。


蜥蜴男あるいはイグアナマンのアリデッドことシーン・クロード。
こいつはもっと難解で。
まず、スペリングすると「Cygne Claud」となります。
苗字である「クロード」は特に定まった意味はありません。強いて言えば昔TRPGでGMやっていた時のキャンペに「クロード」という槍使いのNPCがいて、
そのキャンペもまさに星や天体にまつわる名称をがんがんに使っていたのですが、
その「クロード」も「クラウディオス・プトレマイオス」が元ネタで、結構好きなキャラだったのでシーンの苗字に使ったわけなんです。

なお、実は「レクシィ」もそのキャンペに登場させたNPCの一人「アレクサンドリア・テオン」を元ネタとする「レクシィ」というキャラから名前を拝借しております。はい脱線。

問題は名前の「シーン(Cygne)」ですが、これ実はフランス語で「白鳥」って意味なんですよね。本来の発音は「シーニュ」ですが、英語読みさせています。
何でフランス語やねん、って思うかもしれませんが、彼の故郷であるカナダとフランスは切っても切れない関係にあるのでして……カナダにはかつてフランス人が「聖地」と呼んで憧れていたアルカディアの地がうんたらかんたら。
なお、フレンチカナディアン(フランス系カナダ人)という設定も含め、私がアヴリル・ラヴィーン大好きだって趣味がふんだんに取り入れられています。
(彼女の姓であるLavigneも「ラ・ヴィーニュ/La Vigne(ブドウ畑)」を英語読みしてますし)
このあたりから彼の名前である「シーン」が決まったのですが、読み方については「サイン」にするか「シーン」かで結構迷っておりました。
たぶんね、綴り的に本当は「サイン」の方が合ってると思うんですが、響きを優先させて「シーン」になったんですね。

あ、ちなみに「アリデッド」という名前は「デネブ」の異称です。


さて。夏の大三角形三人組はよしとして。
残るは小狐塚朱雁そして鷺田愛濾の二人ですが……彼女らは夏の大三角形に実は被っている「こぎつね座」と「や座」をテーマとします。いやぁ、夏の大三角形に比べるとなんとマイナーか。
(一応「や座」は聖闘士星矢にも登場する星座ですから世代が世代なら知っている方もちらほらいると思いますが)


こぎつね座をテーマとするのが小狐塚朱雁(おこづか あかり)。
苗字については「狐塚」は京都にいるらしい、という調べが出来たので、もう単純に「小」つけちゃえ、って。響き的にはいそうでいない感じがみそです。

んで名前の「朱雁」ですが、これはこぎつね座の星座である「アンサー」から取っています。
このアンサーですが、なんと「ガチョウ」です。こぎつね座って、がちょう咥えてるんすよ。んで星自体は赤い(赤色巨星)んで、「赤いガチョウ→朱雁」です。

え? ガチョウと雁は違うって? 似てるじゃん、気にすんなよー。

なお、彼女のアバター名である「アイナリィ」は「稲荷」が由来です。
稲荷→Inari→Inary


ラストを飾るのは未だ真意の見えないロアこと鷺田愛濾です。
彼女は「や座」をテーマとしており、名前は結構安直に「Sagitta=や座のラテン語表記」から苗字を、「Arrow=矢の英語表記」から名前を付けました。
んで、α星の「シャム」をアバター名称としようか考えていましたが、単純に「あろ」を逆さにした「ロア」になりました。
ので、今後どこかで「シャム」という名称が彼女にまつわる何かで出てくると思います。それを言うと「アンサー」という名称もアイナリィにまつわる何かで出てくる筈ですが……
ん?そういえばロアの使い魔ってまだ出て来て無いし、アイナリィの固有兵装も未登場なんだよなー。意味深。

あ、あと、彼女の固有兵装である「ブラックウィドウ」もちゃんと「や座」に関する名称です。ブラックウィドウパルサー。


一応、公式には上記5名がヴァーサスリアルという物語のメインキャラクタ―です。
「げんとげん」ほどではないにせよ登場人物の多い本作、サブキャラの名前は結構フィーリングで決めています。

●須磨 静山(すま せいざん)/スーマン・サーセン
 →「すまん」と「さぁせんw」から。一発屋だと思ったら第二部開始早々に主人公の座を奪いに来た猛者になっちった。もうちょっと名前をちゃんと考えてあげればよかった……あ、ちなみに彼は「かに座」です。何故って?さーて、何故でしょう?

●鉄 百合珂(くろがね ゆりか)/ユーリカ
 →ぱっとした思い付きです。深い意味は無いですが、一応「鍛冶師」なので「鉄」って苗字になりました。

●綾城 ミシェル(あやしろ みしぇる)/ミカ
 →「ミシェル/ミカ」だけ決まっていた、綾城って苗字は多分字面と響きから「なんか雅」って思ってつけた記憶があります。

●ガブリエル・ダーク/ダルク・アンヘル
 →何気にアバターに苗字までちゃんとつけてるキャラクターって彼くらいなもんなんだよなぁ。こっちもミカ同様に「ガブリエル」先行。ただし「Dark Angel」というアバター名は割とすぐ決まりました。

●久留米 理央(くるめ りお)/ルメリオ
 →先に「ルメリオ」ってアバター名付けた後で本名どうすんの、って思った記憶があります。アニスやロレントも一緒。

●アコスア
 →西アフリカ人名より。意味は「日曜日」。


と、いうことで。
何となく、ただ何となくひけらかしたくてこんな記事を書いてみました。
シーン(アリデッド)の命名が文字数的にも最もこだわっていることがよく判りますね。蜥蜴男なのに。イグアナマンなのに。

個人的に、天体にまつわる名前や物語はとても好物ですので、
今後ももしかしたらヴァスリ内で天体や天文学者、占星術師を由来とする名称が出てくるかもしれません。
九曜封印とかね。


さぁ、好き勝手書き連ねてみましたが……
こういう「こだわり」とか、読者でいてくださる皆さんと交流のきっかけになればうれしいなと思いつつ。
よろしければみなさんのこだわりも、いつかどこかで教えてくださいませね。

それでは、宜候!(*‘ω‘ *)

2件のコメント

  • おお、こだわりが凄い!
    流石「言葉遊びの長月さん」
    いつも美しい言葉の響きにうっとりしてます♪
    アリデッドさんも入れて、夏の大三角なんですね!知らなかったです!
    あとは、スーマンだけ、とてもやっつけで笑いましたw

    ノエしろ追い付いたら、本格的にヴァスリも拝読します!
  • 浦科さん、ありがとうございます。
    言葉遊び大好きです!いつか西尾氏のように遊んでみたいものですねぇ。
    スーマンは使い魔もゴーメンですからね。
    彼はいいキャラクターになってくれました。本当に。
    ノエしろもありがとうございます!
    引き続きご愛顧のほどよろしくお願いします!(*´꒳`*)
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