「一人称作品」を含む小説

神崎 桜は、この世の中に生きる意味を見出せない人間だった。 人間関係、社会の仕組み、流れ。その全てに嫌気が差していたのだ。 そんなある日、高校入学をきっかけに桜は変わった人物と…

　陽凪(ひなぎ)はどこにでもいるフツーの女子中学生。けれど、大好きなマンガに出てくる作品のキャラクター――いわゆる「推し」にガチで恋しているという「秘密」を皆に隠して、学校生活を…

俺、私立探偵の乾宗十郎は一人の男からある依頼を受けた。 男は新進の劇画原作者。主に男女の恋愛模様を主題にした作品を書いているのだが、 『自分はストーカーに遭っている。何とか助けて…

＃五月四日〈緑の日〉。 　ゴールデンウィークまっただなかの昼下がり。 　絶好の行楽日和というには暑すぎて、じっとりと汗ばむような初夏の陽気だった。 　図書館偏愛のビビり女子…

――――西暦20XX年、日本から独立した国家《香州》では『ネット・ゲーム規制条例案』が可決された。 　条例の施行は100日後、このままでは香州でゲーム実況をしている親友の「ワニ」…

台風一過の江戸川で、増水した濁流を見つめる僕の目の前に流れついたモノ…。 そこで起こったおかしくて哀しい小さなドラマを描いてみました。

「友達がさぁ、３日前に樹海に肝試しに行って帰ってこないんだわ」 　樹海で行方不明になった友人を探しに行く、と息巻く友人の運命は？ 　事態は思わぬ方向へ動いてしまった！ 　「…

依頼人の家を出たところで私は男の襲撃を受けた。