「秋の物語」を含む小説

枝挫挫（しだれざ）ゆい。 いつも俯いて、ぼそぼそとつぶやくように言葉を話して、いざ話しかけられると取り乱す、亡霊みたいな存在。 ――その筈だった。 ある日を境に、彼女は人が変…

　親の離婚によって、夏休みを境に『権藤』から『佐藤』へ、名字が変わることになった千紗。菊池から勇気を貰って、二学期初日に堂々と名字が変わることを宣言した千紗ではあったが、心の中の…

拾った招き猫のストラップを持って散歩に出掛けた男。 その招き猫は運を運んでくれたのか──満月の夜の、なんてことのない散歩が何かを変えたかもしれない。 昔、夜中の公園で遭遇した出…

雪彦が一之瀬家に暮らし始めた5年目の秋。 末の義妹の結衣は、自らの進路を決めあぐね、雪彦に相談を持ちかけた。彼女の見据える『未来』と秋の物語。

――――”俺は故郷で生きたいんだ。” 神様を名乗る爺さんから”異世界に行くんじゃ”と言われ誘拐された少年。 そして少年は神から異世界を生き抜くための力—―スキルを得る事になる。…

　大切だからこそ、彼とは幼なじみのままでいたかった。壊れない関係でいたかった。だけどもう、この街に彼が帰ってくることはない。 ※おまけの秋人視点追加しました。約4,000文字（…

訳あって家出した名門校のＪＫ は夜の街で新たな世界の扉を開く。 道を踏み外しても、こんな出会いがあったっていいじゃないか。 そんな出会いこそ本当の価値がある気がする。 夜のネズ…

僕｢小鳥山(ことりやま)周(しゅう)｣は所謂(いわゆる)一端の高校生というやつだ。 然し僕の高校生活はある一つの出会いから変わってしまった。 僕が僕である、存在証明とは烏滸がまし…

　年下の帝の「お守り」としての役割を自ら選んで入内した晶子。 　母の恋の顛末に傷ついた晶子は、帝が出生の秘密に傷つき苦悩していることに気づき、自分が帝を愛していることに気づきます…